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速読の反効果

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:堀越ひでき(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

速読ができる人を見て、「なんて頭がいいんだろう」と思ったことはありませんか? 実は私は、速読に、すっごい憧れがありました。
膨大な情報を瞬時に理解できる、それって「かっこいい」ですよね。だから、私は速読の講座に通ったり、本を何冊も読んだりしました。
でも、現実は、厳しい。少しは、読むのが早くなりましたが、劇的変化をとげることができませんでした。
レッスンに通っていたころ、言われたのが、「読み方の固定観念を外して」といったようなこと。普通に読む人は、知らず知らずに頭の中で音読をしているんだそう。声に出して読まないまでも、頭の中で音読をしていると、やはり遅いんだそう。
そうやって、速読のレッスンは、読み方の固定観念を崩していくことから始まります。
私の場合も、レッスンの成果があって、頭の中での音読からは、卒業できました。その次に来るのが、より多くの文章というか文字を塊でとらえて、読み進めること。これが速読の醍醐味で、すごい人は、本の1ページを塊としてとらえて読み進めていけます。だから早いわけですね。私も、この塊でとらえることに挑戦していたわけですが、私の場合は、一行の半分程度をとらえることが精々で、そこから先には進めませんでした。
それでも、そういう読み方を積み重ねていけば、本を読む量を人生全体でみると、相当に増えたんじゃないかと思います。だから、速読に感謝、感謝であるわけです。
そんな速読ですが、今回は、あえて反対を唱えてみます。
速読の反効果です。
ナゼかというと、僕は今、「早く読みたい!」って気持ちだけで、内容をすっ飛ばして読むような癖が出来上がってきています。
文章を読まずに読んでしまう。
読んだ後、「あれ、結局なんだったけ?」となってしまうから、もう一回読む。でも、そこでも読まずに読んでしまって……
こういう感じで、何回もループしてしまう。
「それって、最初っから、普通に読んだ方が早いんじゃない」ということになる。
つまり、つまり、早く読みたいけど、読めないのに、早く読もうとするから、気持ちだけ早く早くってなって、結果的に全く読めていないくて、何度も読んでしまう症候群に嵌っているんです。
だから、もう一度、書きますが、今、反速読を! なのです。
例えばです。
小説を読むとします。小説は楽しむものです。そんな楽しい時間が速読したら、速攻で終わってしまいます。こんなところで楽しさを奪われたくないですよね。
もう少し、細かく観察します。小説は、もちろん物語なんですが、細やかな表現がるわけですが、速読すると、そういうところが見えないんですよね。すっ飛ばしちゃうから。
これって、残念だと思うんです。残念だと思ったんです。それというのも、天狼院のライティングのワークで、小説の初めの1ページを紙に手で書き写してみようってのがありますが、それをやってみると、小説家の方の表現の工夫がわかったんです。これをやって、速読のようにすっ飛ばして読むのは、超もったいない! 高級店のお寿司を、100円寿司と同じような感覚で食い漁っているのと同じじゃないでしょうか。もったいない!
仕事でも、私は困ったことがあります。
前にも書いたように、早く読むと、意味が抜けてしまうという致命傷もあります。それにこれは私だけの事かも知れませんが、「わかった気になってしまう」ってのがあります。これは大問題。
「ざっくりと、こういうこと」って理解していると、「おまえ、わかってないな」って言われることが多い。神は細部に宿るってやつで、文章を理解するというのは、細部まで細かく理解しないといけない場面が多い。
「そんな時は、じっくり読めばいいじゃないか?」
そうとも言えますが、そうとも言えない。というのも、もう読み方が速読モードになってしまっていて、修正がきかない。
これが致命傷なわけだ。普通の人は、速読と普通の読み方を使い分けれるのかもしれないけど、私の場合は、そんな器用なことができない。
そして、その延長戦として、「非常にせっかち」な性格になった。
誤解を恐れずに書くと「正確さよりスピード」みたいな感じ。仕事で文章を作るときも、早くはできる。でも、仲間に回付するとボコボコに修正が入る。修正させるってことは、仲間の時間コストを奪っているってことなんでしょうね。仲間もあまりいい顔しません。
だから、今、「普通に読むこと」を、心がけています。音読とまでは行きませんが、文章の機微にふれ、行間に隠れた文章を感じ、書いた人の心情を想う。そんなことができたらいいなぁなんて思っているんです。
あ! そう書いておきながら、YouTubeは、1.5倍速で見てました。

 
 
 
 
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2024-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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