メディアグランプリ

旅行から帰宅したら、異臭が留守番していた


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記事:赤羽かなえ(ライティング実践教室)
 
 
異臭がした。
とんでもない異臭だ。こんなにひどいドブ臭、最近ではなかなかお目にかからない……いやこの場合、鼻にかからないと言うべきか。
 
「何、この臭い」
 
家族が異臭の元に近づいては顔をしかめて逃げていく。
 
目の前には洗濯機があった。
 
それまではとても気分の良い週末だった。
義理の両親との家族ぐるみの1泊旅行。子ども達も喜んだし、義両親も喜んでくれた。普段は体調が悪くてなかなか外出できない義母だけど、やはり出かけると気晴らしになるらしい。気が弱い発言が増えた彼女が楽しく過ごしてくれるのは何よりもホッとする。
 
お昼ご飯も食べて、買い物をし、夕方まで洗濯しながらゆっくりするつもりだった。
 
家に戻って一息ついてしまうと片付けが進まないからこういうことは勢いをつけてやってしまうに限る。家に戻って、一息つく前に洗濯機をあけた。
 
その途端にとんでもない臭いが出迎えてくれたのだった。
 
なんでこんなことが起こったのか。いい気分だったからすっかり忘れていたけれど、旅行前の朝の記憶がよみがえる。
 
その日の朝、洗濯機の調子がちょっとおかしかった。旅行に出発する前に、残っていた洗濯物を回してから出かけたい。そう思った私は、起き抜けすぐに洗濯機を回し始めた。けれど、いつものように洗濯が終わらない。
 
なんでだろう? 気にはなっていたけど、旅行前の朝はあわただしい。脱水で止まっているのは気になりながらも、そのうち動き出すだろうと、放っておいた。
 
けれど、いつまでも動かない。何度見ても脱水が始まらないパネル、迫りくる出発時間。脱水したらすぐに干せるのに、今さら絞って干していくのも難しい。結局、私は、もう一度最初から洗濯機を乾燥までをセットし直し、全てを洗濯機にお任せして出かけることにした。
 
2日後、洗濯機は奇跡を起こすことなく、脱水の手前で止まったまま、私を出迎えてくれたのである。
 
そして、その2日の間に排水できなかった洗濯機の汚水が見事に悪臭をまき散らしている。
 
最高潮だった気分は駄々下がり。とりあえず洗濯機から悪臭まみれの洗濯物を救出して、旅行の洗濯物と共にコインランドリーに駆け込んだ。洗濯物についてはどうにか決着がついた。
 
でも、家に戻ってくると、あのドブ臭。まさか、クサさだけで、こんなにクオリティオブライフが下がるとは思わなかった。洗濯機の扉を開けて状況を確かめる。ドラム式の洗濯機の底に溜まっている水が臭いのがわかった。
 
まずは、脱水だけをかけてみることにした。でも、排水に問題があるというエラーメッセージが出た。どうやら、排水ができないらしい。もしかすると、何かのはずみに、排水のホースが外れたり、詰まったりしているのかもしれない。次に排水口とホースを調べてみることにする。
 
しかし、洗濯機は強力だった。動かそうにもピクリともしない。排水口が確認できないなら、修理に来てもらうしかない。
 
私は購入した家電量販店に連絡をした。けれど、あいにく週末で対応は週明けだという。こんな臭いまま週明けなんて待てないよ。絶望的な気分になって、ドラム式の洗濯機に溜まっている汚水を雑巾で少しずつ吸い取る作戦に出た。
 
ある程度水を吸い取って絞り、絞ってはまた吸い取る、を繰り返し、洗濯槽を扇風機で乾燥させてみることにした。
 
……しかし、扇風機の風に乗って異臭が家中に充満するばかりで、家族が大ブーイング。しまいには、文句しか言わない家族にも腹が立って、険悪な雰囲気になる。さっきまで楽しかったのに、洗濯機の異臭で、あっという間に家庭崩壊の危機である。
 
これはまずい、どうにか手を打たねば。私は、水回りのトラブルを解決してくれる業者に連絡をしてみることにした。
 
よくポストに入っているマグネットの広告が役に立つとは……。あのマグネット作戦もいいかげんうんざりしていたけれど、役に立つんだな……そんなことを考えながら電話をする。応対してくれた担当者がとても親切で、作業担当の方が着くまでにしておくべきことを教えてくれた。
 
ドラム式の洗濯機は重いから、作業の男性だけでは動かせないから家族の中の男性がいてくれると助かるとか、動かしやすいように周りのものを移動させてほしいとか。普段なら気づきそうなことも臭いと焦りで半ばパニック状態になっている私にとっては、とても分かりやすいかった。
 
『最後に確認しますが、洗濯機の下の方にある排水フィルターはホコリで詰まっていませんよね?』
 
担当の女性が聞いたので、
 
「水がたまった状態でネットをあけると水が出てきてしまうのでやっていません」と答える。
 
以前、洗濯槽に水が溜まった状態で、排水フィルターのホコリを取ろうとして、床を水浸しにしたことがあった。今回も水が溜まっているから、そのフィルターは開けないようにしていたのだけれど、その女性に言われて、排水口ではなく、排水フィルターから水を出せばいいのだ、ということに気づいた。
 
一旦電話を切ってから、排水フィルターの下に洗面器を置き、排水フィルターを開けてみた。
 
すると、汚水と一緒に、大量のホコリが飛び出してきた。耳掃除したらすごい大物が出て来て超スッキリした、くらいの清々しさだった。
 
このホコリのせいか!!!
 
何のことはない、排水フィルターがホコリでどん詰まりを起こしていただけだったのだ。飛び出してきた水とホコリを目の前に、力が抜けた。
 
まだ、異臭が残る洗濯機を何回か洗って、脱水機をかけた。排水フィルターのつまりが取れて、順調に脱水機が回った時、思わずガッツポーズしながら「よっしゃー」と叫んだ。
 
これにて我が家の異臭騒ぎは終息した。
 
終わってみたらあっけないものだけれど、家電のトラブルは、専門家に相談してみるのが一番である。特にそういう時には冷静に物事が判断できないので、信頼できる業者を知っているのは強い。
 
そして、暑い時には、無理して洗濯はしていかないのが吉、そう思った夏の一日だった。
 
 
 
 
***
 
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2023-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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