メディアグランプリ

心がボッキリ折れた人が立ち直るために絶対に必要な魔法の力


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村川久夢(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

「ブレない」ということばが、褒め言葉としてよく使われた時期がありました。それに私は違和感を覚えていたのです。「ブレない」つまり信念や自信が揺らがない人は偉いというのはわかります。
しかし「ブレない」ことの裏にあるプレッシャーや、追い込まれた時の脆さについては、あまり語られることはないように感じたのです。あなたも「ブレないこと」に苦しんだことはありませんか? 誰もがブレないことを求められる時代に、あなたは自分自身が追い込まれたように感じたことは?
でも、誰しも心が揺れ動いて、折れてしまう時がありますよね。そんな人は、もうダメなのでしょうか? 
私は、一度は心が折れましたが、立ち直ることができました。その経験からも、心が折れた後に必要な力は「心の復元力」だと感じています。私たちの心は柳の枝のようにしなやかで強靭なのです。
 
私は一途で「ブレない」子どもでした。高校生の頃、イギリスの女流作家:シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』に心酔していたのです。「大学の英文科に行って、『ジェーン・エア』の研究をしよう」と心に決めていました。
大学生になり、英文科で学んだ頃も、本当に熱心に勉強したのです。その頃は、バブル全盛時代でしたが、遊ぶことには目もくれず、勉強一筋だったのです。
卒業後は、中学の英語教師になりました。英語の授業のための教材研究や自身の英語力を高めるために、一生懸命、英語に取り組んだのです。私は本当に「ブレない」人でした。
しかし、学校には英語を教えること以外にも様々な仕事があるのです。授業研究や自身の英語力向上のための時間を捻出するために、睡眠時間を削らなければならないことも多々ありました。
私は、ブレずに一途であろうとするあまりに、過労とストレスから鬱になり倒れてしまったのです。
 
鬱の影響で、集中力や記憶力が鈍り、私は教えることにすっかり自信をなくしていました。その上、退職するように何度も勧告されたのです。
ついに英語教師の仕事を辞めざるを得なくなってしまいました。私は、「もう二度と英語と関わらない!」と心に決めて退職したのでした。
「あんなに一生懸命に英語に取り組み、わかりやすい授業をして、英語が好きな生徒を育てようと奮闘したのに!」。私の心はボッキリ折れてしまったのです。
まともに教えられなかった時のことを思い出すのが、本当に苦痛でした。目標だった英語が、今では自分を責めているように感じていたのです。
人生のどん底におちこみました。英語教師を辞め、無職になり、「私の人生は終わった!」と絶望していたのです。毎日が灰色に見え、未来の光がまったく見えませんでした。朝起きるのが苦痛で、ただ時間をやり過ごすだけの日々は、何もかも無意味に感じていたのです。
 
「英語には二度と関わらない」と決めた私でしたが、ある時、オンライン英会話の体験レッスンを気晴らしと暇つぶしに受講してみたのです。思いの外、楽しく、受講を決めました。
ある時、フィリピン人の先生が 「レジリエント(resilient)」 ということばを教えて下さいました。「レジリエント」 は、「復元力がある、弾力のある、たちまち元気を回復する」という意味も。
そして、先生は「フィリピンは貧しい国だけれど、私たちは『レジリエント』だ。つらいことがあっても私たちはへこたれない」と言われました。
毎日を出口の見えない暗いトンネルにいるように過ごしていた私は、「レジリエント」ということばに、一筋の光を見たように感じたのでした。希望の光を見つけた喜びで胸が熱くなりました。
その時、私の頭に柳の枝が浮かんだのです。たわんで今にも折れそうだけれど、しなやかで折れない柳の枝です。柳の枝は強風に耐え、たわんでも決して折れない。その姿に、今の私に絶対必要なことが何であるのかが、ひらめいたのでした。それは、私が再び立ち上がる力を取り戻した瞬間だったのです。
投げやりになって、人生を捨てている自分がとても恥ずかしくなりました。「教師を辞めたからと言って、私が無価値になったわけではない!」と勇気が湧き上がってきたのです。
「立ち直りたい。もう一度やってみよう!」という感情が湧き上がって来たのでした。
 
「立ち直るために、今の私にできることは何だろう?」と考えたのです。絶望的な思いをし、二度と思い出したくもないと感じたこともあったけれど、「今の私ができるのは英語だ!」と考えつきました。
少しずつ真剣にオンライン英会話に取り組むようになったのです。先生との会話で、興味深く感じたことや気づいたことを、ノートにまとめるようになりました。
次第に、ノートにまとめたことを英文エッセイにし、レッスンで先生に添削してもらうようになりました。いつも次のレッスンが待ち遠しく感じたのでした。
エッセイが完成すると、ブログに投稿するようになりました。英文エッセイを書く喜びが、私に英語力や表現力への自信を取り戻させてくれたのです。
 
英文エッセイを書くうちに、自分の主張や気持ちをもっと明確に、よりよく伝えるために、「日本語でもエッセイを書いてみたい!」と思うようになりました。思い切って、日本語エッセイの投稿も始めました。
その頃は、作家になりたい自分の夢には、まだ気づいていなかったのですが、後に、私が作家を目指して、ブログにエッセイや小説を毎日投稿するようになった源流は、この英文エッセイにあったのです。その後、私はブログ原稿をもとに、三作の自著を出版することができました。
一度は、心がボッキリ折れて、もうダメだと思った私でした。しかし「レジリエント」ということばをキッカケに立ち直ることができたのでした。心が揺さぶられ、折れたように感じても、私たちは強い芯を持ち、元のあるべき姿に戻ろうとする「心の復元力」があるのです。
 
一度はボッキリ折れてしまった私ですが、若くブレなかった時より、復元された今の自分の方が、柔軟で強くなったことを実感しています。
心が折れた人が、立ち直るために絶対に必要な力は、「心の復元力」なのです。私たちはみんな柳の枝のようにたわむことができるのです。大きくたわんでも、復元できる力は強靭です。
心が折れそうな時、あなたも「心の復元力」を信じてみませんか? あなたが思っている以上に、心はしなやかで、強いものなのです。どんなに大きくたわんでも、あなたの心は復元できます。倒れてしまっても、もう一度立ち上がりましょう!

 
 
 
 
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2024-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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