A型女がB型男と結婚してみたら
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記事:ネナムラ(ライティング・ゼミ4月コース)
「俺、B型だよ」
付き合って半年ほどたち、結婚の話も出ていた相手からこう言われて、私は耳を疑った。
「そうなの? O型だと思ってたよ」
平静を装ってはみたものの、内心では慌てていた。
O型ならばA型の私と相性バッチリと思っていたのに、私の勘違いだったらしい。
よりによってB型だったなんて!
しかも、本人を含めた4人家族のうち、3人がB型だという。
家族全員A型という環境で育った私に、B型だらけの義実家とのお付き合いはできるんだろうか……?
血液型で性格や相性が決まるなんてナンセンスだ、とは思っていた。
そう頭では分かっていても、B型の人たちには大変申し訳ないのだけど、私は昔からB型が苦手だった。
B型の特徴として言われていることの1つに「自分の意見や好き嫌いをはっきり言う」というのがある。
私が苦手だったのは、そこだ。
きっかけは、小学生のころ。
友達グループ内にB型の子がいたのだけど、まさにそういうタイプだった。
私の行動や持ち物を否定するようなことを遠慮なく言うので、私はたびたび傷付き、「B型って苦手だな」と思うようになった。
それからずっと苦手意識をぬぐえずにいたので、親しくする相手はほぼA型かO型。たまにAB型がいて、B型は皆無という状態。
B型の人に対して、私が無意識に一線を引いてしまっていたかもしれない。
そして、B型と疎遠ゆえに、ますますB型に苦手意識を持つという、悪循環に陥っていたと思う。
そんな私が、B型の人と結婚して大丈夫なのか?
ナンセンスとは思いつつも、不安だった。
とはいえ、「彼がB型だから、結婚をやめるべき?」なんて、アホらしすぎて友達にも家族にも相談できない。
もちろん本人にも、「あなたがB型なので、結婚するのが不安です」なんて言ったって、何も良いことない。
誰にも言えず一人で、しばらくはモヤモヤと不安を抱えていた。
それでも、彼は今までの人生で会った誰よりも気の合う人で、一緒にいると楽しくて仕方なかった。
血液型のせいで結婚をためらうなんて、どう考えてもおかしい。
なので私は、「彼はそんなにB型っぽくない」と、半ば強引に自分を納得させた。
そして、1年半の付き合いを経て、私たちは結婚した。
さて、B型夫との生活はどうだったか?
じつは、結婚前から薄々気付いていたが、夫はとてもB型らしい性格だった。
思ったことをポンポン言うし、空気を読まないし、忖度しない。
結婚してからは、そんな傾向がますます顕著になった。
たとえば夫は、私が作った料理がまずければ、遠慮なく「まずい」と言う。
「ドブ汁!」とか、「ドッグフードか!」とか言われたこともある。
文字にすると、かなりの問題発言だ。
ところが、意外にも私は傷付かなかった。
我慢を重ねて思い詰めた口調で言われたら違うだろうが、何せ夫は思ったことを軽く口にする。
それに夫はひょうきんな人なので、笑いながらの会話だ。
おかげで、私も軽い気持ちで聞くことができ、感情的にならず受け止めることができている。
私が自分で食べてもまずかったら、単純に失敗作。
夫だけがまずいと言っているなら味覚の違いだ。今度はもうちょっと夫の好みに寄せてあげるといいかもしれない。
そんなことを思いながら、「暴言反対!」「天狼院の投稿でネタにするよ!」などと応酬している。
心配だったB型だらけな義実家とのお付き合いも、意外な展開になった。
B型一家の中で唯一のO型である義母が、B型顔負けのストレートっぷりだったのだ。
私の手土産が好みに合わないと、義母は「うふふ、ごめんね、持って帰って」と言う。
最初こそびっくりしたが、食の好みが繊細すぎるだけで、悪意はないと理解できた。
なので、義実家への手土産はいつも、自分がもらっても嬉しいものを選ぶ。
「持って帰って」と言われると、私は内心、「ラッキー!」と喜んでいる。
こんな具合で、私の結婚生活は、昔の私が見たらギョッとするような歯に衣着せぬ会話があふれているが、とても心地よい。
腹の探り合いをしないで済む気楽さに、すっかり慣れてしまった。
B型に対する苦手意識はもうないし、むしろ好ましく思うくらいだ。
そもそも、血液型など気にしなくなった。
以前は、少しばかり心の波立つことを言われただけで、自分を否定された気持ちになり、その相手から遠ざかっていた。
しかし、夫との暮らしや義実家との付き合いの中で、否定的なことを言われても、「あなたはそう思うのね」と受け止めることをおぼえた。
それは相手の意見であって、自分の意見は違うこともあるし、真実はまた別にあるかもしれないのだ。
その結果、ストレートな物言いをする人の気楽さを知ることもできた。
苦手と思った相手をすぐに避けていては、見えてこないことがある。
そんな当たり前なことに私が気付けたのは、B型らしい夫と結婚したおかげだ。
***
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