まずは子どもと同じ土俵に立つことから
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:服部達哉(ライティング・ゼミ4月コース)
「もう年だから自分にはムリだ」
「子どもの頃に始めておけばよかった」
「大人には◯◯の習得はムリだ、遅すぎる」
「自分には才能がないからダメだ」
本当にそうだろうか?
確かに、子どもは外国語を難なく習得する。また、楽器、スポーツなどプロレベルになるには早期教育が不可欠で、大人になってから始めたのではムリ、遅すぎる、と言われたりする。
しかし、物事の習得において最も重要なのはインプットの量だ。多くの大人はとかく質や効率を求めがちだが、圧倒的なインプット量こそが質に勝る。単純に、大人と子どもでは使える時間に圧倒的な差があり、この差こそが子どもの圧倒的なインプット量を可能にし、習得につながる。
例えば、子どもが母国語であれ、外国語であれ、習得するときは毎日1日中その言語を聞き、話し、読み、書くことが普通だ。また、楽器やスポーツであっても同じで、レッスン時間だけでなく、それ以外の自主練も含めたら膨大な量のインプットをしていることになる。このような大量のインプットが子どもの物事の習得の鍵である。
「大人だからもうムリ」と考えるのは少し違う。そもそも、大人と子どもではインプット量で同じ土俵にすら立っていないではないか。何かの分野で世界的なレベルに到達するには約1万時間の練習が必要、という1万時間の法則というものが賛否両論で広く知られるようになった。物事の習得におけるインプット量として大人と子どもを比較する上では割けて通れない。
つまり、「もう年だから、大人だからムリ」なのではなく、「大人だから時間がない」、というのが単純であるが正しい答えだ。
では、大人が子どもと同じ土俵に立つためにはどうすればよいか? 同じ土俵に立つまでには至らなくとも、片足を突っ込む、あるいは他の大人に比べて圧倒的なインプット量を確保するためには、具体的な目標設定、日常生活への組み込み、そして継続しかない。
大人であれば子どもより具体的な目標設定は得意なはずだ。具体的な目標設定をし、それに向けて計画的に学習・習得をコントロールする。目標を持つことはモチベーションの維持にもつながり、インプット量に圧倒されず継続しやすくなるはずだ。
実際の時間の確保は、通勤時間や家事の合間、休憩時間など、日常生活のスキマ時間を活用することになる。例えば、移動中や他の作業中に音声で学習したりすることで徐々にインプット量を増やすことができる。小さな時間が積み重なることでインプット量が増えていく。
大人は子どものように毎日1日中続けることは難しいかもしれないが、短時間でも毎日続けることがインプット量確保には重要だ。忙しいからと何もやならい1週間と、1日15分でも学習・習得に費やすことでのインプット量の差は大きい。
例えば毎日トータルで3時間英語を聴くことができれば、年間で約1,095時間もの学習時間を得ることができる。日本人は平均で1時間程度通勤にかけているそうなので、通勤時間だけで1時間、毎食後の30程度、寝る前に30分確保できれば1日トータル3時間は可能だ。このような、自分の好きなコンテンツを聴くだけで外国語を習得する「インプット仮説」、外国語に浸る学習法という新しい言語習得法が最近注目されているらしい。繰り返し、長時間聴くことで知識や表現が自然と身につき、意識せずに正しいパターンを理解し、習得することができるそうだ。自分の好きなコンテンツであることも継続のモチベーションになり、飽きが来なく、それでいて効果を実感できると自信が付く、という好循環にもなる。小さな成功体験は学習のモチベーション維持に効果的で、自然と続けられるようになる。
言語以外の分野であってもスキマ時間を活用することは同じで、最近のAIを活用すればマンツーマン講師が付きっきりでサポートしてくれる環境をつくることもでき、24時間どこでも疑問に思ったことを聞いたり、自分のアウトプットに対するフィードバックをもらったりできることで効率+インプット量の確保が可能な時代になっている。
重要なのは年齢ではない。何かと比較する時、同じ条件で比較するのが前提であるが、物事の習得においてはとかく忘れられがちのように感じる。「もう年だからムリ」というのは、大人が学習に対して抱きがちな誤解に過ぎない。物事の習得には圧倒的なインプット量が必要である。子どもと同じように大量のインプットを毎日の生活に組み込み、継続的に取り組むことで、大人であっても新たなスキルをマスターすることは可能なのだ。量より質、ではなく、まずは量を確保してみよう。
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