メディアグランプリ

やや社畜でも年間300p超えの同人誌を作る方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:庄司華(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
最近、聞かれることがある。
「どうやったら、働きながら本を作れるんですか?」
 
かなり対象が偏っていると自覚しつつ、読者の皆様の「何か新しいことへ果敢にチャレンジするきっかけ」や「目標達成のための気付き」になることを信じて公開したい。
 
毎月約40時間残業のやや社畜社会人=私でも、
だいたい3カ月〜4カ月に1度100p超えの同人誌※を
5年間出し続けられた「ほぼ100%新刊を落とさない」スケジュール管理術‼︎
 
※ここで指す同人誌とは、素人が趣味で作る本のこと。昨今は、オタクの聖地として有名な「コミケ」をはじめ、大小合わせれば毎月どこかで何かしらの同人誌即売会が開かれている。
 
 
第一に、出るイベントを決めよう!
真面目・計画的・頑張り屋とは無縁の、私のような人間が「完成したら何かのイベントに出よう」とすると、一生出られない。これはマジだ。怠惰なダメ野郎には必ず締め切りがいる。しかも、「間に合わなかったらその金ドブに捨てたと同義ってこと⁇ 無理なんだが」と思えるような額を先に支払うのが良い。
イベント決めの目安としては、3カ月くらい先のものがオススメだ。特に初挑戦の場合は、1・2カ月では短過ぎるし4カ月以上は中だるみする。もちろん、友達が出るとか憧れの人が出るとか、そういうハッピーな理由があるなら多少前後しても問題ない。
 
第二に、印刷所に申し込みをしよう!
これも前述同様、「間に合わなかったらその金ドブに捨てたと同義ってこと⁇ 無理なんだが」となるためのケツ叩き作戦だ。同人誌OKの印刷所は、かなり前から予約ができるところが多い。タイトルも部数もページ数も未確定で大丈夫。目標値を入れてとにかく予約する。すると、締め切りが算出される。
必ず、ガチ締め切りの1週間前を“己の締め切り”としてスケジュール帳に記載する。1週間あれば最悪何かしら本になるからだ。
趣味は一度「楽しくない」と感じてしまうと、急に冷める節がある。2度と、その趣味を趣味と呼べなくなる恐れがある。だから、万が一スケジュールが総崩れしても悲しい失敗体験にならないよう、保険をかけることが大切だ。
それに、1週間前に入稿しておけば、かなりやばいミスがあってもいくらでもカバーできる。230ページの漫画を作成した際、全ページサイズ設定をミスっていて、入稿間際に試行錯誤し何とか本にした愚か者からの、ここだけは覚えて帰れポイントである。
 
第三に、ざっくりとした予定を組もう!
夏休み最終日に宿題をやっていた諸君。我々は愚かである。「1日1.5pやれば間に合う」なんてコツコツスケジュールを引いたって意味がない。なぜなら絶対やらないからだ。それに、社会人は忙しい。イレギュラーも毎日起こる。その都度「今日も1.5pノルマサボっちゃった」と思っていたらメンタルが保たない。
サボって良い。でも「死んでもここまでにはプロットを組む」「ここまでに線画が終わらなかったら終了」など、各工程のデッドラインは必ず設けよう。そして、その全てを友人知人その他お世話が好きな優しい誰かに共有しよう。
「〇〇進んでる?」と聞かれるたび、多少腹は立つ。反抗期の娘みたく「今やろうとしてたのに」と言いそうになる。
指摘された直後にやらずとも全然OK。ここでの狙いは「やんなきゃな〜」が頭の中に常にある状態にすることだ。だから、指摘してくれるような人がいない場合は、携帯のカレンダーを活用し、「原稿したか?」と通知が来るよう設定するのでもいい(結構ムカつくので頻度は1週間に2回くらいが良い)。
いつしか「やんなきゃな〜」を解消できるという意味で、作業をするのが楽しくなる。作業後ってクタクタだけど気分が良いわ。そんな躾を己にできたら優勝だ。
 
第四に、できる日にできる限りをやろう!
「しゃあねぇやるか」なタイミングはもちろん、「やりたくないけど他にすることがない」「作業してないことへの罪悪感がすごい」なんて時には、一回ペンを持とう。目標など決めず、ただ自分の手が動く限り作業しよう。
心が折れたら、やめて良い。案外楽しかったら、夜更かししちゃおう。
1日1コマしか進まなくても10p進んでも、どっちも私が作業をした日に代わりはない。えらい。
いつの間にか完成に近づいてくる。すると「ここまでやったのに間に合わなかったら悔しい」の気持ちが生まれてくる。自然と作業頻度が上がる。時間が伸びる。
作業をしていると、肩やら腰やら背中やらケツやらが痛くなってくると思う。そんな時はラジオか映画、ドラマを流そう。気を紛らわし痛みを忘れるしかない。凝り固まった体をどう復活させるかは後の話だ。
 
第五に、周囲に助けを求めよう!
線画は好きだけどトーン貼りは嫌い。入稿作業がよく分からない。表紙デザインってどうすれば? などなど、悩みは尽きないし、苦手なことを自分一人でどうにかしようとするとメンタルが死ぬ。
無理だと思ったら、潔く周囲に「助けて」と言おう。有識者がいない場合は最もお人好しな友人に「一緒に悩んでくれないか」と相談しよう。
何事も挫折の理由は「もう私には無理だ」と思うからだ。逆に誰かが一緒にいれば「〇〇ちゃんも頑張ってくれているから……」と踏みとどまることができる。
誰もいなければ酒を飲もう。飯を食おう。一旦寝て明日チャレンジしよう。疲れ過ぎてはいけない。同人誌づくりは趣味だ。仕事じゃない。誰も怒らない。そして、己の体や心を守ってやれるのは自分だけ。大丈夫。1日寝ても大丈夫。そのためにスケジュール1週間、前倒しで書いたんだからさ!
 
ラスト、ご褒美を与えよう!
「無事脱稿! 入稿! 本ができた〜!」な喜びはもちろんデカい。が、それだけじゃだめだ。心だけでなく、体にもご褒美が必要である。整体に行こう。マッサージに行こう。温泉に浸かり、朝から晩までふかふかのお布団で眠ろう。
そして、少し体力が回復したらたくさんインプットをしよう。本を読むも映画を見るも、博物館に繰り出すでも良い。頭に情報をぶちこめば、きっと訪れるはずだ。「次、これ作りたい」な瞬間が。
趣味は短期的だってもちろん良いものだけれど、長く続ければ続けるだけ見えてくる世界もある。慣れてくればストレスを感じる瞬間は減るし、何に役立つかはさておき自身の能力を伸ばすことにもつながる。
なにより、人生が充実する。
燃え尽きてはいけない。例え理想の本が作れなかったとしても、即売会で全然売れなかったとしても、否定してはいけない。己の努力を。最後まで走り切ったという事実を。趣味なのだ。成功体験だけを得ていこう。
 
以上が全6ステップの、やや社畜でも年間300p超えの同人誌を作る方法だ。もっと言えば、怠惰な人間がちょっと大変な何かを成し遂げるための“モチベーション維持術”だ。
 
面倒くさいは「もったいない」で封じる。
後でいいやには「できていない罪悪感」で対抗する。
できるか不安は「やるしかない・やってやるか」に持っていく。
 
自分で掲げた目標は、一見無謀そうなものだって案外マインド次第でクリアできてしまうものだ。
ぜひ、皆様もお試しください‼︎
 
 
 
 
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2023-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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