メディアグランプリ

人生初の秘めフォトが引き寄せた、人生初の経験


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:春紀 沙和(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
自分史上最高にSEXYな写真を撮ってもらう天狼院書店の女性限定サービス「秘めフォト」。
鍛えた身体を何かの形で残したいと思い、ヌードを撮ってもらう場所を探していた。
数あるサービスの中から秘めフォトにした理由。それは「秘めフォト参加後に彼氏ができた、結婚できた、妊娠した」という報告が絶えない、という現象が気になったから。
「ほとんど彼氏がいない人生を過ごしてきた私でも、何かミラクルが起きるのかな?」とソワソワしながら申し込んだ。
 
刺激的で楽しい不思議な一時を過ごせた人生初の秘めフォト。
終わった後、せっかくだしちょっと観光してみようと思い、撮影場所の近くにある神社に立ち寄った。
境内を歩いていると、優しくてどこか懐かしい音色が聞こえてきた。引き寄せられるようにその音色の前に立ち止まる。
路上で男性が1人で演奏していた。「ラブドラム」という楽器らしい。スティールパンのような音色だが女性でも背負えるくらいの大きさ。他に誰もいなかったので、お気に入りの曲をリクエストして演奏してもらったり、楽器について詳しく説明してもらったりして、初対面なのに盛り上がった。
 
お金を置いて立ち去ろうとした時、「良かったらFacebookの連絡先教えてください」と言われた。
「まさか、初対面の男性から連絡先を聞かれるなんて!」
冷静を装っていたが、胸の高まりが止まらず思わずスマホを握りしめた。
「秘めフォト効果ってすごい!」
やり取りをしながら、お互い同じ地元で生まれ育ったことが分かった。ドキドキが増してくる。これって運命?
 
彼は私の8歳年上で、楽器一つで各地を旅し、自身が作った曲を演奏してお金をいただいているらしい。物欲がほとんどないらしく、スマートフォンどころかガラケーすら持っていなかった。連絡手段はFacebookのメッセンジャーだけ。小柄で優しげな一重に穏やかな語り口だったので、仙人みたいな人だった。
絶対に彼からは連絡は来ない。でも、私がメッセージを送ると必ず返信してくれる。私が会いたいといえば必ず会ってくれたし、決め打ちで会える日を伝えても、必ずその日に予定を空けてくれた。
 
初めて2人でお茶をした時、「彼氏はいる?」と恋愛に関する質問をされた。彼は元カノの話など自身の恋愛についてオープンに語った。
恋愛話だけでなく、路上で演奏している時のエピソードを聞くのは楽しかった。自分が経験したことがない世界は、刺激的に見えて興味深かった。
これは、恋愛感情なのだろうか?
 
別れ際、「今度一緒にイルミネーションを見に行きませんか」と誘われた。
彼氏どころか彼氏候補もおらず、仕事と趣味のトレーニング以外何も予定のない私。彼に対して嫌な気持ちもない。イルミネーションという、いわばカップルの聖地に誘われたことに舞い上がり「行きましょう」と答えた。
この人との未来はどうなるのか? 何かを期待してしまう。
 
煌めくイルミネーションの中を歩いている時、そっと手を握ってくれることを期待していた。橋の上で彼と夜空を眺めている時、そっと体を寄せてくれることも期待していた。
でも、彼は私には指一本触れてこなかった。私が魅力的じゃないからだろうか。少しガッカリした。
デートのたびに何かが足りないと感じてしまう。3回程2人で会ったが、何の進展もなかった。彼は、私のことをどう思っているのだろう?私とどういう関係になりたいのだろう?
そういえば、3回目のデート終わりはいつもみたいに「次は〇〇に行きましょう」って言ってもらえず、「また連絡してください」としか言われなかった。
 
というより、私はどうしたいのか?
彼と一緒に過ごす時間は落ち着く。でも彼の言葉に耳を傾けても心が動かないことが増えていき、出会った時のトキメキはどんどんなくなっていった。
当時、周りの友達が次々と結婚していくたびに私は焦っていた。家族や親戚、友達からも「ほんとに良い人いないの?」と聞かれるたびに心がざわついた。次に付き合う人とは、そういう話を真剣にしたいと思っていた。
だけど、彼との未来はどうしても想像できなかった。いざお付き合いした時のこと、結婚後の生活を想像してみると、不安がよぎる。
私は結婚後も働くつもりで、キャリアを築きつつ家庭を守るつもりだった。仕事をしながら、自由な生き方を続ける彼を支える。彼が演奏のために旅に出ている間、一人で家を守り続けなくてはならないのだろうか……。
自分の好きなことをし続ける彼が羨ましいと思う反面、自分勝手だと思うことが多くなる。私は、やりたくないことも含めて一生懸命仕事をしている。それが社会人の仕事だから。そして稼いだお金で自分のしたいことをする。
一方の彼は、欲を持たず自分のしたいことを貫き、世間に迎合するような音楽には見向きもせず、自分が求める音楽だけを追い続ける。そんな彼の生き方が、未熟に思えてきた。
彼と私の価値観は違う。相手のことを尊敬できないのに、付き合えるのか、結婚できるのか。
私にはできなかった。彼とは結婚はしない、できないと決めつけるうちに、恋愛感情はなくなった。
彼は私が誘えばまた会ってくれると思う。でも、付き合うつもりがないのに2人で会い続けるという曖昧な関係を続けていても、お互いの未来にとって良くないと思い、彼への連絡を一切やめた。もちろん彼からも一度も連絡は来なかった。
 
ドラマチックな出会いから一転、私が現実的なことを考えてしまったことで終わった2人の関係。
それからまもなく、新型コロナウイルスが発生し世界中で蔓延した。世の中が「ソーシャルディスタンス」や「ステイホーム」の流れになってしまい、初秘めフォト後に経験したような出会いは難しくなってしまった。
私は、初秘めフォトから数年後に彼氏ができた。今はその彼と結婚を前提としたお付き合いをしている。彼は企業の勤め人で、愛情表現が豊かな人だ。私は今の彼が好き。
それでも、たまにあの時の彼が頭をよぎる。自分の好きなことを突き詰めていく姿や何ものにも縛られない仙人のような価値観が、日々の仕事に追われる中で、羨ましく思えるからなのだろうか。
 
彼のFacebookを久しぶりにのぞくと、彼は相変わらず音楽を続けていた。
各地を旅し、時々東京や京都のお寺で開かれる演奏会に参加しているらしい。元気にしているみたいで、音楽を続けているようで良かった。私のことを覚えているだろうか。それを知ることはもう二度とない。でも良い。
彼が奏でる音楽は、私の知らない場所で続いている。もう彼の人生に私はいない。これからもいない。でも、その音がどこかで響いていることを思うと、心が少し温かくなる。
そして私は、私の道を自分の足で歩いていく。
 
秘めフォトに参加すると、今までの自分には起こらなかった不思議なことが起こる。今までの私が知らなかった世界を覗くきっかけを作ってくれた秘めフォトに感謝している。
 
まだ参加を迷われている女性のみなさん、一度秘めフォトに参加してみてはいかが?
 
 
 
 
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2024-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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