メディアグランプリ

献血は究極のデトックス


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記事:松浦哲夫(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「献血にご協力お願いしまーす」
「血液が足りていません、よろしくお願いしまーす」
 
大きな街の繁華街でこのような呼びかけを聞いたことある人は多いはず。これは日本赤十字社による献血の呼びかけだ。医療現場では常に血液不足だと聞くが、自身が輸血を必要とする当事者にでもならない限り、このような呼びかけに耳を傾ける人は少ないだろう。ただ、もし献血に協力することによって究極のデトックス効果が期待できるとしたらどうだろうか。今回はそんなお話だ。
 
かつて医療の力で命を救われたことがある私。医療現場における血液不足の現状を知ってしまうと、喜んで献血に協力しようという気にもなるし、実際に私はこれまで20回以上献血に協力している。期間にして約7年だ。献血量は毎回400ml、1回の献血では最大量だ。ただし、一度400mlの献血に協力すると、次の献血まで約3、4ヶ月の期間を置かなければならない。協力者の血液が不足してしまうためだ。400mlの献血に協力できる回数は1年最大で3回、私は毎年3回の献血に協力している。1年で1200mlだ。一般に人間の血液量は体重の13分の1と言われているので、私の体重から計算した血液全量は約5500ml。つまり、私は1年で自身の約5分の1の血液を提供していることになる。改めてその量の多さに驚く。
 
これは誰もがご存知だとは思うが、献血に協力したからといって金銭的な報酬があるわけではない。しかも、献血に協力するためにはアンケートや体調チェック、待ち時間などで1時間以上の時間を費やす必要があり、多忙な人が隙間時間を使ってできることではない。記念品や粗品をもらえることもあるが、それ以外に協力する側のメリットはない。それが献血だ。典型的なボランティア活動といってもいいだろう。
 
そんな献血に積極的に協力する私だが、それには理由がある。もちろん私自身のボランティア精神も理由の1つに含まれるが、実はそれだけではない。私が積極的に献血に協力する最大の理由、それは私自身の健康のためなのだ。
 
8年ほど前になるが、私は大学病院の医学研究所で化学分析の職に就いていたことがある。
 
私は医療の経験や知識を持たないが、約10年もの化学分野での研究開発経験がある。その経験を持って、医学研究所における化学分析の技術者として業務を行っていた。分析対象となる試料は人の血液であり、血液中の成分を分析機器で調べ、その結果を関係各所に報告するわけだ。日々の業務の中で日常的に人の血液を扱うため、業務の上で血液に関する様々な情報を知ることとなる。その中には医療業界ならではの貴重な情報や一般には決して漏れることのない裏情報、そして外部に漏らせば厳罰に処せられるほどの秘匿情報も含まれる。
 
私はその中のある1つの情報に大いに興味を持った。それが献血に関することだ。その情報を私に提供してくれた当時の上司によると(その上司は医師免許を持つ医者だ)、献血は究極のデトックスだというのだ。
 
「なんで男より女の平均寿命が長いと思う? 毎月一定量の血が体外に出るからだよ。血が出れば体は新たな血を作ろうとする。いわゆる造血機能だ。つまり、女は毎月少しずつ体の血をキレイにしているわけだ。男はどうだ? 男が体外に血を出すことなんてあるか? よほど大きな怪我で流血でもしない限りないだろ? だから男の体にはいつも使い古された血が流れているし、血を作らないから造血機能も衰えてしまう。もちろんそれだけじゃないが、俺はそれが要因の1つだと思ってる。献血で血を抜くことで血は新しく作られて、それが身体中を巡り臓器もキレイになる。体は中からゆっくりとキレイになるわけだ。まるで臓器全体をお風呂に入れたみたいにな。献血は体の中からキレイになる究極のデトックスなんだよ」
 
だから男も適度に血を抜いて造血機能を活性化した方がいいし、そのためには献血が最適だ、とその上司は言った。
 
実際のところ、上司の話が医学的に正しいかどうかはわからない。もしかすると「そんな話は間違っている」という医者もいるかもしれない。ただ、長年人の血液に携わってきた上司の話には説得力を感じたし、医療の知識が乏しい私に疑いようがないのだ。
 
献血は希望すれば誰もができるわけではない。献血に協力できる年齢は69歳までと決められているし、過去に輸血を受けたことがある者は献血ができない。また、血液に関するなんらかの病気を患ったことがある者、投薬治療中の者、歯の治療中の者、1ヶ月以内になんらかの予防接種を受けた者なども献血することはできない。
 
それらの条件に当てはまらなかったとしても、献血前に血圧と血中のヘモグロビン濃度検査を受けなければならず、それらの検査をクリアしてようやく献血への協力が可能となる。
 
それだけ厳重な規制や検査のもとで行われる献血だからこそ、私は安心して献血に協力することができる。そしてその報酬は究極のデトックス効果なのだ。
 
私は46歳。今年47歳を迎える年だが、実年齢よりも下の年齢に見られることが本当に多い。普段から食生活に気を使っているし、適度な運動も心がけているので献血のおかげかどうかはわからないが、相乗効果はあると思っている。バランスの良い食事と適度な運動、そして献血。それらの相乗効果というわけだ。
 
断っておくが、献血に体のデトックス効果があるという医学的根拠は何もない。もしかしてそういった内容の論文が発表されているかもしれないが、私は知らない。献血によるデトックス効果も半分は思い込み、つまりプラシーボ効果のようなものだと思った方がいいかもしれない。
 
ただ2つ断言できることがある。それは実際に私が約7年にわたり大量の血液を自身の体から抜きその都度血液が新しく生まれ変わっていること、そして献血を始めた7年前から今に至るまで病気1つせず体形も維持しているということだ。付け加えるならば、せっかく新たに血液が作られるのだから、キレイな血液が体内を巡るように食生活を改善しようという気になる。それも効果の1つだろう。
 
何よりも献血に協力することで誰かの命が救われる可能性があるのだ。状況が許すのであれば、病気や怪我で苦しむ人のために、そして自身の健康のために献血への協力をオススメしたい。
 
 
 
 
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2023-05-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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