プラスチック回収はSDGsを考える入口
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記事:なつき(ライティング・ゼミ6月コース)
来た来た来た、やっとこの波がこっちにも来た。楽しみにしていた。少しでも役に立てるようで嬉しかった。どんどん加速しているプラスチックの資源化、家庭で出たゴミのうちプラスチックは資源として回収する流れ。SDGsを意識することも含め始まった。でも実際始めてみると色々疑問が生じた。SDGsとは何だろうか。プラスチックの回収とは何だろうか。これは単に入口に過ぎないのだと気づいたことがあったのでお話ししたい。
少し前にプラスチックゴミを資源とする回収のお知らせが来た。今までは燃やせるゴミとして出していたけど、これからは再生用の資源としての枠で回収してもらえる。資源化の手伝いの中に入れてもらえるようで嬉しかった。この時からプラスチック製品の確認を始めたり、ごみ箱を分けるなどして回収スタートに備えた。
回収が始まった。備えていたので順調な滑り出し。こっちは燃えるゴミ、こっちはプラスチックゴミ、こっちはペットボトル、こっちは瓶・缶、などに仕分ける。するとかなりの物にプラスチックを使われていることを改めて認識した。わかってはいたけど、実際に分けてみると結構な量だと視覚でも捉えることができた。
そうやってしばらく分けているうちに少し疑問が生じてきた。日々プラスチックを分けて捨てている。分けて捨てている、これだけなら特に疑問は生じなかった。でも実際は分ける前にやることがたくさんある。回収された後の資源化をしやすいようにいくつか依頼されていることがある。特に必要なのは汚れと匂いを取ることだ。ただ捨てるだけでなく、この作業が入ってくる。それくらいやればいいじゃん、と思うだろうか。私もそう思っていた。それくらいやればいいじゃん。
それではいくつか例に出してみよう。
・トマトのパック
・洗濯洗剤詰め替え用パック
・お弁当やカップ麺の容器
・ペットボトルについてるセロハン
トマトのパック、これは簡単だ。水でササッとすすいでプラスチックゴミへ。次に洗濯洗剤詰め替え用パック、これは詰め替えた後も洗剤が残っているので切って中を洗うことになる。水をたくさん使う、中に残った洗剤を流しに捨てる工程がある。お弁当やカップ麺の容器、これらは油使用の料理が入っているものもあるのでしっかり石鹸や洗剤を使って洗うことになる。それでも容器に着色していたり、におい残りは結構あるし、複雑な形状のものもあるので時間も掛かる。ペットボトルのセロハン、これは剥がして捨てるだけなので時間もさほど掛からないし新たに水や洗剤を使うこともない。
こんな感じでプラスチック一つとってもただ捨てるだけではない。簡単なものもあるけど、本来は使わなくていい水や洗剤を新たに使う必要も出てくるし時間も要する。プラスチックを資源化するために、水をじゃんじゃん使って、新たに石鹸や洗剤を流す。あれ、どこかおかしくないだろうか。もともとはSDGsの観点からプラスチックの資源化が始まったはずだ。それなのにプラスチックの資源化ばかりに注視されている気がする。SDGsの項目の中には「14海の豊かさを守ろう」がある。プラスチックの資源化ためだけに、新たに水をじゃんじゃか使って、洗剤を流して、水と言う資源を大量に使って、洗剤を流すことで海を汚すことになりはしないのだろうか。
こんな疑問が生じたので、プラスチックの資源化について見直してみた。先ほどの例でいくと、トマトのパック・ペットボトルについているセロハンはプラスチック、洗濯洗剤詰め替え用パックは燃えるゴミ、お弁当やカップ麵の容器は、汚れやにおい残りがありそうなものは燃えるゴミ、取れるものはプラスチックゴミといった感じだろうか。しばらくこれでやってみた。
すると今まで見えていなかったことが見えてきた。今までいかに盲目的にプラスチックは資源として分けるとしていたかがわかった。プラスチックだから資源とだけの見方だと他が見えなくなってくる。これをやっているから自分偉い、やっていない人に対して攻めの様な気持ちが出てくることもあるかもしれない。もちろんやらないよりはやった方がいいけど、先に触れたように水を大量に使う、海を汚すかもしれないという考えには目を瞑ってしまうことになる。「あちら立てればこちらが立たぬ」と言う諺があるけれどこの場合これをしてしまってはいけない気がした。
汚れやにおい残りを取ることに躍起にならず、自分の基準を設けた。でもそうすることで、プラスチック回収に行くはずの物を燃えるゴミに分類しているかもしれない。それでもプラスチックゴミは日々出る。それだけプラスチックが日常に浸透していることの気づきを得た。そうか、そういうことだったのか。プラスチックゴミの回収はSDGsを誰もが考えるための入口にすぎなかったんだ。とても身近にあるプラスチックだからこそ、日々の生活を見つめ直し、資源化できるものがこれだけそばにあるという意識を持ってもらいたかったんだ。そしてプラスチックだけでなく、SDGsの他の項目にも目を向けていく足がかりにもなるものだったんだ。
プラスチックの別回収が始まったことで、プラスチックだけでなく、水資源のことや、海を汚さないようにするということが関連付けられ身近に感じられるようになった。
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