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良い人生は、良い温泉と同じ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安田伸也(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
温泉に入るのが大好きだ。
 
温泉に入りながら、ただ時が流れるのを感じてボーッとしているのが至福を感じる。
 
リラックスできて幸せを感じる。
 
しかし、温泉はそのようなリラックス効果が期待できるだけではない。
 
肌もコーティングされたようにスベスベになる。
 
元々肌が弱く、乾燥する時期には肌荒れも気になるので、この効果はとてもありがたい。
 
しかし、温泉の温度が大切だ。
 
50度では高すぎる。
 
人によって心地よい温度は違うと思うが、概ね40度前後だろう。
 
多くの人は、この温度を良い湯加減と言うのではないだろうか?
 
一方、30度ではどうだろう。
 
これではやはり低すぎる。
 
寒く感じるだろう。
 
この良い湯加減の温度。
 
わたしは、人間関係も同じだと思う。
 
「距離感」と言い換えることが出来るかもしれない。
 
もしも、出会ったばかりの見ず知らずの人に「家に遊びに行ってもいいか」と言われたら、素直に「良いですよ」とは言えないだろう。
 
言える人もいるかもしれないが、わたしは断るに違いない。
 
実際、昔とあるパーティーで知り合ったばかりの人に、同じようなことを言われて断った覚えがある。
 
「何しに来るの?」
と不安でしかない。
 
また、人は誰かに恋をした時。
 
この温度感を間違えるときがある。
 
遥か30年以上前、わたしには片想いの女性がいた。
 
スキューバダイビングで知り合った、ゆりちゃんという美人の女性だった。
 
男性の友人と、ゆりちゃんの友人、しばらく4人でのグループ交際が続いたが、気持ちが抑えられなくなったわたしは、彼女の誕生日に自宅までバラの花束を持って行って告白したことがある。
 
しかし、あえなく撃沈。
 
彼女にとってみれば、熱すぎたのだろう。
 
バラエティー番組で、熱湯風呂というのがあったが、これと同じくいきなり熱い風呂へ放り込まれたら不快でしかない。
 
 
一方で、30年間一緒に住んでいた人に突然「別居しよう」と言われたらどうだろうか?
 
これはこれで悲しい。
 
わたしは、実際2年前にそう言われた。
 
そして、別居してから、2か月間は凹んだ覚えがある。
 
わたしの離婚話は横に置いておいても、これは冷たすぎる距離感だろう。
 
このように、人と人との間は心地よい温度感が大切だ。
 
わたしも、昔はコミュニケーションでずいぶん苦しみ、うつにもなったが、今考えると、この温度感が解らなかったのだと思う。
 
この温度感だが、自分とのコミュニケーションも同じなんじゃないだろうか?
 
自分に厳しい。
 
一見良いことのように思われるが、本当のところどうなんだろうか。
 
わたしは、うつ専門メンタルコーチとして活動しているが、うつになる人の傾向として、自分に厳しすぎる人が多いと思う。
 
例えば、
休むのが下手な人が多い。
 
というか、
「休む=怠ける」
 
ことだと思っている人もいる。
 
また、人に頼るのが苦手な人がいる。
 
そう人の認識は、
「頼る=迷惑になる」
 
もしくは、
「頼る=自分は無能だ」
 
だから頼れない。
 
だから自分が苦しくても、何とか自分で頑張ろうとする。
 
もうチンチンに沸き立った熱湯に入っているようなモノ。
 
苦しくて当たり前だ。
 
また、必ず、絶対、100点でなければいけないという人もいる。
 
いわゆる「完璧主義」だ。
 
より良い状態、高みを目指すのは良いと思う。
 
だけど、それに拘る余りにいつまで経っても、前へ進めない。
 
そんな状態になってしまうのだ。
 
例えば、わたしの場合はこうだった。
 
自分が担当している仕事、これで間違えはないだろうか?
 
そう思って何度も見直した。
 
見直しても、見直しても、これで完璧だろうかという疑念はなくならない。
 
結果、開き直って上司へ提出するまでにとても時間がかかってしまった。
 
その間にも、仕事はドンドン増えていく。
 
自分で自分の首を絞めて、忙しくしているだけだった。
 
今考えると、本当にバカみたいである。
 
同じ目線でみるよりも、いち早く上司にチェックして貰った方が、物事は早く終わるにも関わらずだ。
 
これも
「人を頼るのは無能だ」
と同じく「優秀でなければならない」という思い込みが激しかったからであろう。
 
つまり仕事の出来不出来そのものが、自分の価値を決める。
 
そんな思い込みをしていたのである。
 
そのような考え方は、自分に対して少々冷たいのではなかろうか。
 
人間なのだから、間違えもある。
 
失敗もあれば、結果が出ないこともあるだろう。
 
しかし、それは自分の価値とは全く別の時限の話し。
 
 
そして「自分に厳しく他人に甘く」というが、その加減が難しい。
 
自分に厳しすぎる人は、他人にも厳しくしてしまうからだ。
 
 
自分と他人の立場も、環境も、状況も違うのに、自分の価値観、考え方、仕事のやり方などを押しつける傾向があるに思う。
 
そのような接し方では、良い人間関係は築けないだろう。
 
わたしが、そんなうつ傾向にある人にいつも言うのが、
 
「良い湯加減で自分とも、周りの人とも接してください」
 
ということ。
 
ぬるま湯に浸かれということではない。
 
「いい加減」と聞くと良い印象を持たない人もいるかもしれないが、「いい加減」は「良い加減」なのである。
 
結局のところ、周りの人へ心を開き、自分を許し、良い湯加減の人間関係が良い人生を作っていくと、わたしは信じている。
 
良い湯加減の温泉へ入って、リラックスしていれば心も身体も温まる。
 
そして、肌がスベスベになるように人との繋がりも円滑になる。
 
その結果、良い人生を送れると思うのだが、いかがだろうか?
 
 
 
 
***
 
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2024-05-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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