メディアグランプリ

草食系男子も、たまにはお肉を食べに行く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:都宮将太(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
「合コン行けよ!」
「いや、そんな友達おらんし……」
「相席屋は?」
「いや、なんか怖い。女性が無料っていうのが信用できんし……」
目の前で友人が少し考え込み、何か思いついたように言葉を発する。
「あ、マッチングアプリは?」
「いや、サクラがおりそうやし……。なんか自信ない」
「お前もう、彼女諦めろ(笑)」
 
 
ある日、「彼女がほしい」
と友人に相談した。相談という大袈裟なレベルでもないが、お酒の席でポロっと口に出てしまった。そんな友人との会話だ。
その友人は、
『肉食系男子』と呼ばれるタイプで、女性と話すことに何の抵抗もない。数年前までは、ナンパやクラブ通いに明け暮れていた時期もある。
今の彼女もナンパがキッカケで出会っているくらいだ。
 
一方で私はそんな友人とは対極に、
『草食系男子』と呼ばれるタイプで、女性と話すことが非常に苦手だ。女性と話していても、
「今この女性は自分なんかと話していて楽しいのか?」
「早く帰りたい。そんな風に思っているのではないか?」
と、常にネガティブな感情が浮かぶ。
そもそも、女性と話すまでにもの凄いエネルギーを使ってしまう。
RPGで、主人公が必殺技を繰り出すのにエネルギーが必要なように、女性に話しかける行為自体に、半分以上のエネルギーを使っている。
「自分なんかが話しかけて、嫌われたらどうしよう」
そんなネガティブな気持ちを追い払って話しかけているのだから、当然といえば当然だ。
目の前で笑っている肉食系の友人のようになりたい。常にそう思っていた。
 
 
類は友を呼ぶ。という言葉があるが、まさにその通りだ。
私の周りには草食系男子しかいない。正直、恋愛経験の乏しい彼らに恋愛相談なんてできない。
そんな中、肉食系の彼と仲が良いのは非常に幸運かもしれない。
ちなみに、草食系男子の名誉のために言っておくが、草食系男子が恋愛を諦めているかといえば、そうではない。
私を含め、彼らは常に恋愛についての勉強は怠らない。
雑誌や書籍、YouTube等で恋愛術の勉強をしている。だが、肉食系男子のように行動に移せないのだ。
医学の本を1,000冊読み一度も患者を治療したことのない医者より、1冊の本を読み、1,000回の治療を経験している医者の方が信頼できるように、
『行動』という点で、草食系男子は、肉食系男子に敵わないのだ。
 
 
「待てよ! それなら、行動力を身に着けた草食系男子は最強なのでは?」
と、草食系男子最強説が私の中に生まれた。
これまでに数千冊という医学の本を読み漁った医者が、治療という行動を起こすことで、知識と経験、ともにレベルアップしていくように。
だが、実際に動くといっても具体気にどうしていいか分からない。
そんなときだった!
「これ行ってみたら?」と、言葉が添えられ、肉食系の友人から一通のラインが送られてきた。
そこには、
 
『16対16の街コン開催! おひとり様参加大歓迎! 8割がお一人で参加されます』
 
といった広告が表示されていた。
これに参加したい! 直感でそう思った。
直感は大切にしろ。と、何かの本に書いてあったことを思い出し、その場で申し込み決済まで終わらせた。
なにより、お一人様大歓迎という言葉が気に入った。
草食系男子が気にするのは、
「自分以外が友人と数人で来ていたらどうしよう」
「自分以外が肉食系男子だったらどうしよう」
という不安だ。ほとんどが一人参加なら、草食系男子も何人かいるだろうと思い安心させてくれるのだ。
「草食系男子も、たまには肉を食いに出かけろ(笑)」
友人が送ってきた言葉に、一人で吹き出してしまった。
 
 
街コンを申し込み、開催日までは落ち着かなかった。
主催側のレビューや口コミを見たり、誰とも話せなかったら……という不安な気持ちが強くなっていく。
そんな不安な気持ちを抱えたまま、当日会場に到着した。
入口のドアを開けると、既に会場入りしていた男女数名の視線を感じた。
ここは戦場。
瞬時にそう思った。男性は自分のライバルになるのかを観察し、女性は自分と釣り合うのかを数秒で判断しているのだろう。
 
 
「それではスタート!」
司会者の声と同時に16対16の街コンが始まった。
まずは全員と会話ができるように1対1で全員と会話を行い、その後は全員混合の立食パーティーが開催される。
そのことはタイムスケジュールで予習済みだった。
しどろもどろになりながら、1対1の会話を終えたが、問題は次だ。草食系男子の私にとって最大の難関。RPGで言うところのラスボス的な存在。立食パーティーが待っている。
積極性が求められるパーティーは、草食系男子にはとても相性が悪い。
だが、そんなことは言っていられない。
そう思い、私なりに積極的に話しかけるが、うまく会話が進まない。それとは裏腹に、ここで本領を発揮するのが肉食系男子だ。
場慣れしている感じが見て分かる。
自分もああなれたら。と嫉妬心が芽生えてきてしまう……。
 
 
「休日は何されてるんですか?」
嫉妬心で押しつぶされそうになっている私に、明るい声が聞こえてきた。
一人の女性が話しかけてくれた。
その女性は、このような場所は苦手だが、身近に出会いもなく勇気を出して参加したとのことだった。
周りが積極的に行動する女性ばかりだったらどうしよう。そんな不安を抱え参加したらしい。
私は安心した。海外旅行中、言葉が通じず不安なときに偶然日本人に遭遇した。そんな感じだった。
肉食系男子が大声で盛り上がっている同じ会場の隅で私はその女性と話していた。
お酒の力も味方し、ありがたいことに会話は盛り上がり、後日二人でお会いする約束まで取り付けることに成功した。
 
 
私は確信した。
自分らしさを殺すことで、本来の素の自分を好きになってくれる人を遠ざけてしまう可能性に!
マリオがキノコを食べて大きくなることはできても、ヨッシーになることはできない。
また、ピカチュウが成長してライチューになることはできても、ミュウツーになるこができないように、私がどれだけ頑張っても、成長した私にはなれるが、肉食系男子にはなれないのだ。
そんなことをしたら、本来のマリオやピカチュウのファンまで消えてしまう。そんな悲しいことはない。
そう思った途端、フッと気持ちが楽になった。
これからは肉食系男子に嫉妬したり、羨むことはやめて、自分らしさで勝負していこう! そう思うことができた。
 
 
 
ちなにみ、二人でお会いする約束をしたその女性だが、後日お会いした際、会話がほとんど弾まずデートを終えた……。
当然ながら、それ以降お会いすることはなかった。
ここはまだ経験が不足していた。女性と会話をする経験が。
 
だが、焦ることはない。まだスタートをきって走り出したばかりだ。
これから経験を積んでいけばいいだけだ。そして、素の自分を好きになってくれる人を探せば良い!
今回、このキッカケをくれた肉食系の友人には、とても感謝している。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-08-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事