メディアグランプリ

歩けなくなって緊急入院した話


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安光伸江(ライティングゼミ9月コース)
 
 

この記事は病院のベッドで書いてます。
10月27日日曜日、私はいつものように杖をついて、ゆめシティという近所のショッピングセンターに行こうとしていました。
いつものように、というのは、両親が亡くなり一人暮らしになって、料理も苦手だし、ゆめシティまで500メートルほどの距離を歩くのは運動にもなるし、た、毎日ランチをゆめシティまで食べに行くのが日課なのです。
そして私はがん患者です。乳がんの全摘手術をして8年ほどで、その間に骨転移と肝転移があって、ステージ4のがん患者として、抗がん剤治療をしていました。
エンハーツという新しい薬を使うようになって、骨転移は現状維持、肝転移は縮小傾向にあるというので喜んでいたのですが、7カ月ほどエンハーツで治療した9月26日に受けたCTで、肺に影がありました。
エンハーツの重篤な副作用である、間質性肺炎の疑いが濃厚、というので、エンハーツは即時使用中止、呼吸器内科による間質性肺炎の治療が最優先になりました。
その時はまだちゃっちゃと歩けていたのですが、間質性肺炎の治療でステロイドを飲むようになってから、なんだか歩くのが変です。歩幅が小さくなり、歩くのもゆっくりになってきました。
それでもゆっくりでもゆめシティまで歩けてたのですが、10月27日はさらに様子が変です。なかなか足が進みません。
いや!私は海鮮丼を食べに行くんだから!
と頑張ってみたのですが、途中の公民館近くの横断歩道でころーんと後ろ向きに転んでしまいました。幸い、リュックサックを背負っていてその上に乗っかる感じがしたので、ケガはしてません。
横断歩道を渡りきったところで、知人に会いました。
それじゃゆめシティまで行くのムリよ!
と諭され、ちょうどその日は川中地区の文化祭を公民館でやっていて人出があったもので、知らないご夫婦が車椅子を借りてきてくれて、家まで連れ帰ってもらいました。
そして救急車を呼び、がんの病院に搬送されたものの、その日は少し落ち着いたので、叔母の車でゆめシティ経由で家に帰りました。途中、海鮮丼を食べ、叔母に買い出しをしてもらい、家で食べられるようにしました。
家では杖をついての移動で、自力でトイレにも行ってたし、無洗米を炊いて冷凍の牛めしのもとをチンして食べたり、叔母に買ってもらった冷凍食品をチンしたりはできていました。
ところがさらに悪くなり、木曜日に訪問看護さんが買い出しを手伝ってくれたものの、それだけではすまず、トイレにも行けなくなりました。
その前から、立って歩ける人用の紙パンツを使ってましたが、自力では履き替えられず、叔母にSOSを出しました。履き替えさせてもらって、洗濯を頼み、その間にゆめシティで尿パッドなどを買ってきてもらいました。
おむつも買ってきたけど、サイズが合わず、紙パンツにパッドを入れることにしました。これは自力で替えることができました、が。
 
その前から、布団から起き上がるのに、30分は平気でかかるようになっていました。右脚が痛くてほぼ動かないので、手をついて起き上がろうとするのですが、悪いことに数ヶ月前から低反発のマットで寝ていたので、柔らかくてなかなか力が入らないのです。
そして11月1日金曜日、3時になんとか起き上がってパンを食べたのですが、その後5時に起き上がろうとすると
起きられない!
うつ伏せでじたばたすること1時間、やっとケータイのあるところににじりよれたので、病院に電話をしました。この日は呼吸器と整形の受診予定だったので、行けそうにないけどどうしましょう、とご相談すると
救急車で来てください、入院の可能性大です。
とのこと。病院までは精神科の訪問看護さんが送迎してくれて、車椅子に乗せてくれるところまで頼んでいたのですが、これはもう入院だから、訪問看護さんには入院準備を頼むことにしました。
何がいるかな? とアタマをめぐらせ、iPhone2本とApple Watchの充電器は死守して、延長コードは隣の部屋にあるのを持っていけばいいな、お水を飲むためのコップがいるから、スタバのマグを持っていけばいいな、お薬はスタバの袋にガサガサっとまとめたらいいな、と計画を立てながら8時過ぎまでまだうつ伏せになってました。
というのも、呼吸器の治療でステロイドを飲んだら歩行困難になってきたので、整形外科も受診していたのですが、そこで飲んだ神経の薬の副作用に
手足のしびれ
があり、明らかに手がしびれて力が入らなかったのです。
精神科の訪問看護に連絡して、入院準備を手伝って欲しいと頼み、ほぼ準備ができてから救急車を呼びました。訪問看護さんは原則30分以内なので、鍵を預けてあるご近所さんに借りて家に入り、ほぼ準備ができたところで、荷物をまとめて玄関に置いて帰っていきました。
さてピーポーの到着です。もう、9時近くになっていたかな?
いろいろ状況説明をして、ゴロンとひっくり返され、担架で救急車へ。心拍数はめちゃくちゃ高く、私死ぬのかしら、と悲しくもなりましたが、救急車に乗るとだいぶ安心しました。心拍数増加はApple Watchに何度も警告されてたのです。ちょっと動こうとすると、心拍数が上がり、熱も出てましたから。
そして救急部に運ばれ、叔母もかけつけてくれて、いろいろ検査をしました。この日は金曜日で、救急専門の先生が出張して来ている日だったので、その先生にいろいろ質問攻めにあいました。
日曜日に転んで、一度救急車でここに来て、それからさらに症状が悪化して、云々
 
検査のあと、入院が決まりました。来ていた服はべちゃべちゃに汚れていたので、全身お着替え、病院のネグリジェを着せられ、おむつ対応になりました。
それからさらにだいぶ待ち、病室が決まりました。
病室のベッドは、頭や足の上げ下げが出来る、あのよく宣伝してるパなんとかいうところの製品でした。頭を上げ、テーブル上のペットボトルの水を飲むと
 
極楽
 
今まで悲惨な生活をしていたのと比べると、パラダイスです。
そして脚が動かないだけで、後は元気なんですね。気持ちも前向きだし、まぁこの脚が動かないのが原因不明なのが心配だけど、もう入院したからたぶん担当医の皆様がなんとかしてくれるでしょう。
そして快適空間を作り、晩ごはんはめちゃくちゃおいしく、幸せを感じています。
朝来た看護師さんがなぜか私のことを知っていて、スタバでよくみる、ブログやってるでしょ、とか話しかけてくれて、気分だけはアゲアゲです。
いろいろ心配だけど、この上々の気分で、なんとか乗り越えたいと思います。
 
うちに置いてきたぬいぐるみたちがいなくてさみしいけど、病院生活を楽しみたいと思ってます!

 
 
 
 
***

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2024-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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