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2週間意識不明の重体で死の淵をさまよった体験者が考える、運のいい人とは?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小城 由紀 (ライティング・ゼミ6月コース)

 
 

まずは質問させてください。
 

 青信号で横断歩道を横断していたのに、ひき逃げに遭い、頭からぶっ飛ばされ、二週間意識不明の重体になった私は、運が悪かったと思いますか?
 
 
 私はその事故にあってから、今まで11年よくそのことを考えて過ごして来ました。
大きな脳挫傷を負い、右鎖骨を骨折、右大腿骨に車が乗り上げこちらも骨折、4回の緊急手術を行い、2週間の意識不明から目覚めたら、右半身麻痺と記憶喪失が待っていました。顔面骨折など手術せず治癒を待つ部位もたくさんあったし、改めて記してみると、自分でもなんて不幸な出来事だったのかな、と思います。
 

しかしそれを上回る幸運もありました。
 

 どんな運の良さだったのかというと
・人通りの少ない真夜中だったが、事故が起きた交差点にコンビニがあり、目撃者がすぐに通報してくれたこと
・そこから200メートルぐらいの場所に消防署があり、おそらくそこからあっという間に救急車が来てくれたこと
・そこから車で30分しないぐらいの所に日本でも有名な病院があり、救急で受け入れてくれたこと
 

主に早い救急対応となった、この3点が命を取り留めた理由だと思っています。
 

 その他にも以下の点で自分では幸運と捉えている事があります。
 

・車が乗り上げたのが骨盤より上の内臓がある所だったり、膝など複雑骨折になりそうな所だったりしなかったこと
・ドクターの多くが脳の手術に回り(複数のドクターがいたことも幸運)、同時に行われた大腿骨にボルトを入れた手術はドクター一人だったのだが、ドクターも大満足の出来で手術が終わったこと。(そのおかげで、不自由を感じず歩いたり走ったり出来る)
・逃げていたひき逃げ犯を警察が逮捕してくれて、しかもその車両には自賠責保険が付いていたため、入院生活に金銭的な不自由が無かったこと
・一生の友と言える友人に出会い、お互い励まし合って入院生活を送れたこと
 

また、前述の右半身麻痺は
・時間と共に麻痺がなくなり、右手の感覚障害(右手めちゃくちゃ不器用のように見られる)というぐらい戻って来ていること
 

記憶喪失は
・事故前に出来ていたのに、こんな簡単なことも出来ないなんてと落ち込むことも無くリハビリに前向きだったこと。記憶のフラッシュバックをむしろ楽しんでいたこと
 

 もともと前向きな性格だとは思いますが、一度記憶が飛んだことでより顕著に前向きになったと自負しています。
もちろん入院生活で落ち込んだり、泣きじゃくったりなどもありましたが、そこは記憶障害も手伝って、負の感情は都合よく忘れていることが多いです。
 

つまり、避けられない交通事故という事象に、私の持てる幸運を使い果たすと思うぐらい運が良かったから、こうして前を向いて生きている、と言えるでしょう。
 
 

そもそも、どういう人が運のいい人と言われるのでしょうか?
大金持ちになった人、名声を得た人、自分の思う通りの人生を送れた人。
マスコミに引っ張りだこの有名女性脳科学者の方の定義によると、「生き残れる」人、とのことでした。
 

私のように九死に一生を得た体験者もまさにそうなるのでしょう。
 

その先生によると運がいい人は、自分を大事にする人、自分は運がいいと思っている人だそうです。そして自分を信じ、さらに自分はこうなる! と強く願い諦めない事。
大勢の人の声から自分を呼ぶ声だけ大きく聞こえる(カクテルパーティ効果)というように、強く願うことで、多くの事象の中から自分が大事に思うことが見えてくる、 と著書に書いていました。
その原理で言うと、逆に今の状況を悲観し運の悪さをいつまでも考えてしまうと、周りの悲観的なものが見えてくる、悪運を選んでしまう、と言えるのではないでしょうか。
 

また、前向きでいると早く自分の立ち位置を判断でき、次に同じようなトラブルに巻き込まれても対処できる心構え、準備をする時間ができます。
その時間的猶予が運の良さを呼び込んでいるように、見えるのではないでしょうか。いつまでも落ち込んでいる暇はない、という感覚です。
 

現在、医療機関で働いているのですが、その現場でも思うことがあります。
心配症で「こんなことがあったのですが、私、大丈夫ですか?」と小さなことでも悩んで相談される患者さんより、
「大丈夫、大丈夫、先生を信じているからね〜」と、で〜んと構えている人のほうが、結果的に術後の治りが良い。
無意識的に自分は「大丈夫=悪いことにはならない=運が良い」と考えているのではないかと思います。
これは統計をとっている訳ではありません。単なる私見です。ですが後者の方が麻酔や薬効くと信じて投与されると効くというプラセボ効果のようなことが起こっているだけでなく、ドクター側も自分を信じてくれるこの患者なら気負いなく治療ができるという、プラスの効果もあるのでは? と思っています。
 

私のメンターとも言える、「大将」と呼んでいる人生の大先輩がいるのですが、その方は感謝の気持ちを持って毎日を過ごすことで人生が良い方向に向かっていく、とよくお話しされます。
この「感謝=ありがとうの気持ち」、松下幸之助氏や稲盛和夫氏など、多くの本で語られる大成功を収めた人の話の中にも良く出てきます。自己啓発本には大体書いてある言葉です。
このワードは宗教的な解釈に繋がることもありますが、私はこれも運の良さに繋がるのでは? と思っています。
 

「周りの人間や事象に感謝する = 今の自分の立ち位置を客観視し大事にする」
と繋がりますし、
「感謝に報いようと行動する(利他の心)、不断の努力をする = 諦めない心」
と言えるのではないでしょうか。
 

〔まとめ〕
 

運がいい人とは
 

自分は運がいい と思い
周りの人物、事象に感謝し
今の自分を受け入れ、大事にし
なおかつ、より良くなるために努力し、諦めない
 

そんな人ではないでしょうか。

 
 
 
 

 

***

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2024-09-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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