効果的な叱り方や褒め方には基準がある
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：吉田珠翠 （ライティング・ゼミ6月コース）
日々行う仕事は全て大切ですが、後輩を育成する仕事も、とても大切です。
後輩が頑張っている時や失敗をした時、先輩のあなたは、どんな声掛けをしていますか。
「期限までに資料を完成させたね。ありがとう」や
「お客様に厳しい事を言われたけど、しっかりと対応していこう」もあるかもしれません。また
「なぜ、言ったことをそのまましないんだ。言った通りにしろよ」などの叱責もしているかもしれません。
後輩を育成する時、後輩に対する叱る言い方、または褒める言い方には、実は基準があるのです。具体的に、例を使って説明しましょう。
例えばあなたは、後輩Aさんの2人で会議を14時に行うとします。Aさんには
「14時に始めるからそれまでに、自席に戻ってね」と言いました。
Aさんは「はい、分かりました」と言いました。
しかし、14時になってもAさんは自席に戻りません。完全な遅刻です。14時20分にやっとAさんは戻ってきました。
さて、あなたはAさんになんと言って叱りますか？
パターン1「Aさん、だめだよ。遅刻だよ！」
パターン2「Aさん、遅刻するあなたの行動はいけないよ」
Aさんが遅刻した、という事実は同じなのですが、先輩のあなたは、Aさんの「何に」対して叱ったのでしょうか。
パターン1は、Aさんに対して叱りました。
パターン2は、Aさんの行動に対して叱りました。
この違いによって、どのようなことが起こるでしょうか？
まずパターン1です。あなたは、Aさんの「自己認識」に対して叱ったとも言えます。自己認識について叱ると、一番強く心に残ってしまうため、Aさんはひどく傷ついてしまいます。まるで人格否定されたかのようです。Aさんは叱られた後、どのように行動すればいいのかが分からなくなってしまいました。
次にパターン2です。あなたは、行動に対して叱りました。そのためAさんは、叱られたことに少し気分が落ち込みましたが、自分の行動について振り返りを行い、遅刻してしまった原因を自ら考えました。結果Aさんは自分の今後の行動を対策するきっかけになりました。
このように、相手に対して叱る時「何に対して叱っているのか」という観点が必要です。
この叱る観点というのは、5段階に分かれています。
1. 自己認識
2. 信念・価値観
3. 能力
4. 行動
5. 環境
の5種類です。数字が小さくなる(5よりも1)ほど、人の心に強く残ると言われています。
今回の例で言うと、先輩のあなたは1番の自己認識で叱るよりも、4番の行動で叱った方が後輩のAさんに正しい方法で影響を与えるということになります。
先輩のあなたは日ごろ「あいつ、だめだな」などの言い方をしていませんか？
この言い方も自己認識に対して言っています。相手の人格を叱るような言い方をしてしまうと、相手はどうしていいかが分からなくなるので思考停止に陥ります。次に行うべき行動が全く見えてこないのですね。そのような状態で、仕事でいいパフォーマンスを上げることなど難しいのではないでしょうか。
では次に、効果的な褒め方を見てみましょう。
効果的な褒め方は、先ほどの叱り方と逆の考えになります。先ほどの観点は、数字が小さくなるほど人の心に強く残ると言われていますので、これを使います。結論から申し上げると、小さい数字の方を使って褒めましょう。数字の5よりも1の方を使いましょう、ということです。
再度、観点を明記します。
1. 自己認識
2. 信念・価値観
3. 能力
4. 行動
5. 環境
最近、後輩のAさんは遅刻するという行動がなくなってきました。Aさんに対してあなたはどのような褒め方をするでしょうか。例えば
4の行動で褒めると「最近、遅刻しないね。いいね」になり
3の能力で褒めると「時間管理をする力がついてきたね」になり
2の価値観で褒めると「時間を守るという信念がすごいね」になり
1の自己認識で褒めると「時間を守るあなたって素晴らしいね」になります。
このように、自己認識で褒めると後輩のAさんの心に強く心に残るので、仕事のパフォーマンスも上がって仕事が上手くいくようになりました。
人が相手に対して叱る、褒めるという行動は実は難しいものです。特に褒める時ですが、褒めるのが苦手だ、という人もいます。
それは、様々な理由があります。例えば、
・何を褒めたらいいかが分からない
・褒めるところがない
・自分が褒められたことがないので、褒める方法が分からない
などです。
何を褒めたらいいかが分からない、と思った人は是非とも今回の5つの観点を使って褒めてみてください。
褒めるところがない、と思った人は是非とも相手のことをしっかりと見てみましょう。すると、いいなと思えるところが必ず見つかります。
自分が褒められたことがない、と思った人はまず、自分で自分を褒めてみましょう。そうすることで褒める方法なども見えてきます。
叱り方や褒め方は練習も必要かもしれません。是非とも、今日からしてみてはいかがでしょうか。
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