メディアグランプリ

人生を変える「ライティング・ゼミ」は人生を変えてはくれない。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:たかてぃー(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「クライマックスが……」
 

もう何回目だろう。このフィードバックを受けたのは。
 

「うっせー! わかってるわ!」そう言って持っていたスマホを地面に投げたくなるような気持ちに蓋をして、妻に「またダメだったわ」と伝える。
 

妻はかわいそうという雰囲気を出さないためか、それほど興味がないのかわからないが「あら、残念」とひょうひょうとした顔で言う。
 

私はこの前の4月から天狼院書店の、人生を変える「ライティング・ゼミ」に参加している。前からブログなどをやっていて文章を書くことが好きだった。しかし、まずほとんど読まれない。読んで感想をくれる人がいても、せいぜい「おもしろかったです」くらいしか言ってはもらえない。人に伝わる文章を書けているのか不安を感じていた時にYouTubeでたまたまホーム画面に出てきたのが天狼院書店のライティング・ゼミだった。
 

何度もそのサイトを見て「安くはないよな、やめておこう……」と画面を閉じるのを繰り返した。自分を客観的に振り返ると、あんなに何度もそのサイトを見ていたのだから、今こうして文章とにらめっこしているのは、とても自然なことだと思う。
 

ライティング・ゼミではABCユニットや三点フラクタル等、様々な聞いたことのないオリジナルのメソッドを用いて講義してくれる。そして、最も特徴的なのが毎週2000文字程度の記事を書いて提出するということだ。また、書いた記事についてFacebook上でフィードバックを受ける。さらに、掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされることになる。つまり、毎回○×がしっかり出されてしまうので緊張感がある課題と言える。
 

先日すべての講義を受講し終えた。個人的にここまでフィードバックでよく言われてきた言葉が「クライマックスが……」というもの。講義の中で初めて聞く言葉が多々あったのだが、この言葉はそうではない。
 

クライマックスの大切さなんて文章を習わなくても、なんとなく分かっていたことだ。ドラマだって、映画だって、歌だって、演劇だって、クライマックスで大逆転したり、感動したり、驚いたり、おもしろかったりする方がいいに決まっている。
 

ただ、そもそも半沢直樹が和田常務に勝つような大逆転劇をした経験もなければ、タイタニックのような感動的な話も持ち合わせていない。それに毎週書いているとネタがなくなってくることも相まって、なかなか筆は進まない。
 

だからこそ、日常の些細なことに目を向けて「こんな気づきがあった」ということを書いてきたのだが、ことごとく「クライマックスが……」と言われてしまう。
 

必死の思いで書いてきた我が子のような文章がいとも簡単に否定されるのはなかなか辛い。せめてあなたならこの記事をどのようなクライマックスにするのか教えてくれ! と、会ったこともない人の無機質な言葉にイライラする。
 

何が「人生を変える」だ? 確かに講義はおもしろいが、文章についての知識を得たいだけなら、正直本を読み漁った方がいいと思う。そして、やはり毎週の課題は大変だ。事実、初めはたくさんの人が記事を投稿していたのに、後半になるに連れて徐々に減ってきている。こんなゼミで人生が変わるはずがない。
 

そんなことを思っている時に、同じくライティング・ゼミを受けているヤマグチさんという方がFacebook上でフィードバック担当の方に、どうすればより良い「クライマックス」になるのか質問しているコメントが目に飛び込んできた。
 

私と同じように困っている人がいるのかと思うと、初めて行く場所で地元の人と会ったような安心感を覚える。その質問に対する返答を読み、私にも学びがあったので、これまで面識がないヤマグチさんに感謝のDMを送ることにした。
 

送った後になって「いきなりDMが来たら不信感を抱かれるかもしれない」と少し不安な気持ちが生まれたが、すぐに優しい返事をいただけたのでホッとした。それを機に、お互いの文章を読み合って感想を伝えたり、今後どのような活動をしていくのか交流したりした。その流れでつい愚痴をこぼしてしまった。
 

「今回、みなさん全然掲載されませんでしたね。初めてライティングを学ぶ人ばかりの中で、この評価基準どうなんですかね? って思っちゃって」
 

自分が勝手に腹を立てているだけなのに、あたかも「みんな思っていませんか?」みたいなスタンスを取っていたのは、ただ共感してほしい気持ちが大きかった。
 

ヤマグチさんは「ちょっとテンション下がっちゃいますね」と共感してくれた後に、自分一人では考えもしなかった言葉を贈ってくれた。
 

「自分たちからもっと積極的に疑問点など質問して、講師の方を良い意味で使わせてもらった方が良いかもしれないですね」
 

この言葉を読んで、耳が急に熱くなった。自分の成長を願って努力を続ける人の言葉が、ただ愚痴をこぼしているだけの自分に「恥ずかしくないのか?」と問いかけてくるようだ。そして、数カ月前の自分を思い出す。気持ちの良いフィードバックをもらうためではなく「人に伝わる文章を書きたい!」とこのゼミに入ったのだったと。それから疑問があれば講義の後に直接講師に質問するようにしていった。
 

いつしかあれだけ腹立たしかったフィードバックにありがたいと思うようになっていた。たくさんの文章を、興味がないものだとしても最後まで読んで、思ったことをまとめて伝えるのはそう考えても大変だ。またそれにより反感を買うかもしれないと考えたら……この作業を毎週やっていただけて、今は感謝しかない。
 

事細かなアドバイスはなかったが、だからこそ自分ができる表現を自分で探すことができるようになってきている。
 

動画、看板、ネットの記事、目に飛び込んでくる言葉一つひとつに「こんな表現の仕方があったんだ」と思えることが増えた。もっと豊かな表現に触れたいと以前より本を読むようになったし、楽しいことがあったら、なぜ楽しいのか考えて人に伝えたい気持ちをもつようにもなった。
 

そこにある作り手の思いを想像することで、きれいな刺繍を裏から見るように、今まで見てきた景色が全く違って見えるのだ。これは知らない間に人生が変わっていたと言っても過言ではない。
 

もちろん、伝わりやすい文章が書けるようになれば、コミュニケーションやプレゼンにも転用できるだろうし、この経験がこれからの人生をさらに変える礎にもなってくれると信じている。
 

確かにたくさん本を読めば文章の知識は身に着いたかもしれない。ただ、ライティング・ゼミでは、生で講義をしてくれる講師の方がいた。毎週文章を書けば自分では気づけないことをフィードバックしてもらうことができた。切磋琢磨できる仲間と体験的に学ぶことができた。
 

このゼミには、ここでしかできない学びがある。参加して大変だったのは事実だが、ただただおもしろかった。
 

今後、ライティング・ゼミに入ろうか悩んでいる人に
「ここに入れば人生は変わるの?」
と聞かれたら、ちょっと先輩として
「変わらないよ」
と私は言うだろう。
 

でも、その人が本当に人生を変えたいと思っている人だとしたら、こうも付け加えるとしよう。
 

人生を変える「ライティング・ゼミ」は人生を変えてはくれない。
ただ、人生を変える「ライティング・ゼミ」で人生は変えられる。
 

 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2024-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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