メディアグランプリ

自分を信用しないことを続けたら、信用できるようになった話

thumbnail


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:八幡未来(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
私は、スーパー不注意人間である。
 
傘、カギ、財布、定期は必ず落とす。
待ち合わせの時間に間に合うように起きても、必ず遅刻をする。
不注意エピソードは、山のようにある。
 
ただの不注意ではない。「ADHD」という、お医者さんお墨付きの不注意人間なのである。
ADHDとは、注意欠陥・多動性障害という、発達障害の一種である。
 
ADHDの中でも、注意欠陥タイプと多動タイプに分けられ、それぞれ名前が異なる。
私は注意欠陥の方で、「ADD」という名称でくくられる。
 
幼少期からうっかり者だった私は、小学校の先生に「わすれもの大王」と名づけられた。
生活していく中で叱られることも多い半生だったが、特に気に留めていなかった。
しかし大学を卒業する頃、就職先で上手くやれるのか心配になった母のすすめで精神内科に行き、カウンセリングと検査の結果ADHDであることが発覚した。
 
一度ADHDと診断されると、それまで気にも留めていなかったミスも、急に落ち込むようになる。ただのうっかりだと思っていたが、体の仕組みなのだ。それは、薬で緩和させることはできるが、一生治ることはない。
診断されたことによって、いつものようなミスで落ち込む時にも、二次被害が起きる。
「私は気をつけていても一生このままなのだ、いつかまわりの人から信頼をなくすし、持ち物をなくす絶望感と、ずっと付き合っていかなくてはいけないんだ……」
過去の失敗の記憶を引っ張り出してきて、最終的には自己嫌悪で消えてしまいたくなるレベルまで落ち込む。
 
ADHDと自覚してから、もともと低かった自己肯定感はさらに低くなった。自分はポンコツ人間だと思うようになった。
これは、他人に迷惑をかける思考であった。誰にだって向き不向きがあるのに、自分だけは全てにおいてポンコツだと勘違いし、「こんなダメな私でもできる事は、世界中の全員ができる」と本気で思っていた。
 
私は注意力散漫な反面、キョロキョロまわりを見渡しているせいか、ちょっとしたことにも気がつく方だ。しかし、自分ができるならみんなもできる理論で、他人にも「なぜこれに気がつかないのか」「見たらわかるでしょ」と同じものを求めるようになっていた。
 
自己肯定感が低いなりにも、他人に迷惑をかけてはいけないと、変わる努力をした。
私は、自分のことを、全く信用しないようにした。どうしたってできないことは、自分ではやらないようにすればいいと気がついた。
大きく分けると、以下の3項目である。
 
①予防する
かばんを替えると忘れ物をするので、平日も休日も全て同じかばんで出歩く。
あとでやろうと思うと忘れるので、すぐやるか、メッセージアプリのリマインダー機能を使って、思い出すきっかけを作っておく。
 
②頼る
自分を信用していないので、他の人の力も借りる。
友人と遊びに行く際のチケットはなくすので、友人にまとめて購入してもらい、当日まで管理してもらう。
約束の時間には必ず遅刻するので、「嘘の時間」として、15分や30分早い時間を教えてもらう。
 
③しない
傘はかならず忘れてくるので、折り畳み傘以外使用しない。手に持たない。
本やCDは期限内に返せないので、借りない。
ポケットのものは落ちるので、入れない。
 
できないことをやらないように行動したら、たくさんのライフハックを習得した。友人に勧められるようなものから、極端なものまで。やらないと決めたことは、案外やらなくてもなんとかなっている。
 
他人に頼るのには勇気がいるが、最悪のケースに陥った時の申し訳なさと比べたら、米粒以下であるし、案外素直に伝えれば、すんなりと引き受けてくれる。
 
自分を信用しないようにしてから、人には向き不向きがあるという認識も鮮明になった。他の人のできること、苦手そうなことにも目をむけ、頼ることやフォローもできるようになった。
 
「自分はこれだったらできる」という自信をもてる項目も発見したし、できるとできないの間に「できるけどやってもらった方が確実」「がんばればできそう」などを設けて、トライするようにもなった。
 
もし周りに似た境遇の人がいて、アドバイスを求められても、「まずは自分を信用しないほうがいいよ」なんて、冷酷人間みたいなことは言えない。
しかし体験談として、私のケースを伝え、おすすめのアプリを教えることくらいはできる。
できない自分をなんとかすることに対して、たくさんの実績と自信があるから。
 
自分に自信がなかったポンコツ人間は、伸び代たっぷりで、優秀な人では気づけなかったものに気づける可能性を秘めているのだ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事