【価値観崩壊】私がフィンランドで受けた3つの衝撃
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記事:宮島湯雨 (ライティング・ゼミ2月コース)
日本から直行便で約13時間、2023年、その日私はフィンランドにいた。飛行機から降り立ってまず鼻に入るのは、ムスクが効いた香水の匂いというのが欧州では定番だ。しかし、ここフィンランドの首都ヘルシンキでまず鼻に入ってきたのはシナモンロールの香りだった。これは今までと違う旅行になるという予兆だったのかもしれない。
フィンランドへ海外旅行をする事になったきっかけは大それたものではない。元々憧れていた土地というわけではなく、2年程ご無沙汰だった海外旅行のリハビリがしたかったからだ。成田から乗り継ぎなしの直行便で行けて、英語が通じて、しっかり遠く、行ったことがない。この条件に当てはまるのが日本から8,000km離れたフィンランドだった。
久々の海外だから、飛行機の乗り方を思い出して無事帰れれば良い。そんな軽い気持ちで向かったフィンランドで、私は思いもよらず3つの衝撃を受ける事となる。
【衝撃①】水道水が飲める!
海外=水道水は飲まない方が良いというイメージは(正しいかは置いておいて)我々の共通認識としてあると思う。調べてみると、実は日本以外でも水道水が飲める国は結構あるのだが、大体が硬水であり、飲めばお腹が緩くなるリスクがある。
しかし、フィンランドの水道水は軟水なのだ。フィンランドの水の硬度は60~80mgで、日本の水道水より硬度が低い。※1
個人の主観になるが、味がまろやかなだけでなく水道水特有のフッ素の匂いも感じない。要するにペットボトルの水より美味しいのだ。
そもそも物価が高いイメージのある北欧の国フィンランド。それに加え昨今の円安によって、観光客には値札を見るのも辛い状況だ。500mlのミネラルウォーターは1本で300~500円ほど値段がかかった。無料で美味しくて安全な水が飲めるのだから、現地人でわざわざミネラルウォーターを買う人はいないのではないだろうか。
私が衝撃を受けたのは、海外=水道水は飲まない方が良いという固定概念が崩れたこと、更に言えばその奥にあった「水道水が飲めるのは日本だけ!」という間違った優越感が崩れた瞬間である。私はそれなりに海外の国に行っている方ではあるが、それでも今まで誤った認識のまま過ごしていたことが恥ずかしくなる。
※1フィンランド旅行の実用インフォメーションより引用
https://guide-finland.com/tips/info.html
【衝撃②】治安が良い!
これは水の硬度と違い、客観的なデータに基づく話ではないので鵜呑みにしないで欲しいのだが、日本と同等もしくはそれ以上に治安の良さの片鱗を感じたのだ。そう思ったきっかけは単純だ。北極圏の街に向かうため、早朝発の国内便に乗る必要があった。そのため私は朝4時のヘルシンキ市内をタクシーに乗って移動していた。
車窓から見える景色は深夜のそれだ。街頭の灯りはあるものの、まだ太陽は昇っていない。人もほとんどおらず、寒いので野良犬も歩いていない。しかし私は少なくとも3回は見たのだ、この時間に一人で歩く女性の姿を。
もちろん一事が万事ではなく日本を含め他の国でも見られる光景ではあるのだろう。だが、この事実だけでも私の中にあった「日本は世界一治安が良い」という概念を崩すこととなった。
※補足
2023年の平和度指数ランキングによるとフィンランドは13位、日本は9位。国内外の紛争も指数に含まれているので、ロシアと国境を接するフィンランドは大健闘といえる。
参照:Trip.com【2023年】海外旅行で治安が良い国ベスト20!安心して旅行するための防犯対策
https://jp.trip.com/guide/info/%E6%B5%B7%E5%A4%96%E6%97%85%E8%A1%8C+%E6%B2%BB%E5%AE%89.html
【衝撃③】割り勘が簡単?
これは間違いなく海外で初めての経験だった。フィンランド現地にいた友人と合流し4人でレストランにいった時の話だ。ワインと鹿肉など美味しいグルメを堪能し会計を頼んだら、なんとボーイがクレジットカード端末機を4つテーブルに持ってきてくれたのだ!当然、会計を4つに割った金額が各々に請求されている。
我々が明らかに日本人で家族にも見えなかったので気を利かせてくれたのだとは思うが、一人に一台のクレジットカード端末という状況は日本でも出遭ったことのないサービスである。
少し大げさな受け取り方かもしれないが、「割り勘出来るのは日本だけ」という固定概念が崩れ去った瞬間である。店中のクレジットカード端末を集めてテーブルまで持ってきてくれた事が伝わる、長く伸びたコードが印象的だった。
海外旅行のリハビリだと気負わずに行ったフィンランドにて、まさか自分の中の固定概念が変化するとは。口には出さないが、心のどこかで思っていた「これは日本だけ」というイメージが崩壊するとは。やはり海外旅行は面白い。
「海外に行けば価値観が変わる!」このよく言われる文句を、私は半笑いで受け止めていたが、あながち馬鹿にできないかもしれない。価値観が変わるとまではいかなくても、経験を通して固定概念や誤ったイメージを崩すことは本当にある。その良い意味でのショック体験は、日本国内に留まっていたら体験出来ないと言って良いだろう。
しかし最後に言いたいのは、トイレに関しては天地がひっくり返っても日本が世界で一番!!
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