メディアグランプリ

カステラ作りはお得感満載

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:服部真由美(ライティング2月コース)
 
 
私がカステラを作り始めたのは、もう30年くらい前になる。友だちのお母さんから「カステラが焼けたから食べにおいで」と電話があった。「カステラをつくった?」カステラって家で作れるものなの? 
 
すぐに友だちの家に向かった。焼き上がってから1日寝かしたおばさん手作りのカステラは、見た目は、売っているカステラと何ら遜色がない! そして食べてみると、しっとりとしていてすごくおいしかった。カステラを作る人は特別なお菓子職人さんで、カステラは買って食べるものと思っていたのは、私の思い込みだった。
 
早速おばさんに作り方を教えてもらった。
 
材料は超シンプル。絵本の「ぐりとぐら」は牛乳やバターを入れていたけど、おばさんのカステラはもっとシンプル。強力粉、卵、砂糖、蜂蜜、水、以上! へえ、それだけでカステラって作れるんだ。
 
しかし、一番驚いたのは生地を入れて焼く型だ。おばさんは型を「新聞紙で作る」という。新聞紙の型は、オーブンに入れても燃えないのか?
 
おばさんに教えてもらった通りに新聞紙で型を作り、教えてもらったレシピで生地を作り、カステラを焼いてみた。
 
新聞紙は燃えない!! そして、なんとかカステラはできた。おいしかった。
 
それから、私のカステラ作りは始まった。もういくつ焼いたか分からないくらい作っている。「めざせ! ○○堂!」と勝手に張り合っている。
 
この間カステラを作りながらふと思った。
 
「カステラが自分で作れるとちょっと得をした気分になること」がある。
 
まずは、自分が幸せな気分になる。
 
カステラは、焼くのに時間がかかる。その分、焼いている時間にキッチンから流れてくるおいしそうな香りがたまらない。家中がカステラの香りに包まれる。「ぐりとぐら」がカステラを焼いていると、森の動物たちがあちこちから鼻をクンクンさせて集まってきた、あの場面をいつも思い出す。
そして、できあがったときの迫力がすごい。「ぐりとぐら」のフライパンのカステラには及ばないかも知れないが、新聞紙の型は、約22センチ四方で、高さは約9センチ。その型から少し盛り上がって焼けている。「ジャーン!!」(この文字を何倍にも大きくしたいくらい)という感じだ。おもわずにんまりしてしまう。
 
次に、ちょっとしたお礼や手土産に迷わなくてもよくなった。
 
私だけかも知れないが、今まで「カステラは苦手です」という人には会ったことがない。 渡した方には大好評。だから、ちょっとしたお礼や手土産は、カステラにすることが多い。何にしようかなって迷うことがなくなったのは、めんどくさがりの私にとっては、すごくありがたい。
自分で言うのもなんだが、私が作ったカステラのファンは多い。友だちに会うときの手土産にすることも多いので、私に会うと分かると、旦那さんやお子さんが「お母さんといっしょにカステラが帰ってくる!」と喜んで待っていてくれるそうだ。うれしい。
仕事を手伝ってもらった時とかにもお渡ししたりする。時々手伝ってくださる方は、娘さんに「お母さんはカステラが目当てで手伝ってるんでしょ」と言われるそうだ。
材料がシンプルで、高単価ではないので、渡す方も、もらう方もとっても気軽だ。
 
そのうえ、お菓子作りがとっても上手な人に見られる
 
カステラは作り方もシンプルだ。量る、混ぜる、あわせる、焼く、寝かせる、以上。材料をそろえてから、オーブンに入れるまでにかかる時間は15分程度。焼いているときも、オーブンがにつきっきりでいる必要はない。他のお菓子作りに比べて、比べものにならないくらい手間がかからない。なのに、「カステラが作れるんですか!」「すごいですね!」とほめられる。なんだか得した気分だ。
 
最後に、カステラ作りは、いつも「今日のできはどうかな?」って、わくわくとちょっとした心配があるのがにくい。
 
いつもおいしいし、大きな失敗はしない。でも、毎回、同じようにはできない。すごく膨らむ時もあるし、ちょっと膨らみが少ないときもある。「大成功!!」って飛び上がりたくなるときもある。
毎回、同じカステラを作ることができる人は、やっぱりプロなんだなと思う。「めざせ!○○堂!」と思って、私なりに試行錯誤してみたが、「大成功!!」という状態に、いつもできるわけではない。卵の大きさも違うし、室温も違うから仕方がないと思いながらも、作るたびに生地の色や膨らみ方を見て、「いい感じかも」と、カステラ職人になった気分を味わっている。
 
「ぐりとぐら」のお話は、作者の中川季枝子さんと山脇百合子さんが、「子どもたちにとびっきり上等で、おいしいおやつをごちそうしよう」と考えて作られたお話だそうだ。私が焼いたカステラをみんなでわいわい言いながら食べて、幸せな気持ちになる、そんな時間をこれからもたくさん作れるといいなと思う。
 
カステラを自分で作れると得した気分になれることがたくさんあるんだよ。作ってみようよ。
 
 
 
 
***
 
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2024-05-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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