「ママが飲み会に出にくい問題」はパパの得点チャンス
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記事:曽布川 洋平(ライティングゼミ9月コース)
「パパが夜出かける時は『いってきます!』」
「でも、ママが出かける時は『ごめん、よろしくお願いします』」
「これって、おかしくない?!」
これは、ママ友にほぼ100%共感してもらえる「あるある」だと、妻に教えてもらいました。
世の中のママたちは、子どもをパパに預けて出かけにくいと思っているようです。当然ですがママだって外出して仲のいい友だちと外食したり、お酒を楽しんだりしたい、と思うことはあります。家から出て気分転換したい、と思うでしょう。それが、やりにくい、と感じているということです。
これを「ママが飲み会に出にくい問題」と名づけましょう。なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?
ありそうな原因の一つは、育児分担の差です。
パパは主に仕事で一部、家事、育児、ママは仕事(時短)と家事・育児、という場合、
「子どもの世話は主にママの役目」
「ママがでかける時は、一時的にパパがみる」
という考えから、冒頭のような現象が起こるのかもしれません。そして、中には「夜出かけるのは、育児放棄」のような考えが生まれてくるのかもしれません。
ここで想像してみて欲しいのですが、男女を逆にしたらどうでしょうか。
育児を担当する夫と会食の多い妻の場合、妻は「ごめん、お願いします」になるでしょうか?多分、ならないでしょう。逆に夫が出る場合、「お願いします」になると想像されます。
これは、育児分担の問題であって、男女の問題ではない、と言うことです。育児を多く担当している方が責任を放棄している、と感じるのです。
そもそも「ごめん、お願いします」は何をお願いしているのか?といえば、
「子どもたちに晩ごはんを作って食べさせ、お風呂に入れ、歯磨きをさせて、明日の準備をし、寝かしつける」
という夜のタスクを一括してお任せしている、ということです。
このタスクを、普段、パパとママのどちらが主にやっているかによって「やってる方」は「やってない方」にお願いすることになります。
では、この夜のタスクはママだけの役割なのでしょうか?
育児に対する考え方にもよりますが、普段は両方がやっているはずだし、ママだけがやらなければならない、というわけでもありません。普段はそうだったとしても、もしもママが病気になったりしたらパパがやるわけです。
また、パパ側の主張としては「俺の外出は仕事だから」かもしれません。これは、一理あるようには思えます。もちろん、断れない会食、重要な飲み会もあるでしょう。そこは、お疲れ様です、としか言いようがありません。
しかし、週6で飲み会があるパパはほとんどいないでしょう。ママは、どうしても仕事と重なったその日に行きたい、と言っているわけではありません。事前に予定を合わせてママを送り出すことは、可能なはずです。
と、いうことは、です。
育児を分担していて、きちんと理解のあるパパならば、ママは出かける時に気にする必要はないのではないでしょうか。つまり、ママも「行ってきまーす」でOKでは? ということです。
実際、何人かのママにヒアリングしたところ、少なくとも私の周りには一定数の、
「よろしくお願いしますは、いらないよね」
「いってきまーす、でOKじゃない?」
というママもいました。
「ごめん、よろしくお願いします」
という言葉には、育児を主に担当するママの、引け目のようなものがあるのかもしれません。
ここまで考えてみると、実際には引け目を感じる必要は全然なくて、普段頑張っているママは、パパに任せて気分転換すればいいのではないかと思えます。パパが出るのと同じようにママも出ればいいのです。仕事に有給休暇があるように、育児にも休息が必要です。
そして、こんな意見もありました。
「パパが出かける時も、お願いします、と言ってほしい」
これは、確かにその通りです。ママがパパに今晩のタスクを任せているのと同じように、パパが出かけるときも、ママにタスクを任せています。なんとなく大雑把に「ママの役割」としていますが、本来、その夜のタスクはどちらがやってもいいもののはずです。パパも、ママにお願いしていることには変わりないのです。
言い換えれば「ママが出かけるのは育児放棄」と言うのは「そもそもパパは最初から育児放棄している」と言うのと同じことです。パパが出るのも、ママが出るのも同等としか思えません。であるならば、パパはガタガタ言わずに快く送り出す、がベストではないかと思います。
そして、パパを励ます意味で書きますが、ここはパパの得点チャンスでもあります。
「行ってらっしゃい、子どもたちは明日の準備をして寝かせておくからね、心配せずに楽しんできてね!」
と言って送り出すのです。
ママからしたら若干恩着せがましい気もしますが、いつも「ごめん、お願いします」と言って出かける真面目なママに楽しい時間をプレゼントすると思えば、快く送り出せるのではないでしょうか。
結局、お互いに感謝が必要だという、なんともありふれた結論になってしまいましたが、どちらかがモヤっとするシーンでこそ、思いやりが必要ということで締めくくりたいと思います。
***
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