メディアグランプリ

いりゃーせ、名古屋


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:亀子美穂(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「困った! どうしよう」
東京に住む友人が、週末に名古屋に遊びに来ると言う。
友人と会うのは久しぶりだし、とても楽しみなんだけど……
「名古屋って、あんまりよく知らないから、案内してよ」
という、よくあるシチュエーション。
これが悩みの種なのだ。
どこに連れて行ったらいいんだろう?
ここに行ったら間違いないという場所が、名古屋にはないんだよなー。
 
名古屋在住の、周りの人にもきいてみる。
「名古屋で東京の友達を案内するとしたら、どこがいいですかね」
「うーん……どこだろう……あんまりないね」
大半の人がこんな反応だ。
そして、残りの人の反応は、
「うーん……名古屋城かな?」
 
名古屋城は県外の人にも有名だ。
「名古屋と聞いて、思い浮かべるものは?」
と聞くと、ほとんどの人が「名古屋城」と答えるだろう。
「尾張名古屋は城でもつ」
というのは江戸時代の唄の一節らしい。江戸時代から有名だった名古屋城。
いや、有名なのは名古屋城というよりも、屋根に乗っている金のしゃちほこかもしれない。
江戸時代の名古屋城は第二次世界大戦の戦火で焼け落ちてしまい、今の名古屋城は戦後に再建された。しゃちほこも焼けてしまったのをちゃんと金で復元した物だ。
城の全景が見えるスポットに行くと、ピカピカに輝くシャチを2匹見ることができる。
お城の屋根に本物の金でできたしゃちほこが乗っている。こんなの、世界中探したって、名古屋にしかない。ゴールドは人の心を惹きつける。権力の象徴だ。
屋根に金のしゃちほこを乗せるというぶっ飛んだ発想は、金の茶室で客をもてなした豊臣秀吉に通じるものがある。そういえば、豊臣秀吉も尾張名古屋の出身だった。
 
それにしても、金のしゃちほこを、どこからでも見える屋根の上に置いて、権力を誇示するのは、あまりにも直接的すぎて、悪趣味にも思える。
 
でも、名古屋の人にとっては、「せっかくあるんだから、見せつけてやらなくちゃ」という感覚なのかもしれない。
 
 
昔、「名古屋嫁入り物語」というドラマがあった。
そこには、娘の嫁入りのために立派な嫁入り道具をそろえて、近所に見せつけるように運び込んで、箪笥の中身まで開けて披露したりするシーンがあった。
今では見なくなってしまったけれど、私が名古屋に来た35年ぐらい前には、いかにも嫁入り道具を運んでいますというのが分かるような紅白の幕をつけたトラックが連なって走っているのを見たりしたことがあった。
 
やっぱり名古屋に来たら名古屋城を見せるのがいいかもしれない。
でも、ここで問題に気が付いた。
城の中に入らなくても、外から全容を見ただけでピカピカに輝くシャチを2匹見ることができてしまうのだ。名古屋城は結構遠くからでも見られる。
むしろ、城に入ってしまうと、シャチは見られない。
もちろん、城内の展示室には、実物大のしゃちほこのレプリカが展示されている。そのほか、おもてなし武将隊がもてなしてくれたり、本丸御殿を復元したりして、入場料を払って中に入ってもそれなりに楽しめるらしいが天守閣は復元中だ。
 
名古屋城以外、行く場所がないのだろうか?
調べてみた。
 
名古屋市科学館。世界最大級のプラネタリウムがある。
名古屋市水族館。国内最大級の展示プール。イルカショーが人気。
東山動物園。展示動物種類数は日本一。イケメンゴリラもいる。
徳川美術館。刀剣保有数日本一。国宝源氏物語絵巻もある。
熱田神宮。三種の神器である、草薙剣が奉納されている。
 
この他にも、レゴランドとか、リニア鉄道館。
最近ジブリパークができて、アニメファンにもよさそうだ。
 
意外と色々みつかった。
どこも、どこかの地方都市にあったら目玉施設になっていそうな場所だ。
でも、あまり注目されていない。
アピールが少ないのかもしれない。
そもそも地元で観光資源としてあまり重要視されていないように感じる。
 
もったいないと思う。
名古屋に住んで30年以上の私でも、こうやって調べないと気付かない場所が多い。
この話を名古屋の人にしてみた。
 
「でも、文化的な施設なら、東京のほうがたくさんあるし、歴史的な施設なら京都に行ったほうがいいと思う」
という反応だった。
分からないこともない。
東京には新幹線で1時間半。京都には1時間かからない。
東京や京都にありそうな物には観光的な魅力を感じられないのだ。
だから、東京にも京都にもない、金のしゃちほこだけがクローズアップされているのだ。
 
友人には、名古屋の観光地のリストを見せて、行きたいところを選んでもらうのがいいかもしれない。私も行ったことがない所もある。
それが名古屋の新しい魅力を知ることになるのだ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院カフェSHIBUYA

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目20番10号
MIYASHITA PARK South 3階 30000
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00


■天狼院書店「湘南天狼院」

〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸二丁目18-17
ENOTOKI 2F
TEL:04-6652-7387
営業時間:平日10:00~18:00(LO17:30)/土日祝10:00~19:00(LO18:30)


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「名古屋天狼院」

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先
 Hisaya-odori Park ZONE1
TEL:052-211-9791
営業時間:10:00〜20:00


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00



2024-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事