メディアグランプリ

19×19まで暗算できればプログラミングもわかる!


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記事:村人F (ライティング実践教室)
 
 
『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』という本が目に留まった。
タイトル通りのことができるようになる本である。
これまで私は中学生で暗算検定1級を取っていたこともあり、この手の本はスルーしていた。
「そのような本に頼らなくてもできる!」と意味のないマウントを取っていたからだ。
 
しかし30代も半ばに差し掛かったせいもあるだろう。
昔はよかった暗算力が見る影もなくなってしまった。
そのため、このような秘術を教える系の本に興味を持つようになったのである。
 
そして、手に取ったのは大正解だった。
1日どころか5分で暗算できるようになったのだから。
 
もちろん私が大人であり、しかもプログラマーという理系の仕事をしているおかげもある。
だが本書の方法は本当に小学生でも簡単にできるように書いてあった。
しかも気持ちいい。
そのため意味もなく暗算を繰り返しニヤニヤしてしまうほどだった。
これができれば算数も好きになること間違いなしだろう。
難しそうな計算が瞬時にできたときほどの快感はないのだから。
 
ただ、1つ気になったことがあった。
なぜこの方法を思いついたのかということである。
書いてある方法は、私が理系ということもあり数学的に証明できる。
ただ、この公式がなかなか思いつかない形をしていたのである。
感覚的には最初にこれを発明する手間を考えたら、正攻法の筆算を行った方が楽なのではないかというレベルだ。
 
それでも本書は、簡単な暗算法を開発したのである。
この原動力を考えると、やはり算数、数学が苦手だったということになるだろう。
 
算数が苦手になる原因は、ほとんどがスムーズに計算できないことから始まる。
かけ算の九九、筆算、小数に分数。
これら未知の計算ラッシュに耐えきれず脱落する。
そういったケースがほとんどだろう。
そして、この苦手意識を抱えたまま大人になってしまうのである。
 
だが、だからこそ沸き立つ原動力もあるわけだ。
かつて自分が苦しんだような計算を、子どもたちにさせるわけにはいかない。
この正義感が再び立ち向かう心を奮い立たせた。
そして必死に考えた結果、本書に書いてある簡単な方法が生まれたのだろう。
勝手に裏事情を想像してみたが、ジーンとくるストーリーである。
 
ただ、これと同じ発想をしている職業を同時に思い出した。
プログラマーである。
理系の仕事なのに何を言っているのかと思われただろう。
しかし考えてみれば、私がプログラミングをする理由も同じだったのである。
 
それは苦手かつ面倒すぎて絶対にやりたくないことがあり、これらをコンピューターに押し付けてしまおうという発想だ。
例えば私は車の運転ができない。
免許は取ったが10年以上ペーパードライバーである。
だから絶対にやりたくないので、自動運転のプログラミングを頑張る。
これがプログラマーの発想だ。
 
そのため考え方も19×19暗算法を開発した人とほぼ同じなのである。
「筆算なんて面倒だ! 暗算でやりたい! しかも簡単にできる方法で!」
この思いが手に取るようにわかるくらいだ。
 
そうなると19×19の暗算ができることで身につくのは、単に計算が早くできること以上の能力かもしれない。
それは難しそうな問題を、見方を変えるだけで簡単にする力である。
 
教科書通りの筆算は、紙に書くことが多すぎて面倒だ。
九九の計算もたくさんする必要があるから間違いも起こりやすい。
しかしやり方を変えるだけで暗算を行えるレベルにまで簡単にできる。
この思想を小学生のうちから学べるのである。
 
そしてこれこそがプログラミングの真髄なのだ。
この技術は、決して謎の英字列をカタカタ打ち込みほくそ笑むタイプのものではない。
むしろ面倒すぎて絶対にやりたくないことをコンピューターに任せて簡単にする。
こういう手法を開発して感動する業界なのだ。
 
つまり19×19の暗算がスムーズにできれば、何故かプログラミング力も身につくわけである。
そうなると本書のメソッドは、単に計算が早くなる以上の大きな価値を秘めていると言えよう。
 
いつの時代も原動力は、嫌な世の中をもっとよくしたいという思いから生まれる。
算数嫌いも、その重要なピースの1つだ。
そして、それに立ち向かう人々がいるからこそ解決策を開発できるのである。
自分と同じような苦しみを与えないようにする画期的な手法を。
 
『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』には、この秘術が詰まっている。
ぜひ皆さんにも、この快感を味わって欲しい。
 
 
 
 
***
 
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2023-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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