メディアグランプリ

前向きな停滞のススメ

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*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

絶対麗度ビューティー・レコーディング・ラボ

記事:伊藤美那(絶対麗度ライティング)
 
 
減らない……
体重計の上で溜息をつく。毎日運動しているし歩く距離も増えたのに、表示される数値にはほとんど変化がない。1~2キロの増減はあるが、そんなのは誤差の範囲。一回お風呂に入れば減るし、一回焼肉に行けば増える。それでおしまい。
下腹に醜く居座る肉が憎い。両手で思い切り掴んでみては、その確かな手応えに絶望する。
絶対麗度が始まって、早3ヶ月。周囲の方々はどんどん綺麗になったり恋人ができたり順調なのに、自分だけ一歩も進めていないような焦燥感。頑張っても頑張っても報われないような停滞感。身体だけじゃなく、心の中も何かが滞って流れて行かない息苦しさ。表面上は明るく振舞いながらも、どうして自分ばかり、と俯きたくなるのを堪えて考える。
体重を速やかに落とすためなら、今すぐやるべきことがある。それは、わかっている。
 
お酒を、減らせばいい。
アルコール自体に含まれるカロリーが高いことも知っている。飲むとつい、美味しいツマミが進んでしまう。帰り道についつい、コンビニに寄りたくなることもある。そんなこと、充分すぎるほど、わかっている。
でも。だがしかし。
 
ふと、冷静になって考える。大好きなお酒を我慢してまで体重を落として、それが私の絶対麗度? それが私の目指す綺麗?
……否。
もちろん、美容と健康のためにも、飲み過ぎは良くないし節度をわきまえることは必要。でも、それと綺麗はまた別問題だ。
 
そもそも、私の目標は痩せること?
確かに下腹部の脂肪は減らしたい。もう少し引き締まった体形になれば毎月の撮影にも自信を持って臨めるし、洋服だって格好良く着こなせる。
ただ、私が定めた絶対麗度の目標は、そこじゃない。自己肯定感の低さを克服し、胸を張って自分を好きだと言えること。その過程に、多少のボディメイクが必要になる。そうだよね?
仮にものすごく痩せてスタイル抜群になれたとして、それだけが私の求める姿ではない。痩せられない負け惜しみではなく、自分らしく生きることを大切にしていきたいから。
そこでふと、以前友人と話したことを思い出す。
『この年齢になると【現状維持】にも努力が必要になるよね』
そう、この変わらない体重も減らない脂肪も、もしかしたら努力の賜物なのかもしれない。日々の運動や絶対麗度に対する意識がなければ、もっと簡単にブヨブヨと肥えていっているだろう。
今の自分は、停滞しているように見えるかもしれないが、少なくとも後退はしていない、はず。
 
前に進むために何が必要か。もう一度考えよう。私はどうなりたい、どう生きたい?私の幸せってどういうこと?
絶対麗度に取り組むにあたって、私の中には大きな大きなモノがある。立ち向かうべき敵というか、乗り越えるべき壁というか、取り除くべき根っこというか。そこから目をそらし続けた結果が、きっと今の停滞感の原因。問題を先送りにして逃げ続けたまま、小手先の努力で何とかなるのでは、という甘えた考えに気づく。それじゃあ、頑張っている【つもり】にはなれても本当の綺麗には近づけない。
ジャーナリングの質問が、今までとは違った奥行きをもって迫ってくる。
『あなたの美を阻害しているものは何ですか?』
 
正直、自分の一番弱い部分と向き合うのはまだ怖い。でも、自分のズルさを少しだけ、自覚できたのは一歩前進かも。闘う準備の、その前段階くらいには到達できたと思いたい。
もうしばらく、ウダウダ悩んでグダグダ迷ってジタバタもがいてみよう。いつか、数か月後に明るい顔で闘いの記録を報告できる日がくると信じて。結果はどうなるにせよ、今よりは成長できるはず。なんの根拠もないけれど、まずはそこから始めてみよう。
自分のダメな部分にばかり目を向けて、すぐ落ち込みそうになる。そこから抜け出したい、見た目だけではなく心も変わりたい。変われるよね?改めて問いかける。
 
人間、常にグイグイ進み続けることはできない。けれど、立ち止まって自分を見直す時間だって、長い目で見たら前進の一種と考えても良い気がしてきた。戦略を考え、戦術を立て直すためと捉えれば、必要な時間だったとすら言えるかもしれない。ここまで考えてみると、この停滞期もそう悪いものではないように思えてくるからフシギ。
ほんの少し、前向きになった心で今日もグラスを傾ける。なんだかいつもより、視界がクリアになってお酒が美味しい気がしてきた。これなら、少しの量でも満足できそう。もちろん、ツマミは野菜とタンパク質中心で。
 
 
 
 
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この記事は、「絶対麗度ライティング」を受講した方が書いたものです。

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2024-04-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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