メディアグランプリ

20年ひかなかった風邪を立て続けに引いたことで気づいたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:にいみひろこ(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
あれ? なんかおかしい……。
身体のちょっとした異変に気付いた。
頭を動かしたときに、ピキッとした痛みが走る。
なんだか、ぞわぞわした皮膚感覚。
 
気付いたものの、大したことではないので、そのまま行き過ぎる。
結局、その気付きが何度か起こった後、ゾクゾクとした寒気がやってきて、しかたなく熱を測ると、37.8℃。
あら、熱がある。やっぱりか……。
 
その後、1週間近く微熱があり、ちょっと咳がでていた。
風邪? まさかね。
じゃぁ、コロナ? それもちょっと違いそうだけど。
 
実は私、もう20年以上風邪もひいたことがない。ここ数年コロナが流行って、なぜかコロナにだけは2回かかったものの、それ以外の病気には無縁だった。
コロナ前に、子供たちも巣立ち一人になって、
もう医療保険もいらないな。どうせ、病気しないし。
と、全ての保険を解約したぐらいなのだ。
まるで、「私、失敗しないので。」と言っていた女外科医のように、「私、病気にならないので。」という感覚だったのだ。
 
結局、その1週間の微熱とちょっとした咳は、なんだったかわからないまま終わった。
 
そして、その1週間の微熱が終わって、まだ2週間ほどしかたってない一昨日、またあのゾワゾワとした皮膚感覚がやってきた。
やばい、また熱? 
と、今回は、すぐに葛根湯を飲んでみた。
熱はあがらなかったけど、気管支あたりがもやもやして、結構な咳がでている今。しかも、咳き込むたびに、尾てい骨のあたりに響き、神経を刺激しているのかお尻の下が痛くてしっかりと咳ができず、タンが切れずにモヤモヤとしてまた咳が出る。
 
うーん、なぜだ? あんなに病気しなかったのに、1ヵ月もたたないうちに2回も風邪をひくなんて。
免疫力が下がっているってことなんだろうか?
 
そう考えると、思い当たる節がある。
もともと、食事や睡眠等健康に必要と言われることに意識が向かなかったり、片付けや掃除等が苦手で後回しになってしまったりする私だったが、30年ほど前に子供が生まれてからは、食事の栄養バランスや、睡眠時間、身の回りの片付け等も私なりに一生懸命やってきた。20年ほど前に離婚してからは、子供たちと母を養うため、実家の借地だった土地を買い、家を建て替え、大黒柱として働きながらも、家事の一切を自分がやってきた。やらなければならないと思っていた。どんなに忙しくても、帰るのが夜中になるとしても、朝から子供たちと母のために三食をつくって会社に行っていた。それは、家族への責任だったし、家族の健康を守りたいという思いだった。大変だったし、面倒だったし、ヘトヘトだったけれど、
どうして誰も手伝おうとしないかな~!?
と思いながらも、離婚したことで迷惑をこうむっているのは子供たちだと思い、罪滅ぼしの感覚もあって、全部自分がやらないと……という思いだったことを覚えている。(のちに、実はそれは思い込みで、家族で一緒に頑張ればよかったんだと気付くのだが。)
 
その後、子供たちも自立し家を出ていき、母も亡くなったことで、私は一人で暮らすことになる。
そうなると、「誰かのために何かをしなければならない」状況は全くないわけで、なんて気楽なんだ、なんて楽しいんだと、その自由を謳歌した。
 
私、病気しないから、これくらい大丈夫!
と思い、だんだんと栄養バランスが崩れ、野菜も少なくなり、外食や出来合いのもの、ジャンキーなものも増えていった。場合によっては、食べなかったり、スナックで済ませたり……。
さらに睡眠時間もバラバラで、徹夜をしたかと思うと、1日ウトウトすることも……。
もともと、食事や睡眠などに意識が向かない私としては、そうなっていくのは同然だったかもしれない。
その結果、いつの間にか「病気しない神話」が崩れていたことに、気付かなかったのだ。
 
子育てをしてきた30年、子供の健康を思い、栄養のバランスを考え、野菜もしっかりとり、たまにはジャンキーなものがあっても、それに頼ることなく食事を作ってきたことは、私自身をも健康にしていたことだったのだ。
めんどくさいと思いながらも、30年それをさせられていたことは、本当にありがたいことだったと気付く。
自分のためにはできないことも、人のため(特に子供のため)ならできる。そのおかげで、自分自身の健康も支えてもらえていたんだと、子供たちがいてくれたありがたさをしみじみと感じることになった。
 
目の前に起こる何らかの問題は全て、自分に何かを気付かせてくれるキッカケ。
立て続けに風邪をひいたのも、うすうす感じていた食事の見直しの必要性に向き合うことと、お世話をする人がいてくれたことへの感謝の気持ちを思い出させるためのものだった。
 
空を見上げて、
気付かせていただき、ありがとうございました~!
と、心の中で叫んで、今日の夕飯の食材を買いに行く。
 
 
 
 
***
 
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2024-04-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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