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昔の特攻隊が今の日本を見たらどう思うだろうか

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記事:Shota(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
「来週、爆弾を積んだ飛行機に乗って潜水艦に突撃してください」
ある日、そんなことを言われたらどう思うだろうか?
「ドッキリ企画ですか?」と、私なら言うかもしれない。
少なくとも、相手が本気で言っているとは到底思えない。
だが、何十年も前、実際にそのような命令を受けた人間が実在する。それが、特攻隊だ。
自らの命を懸けてまで日本を救ってくれた英雄。私はそう思っている。
 
 
ネットで特攻隊と調べると、
『特攻隊とは、第二次世界大戦期に大日本軍によって編成された爆装航空機による体当たり攻撃部隊である』
と記載されている。
超ザックリ言うと、昔の戦争中、日本軍の実力をはるかに上回るアメリカ軍がいた。普通に戦っても勝ち目がない。かといって簡単に白旗を振れる状況でもない。そんなとき日本軍がどうしたか。そう、爆弾を積んだ戦闘機に乗り敵艦に突っ込むという作戦をとったのだ。
当然ながら突っ込んだ特攻隊は確実に命を落とす。
「なぜそんなことを?」「自分だったら絶対断る」
正直、最初に特攻隊のことを知ったとき私はそう思った。
だが、詳しく調べたり当時の特攻隊の様子が描かれた場所へ足を運ぶ中で私の考えは変わった。
特攻隊の方々は自分が特攻隊に選ばれたことに誇りをもっていた。加えて、多くが20代前半で、中には18歳の若者もいた。
私は当時の特攻隊の様子が描かれた場所で特攻隊が書いた遺書を見た。特攻隊に選出された時点で死が確定している。若くして遺書を書くのも当然だ。
私はこの世の未練や死ぬことの怖さが書かれていると思ったが実際には違った。
自分が特攻隊としてこれからの日本を救うことの決意であったり、母親への感謝の手紙だ。
仮に私が特攻隊の立場だった時、そんな内容が書けるだろうか? いや、間違いなく書けない。母親への感謝は書くかもしれないが、日本を救うことに対する誇りを書くことはない。
遺書を見た私は人前で泣いてしまった。
特攻隊もそうだが、我が子が特攻隊に選ばれた親に気持ちを考えると苦しくなった。
20歳前後の若者が命を懸けて日本を救うために敵軍に突撃する。生半可な気持ちでは到底決断できない。
「未来の日本を命懸けで守ってくれた特攻隊に恥じない生き方をしよう」
私はそう自分に誓った。
 
 
「昔の特攻隊が今の日本をみたらどう思うだろうか」
タイトルの話に戻るが、実際、どう思うだろうか?
私が特攻隊の立場なら愕然し怒り狂うと思う。
「これは俺たちが命を懸けて守った日本なのか」と。
テレビを見れば、連絶有名人の不祥事や不倫報道で盛り上がり、政治では裏金問題が騒がれている。
かといって周囲の者を見渡せばスマフォを体の一部のように操り、SNS閲覧やゲームに没頭している。
もちろん、自己研鑽のため勉学等に打ち込んでいたり、ボランティア等で外に目を向けている人を私は知っている。
だが、これが特攻隊の願った日本の姿だろうか。
かくいう私も人のことは言えない。
私が特攻隊と同じ20代前半の頃などは自分のことしか考えておらず、毎日のようにSNS閲覧に没頭していたものだ。
SNS投稿にしては、いいねの数を気にし、増えていたびに承認欲求が満たされたものだ。
だが、特攻隊のことを知った日から私の思考や行動は変わった。
特攻隊が命を懸けて守ってくれたこの日本に生まれた奇跡に、まず感謝した。今、国内で武力による戦争が行われていないのも、特攻隊の活躍あってこその結果だと思っている。
それに、当時の特攻隊やその子孫が生きていたであろう未来に、今、こうして生きていることに感謝してもしきれない。
 
 
では、具体的にどう行動を変えたのか。
まずSNSやYouTubeの閲覧をやめた。もちろん、勉強など意味あっての閲覧は良いと思うが、「ただ暇だから」という理由での閲覧をやめた。特攻隊に生かされていると思うと、時間を無駄になんてできない。そう思った。
その空いた時間を「自分磨き」と「他者を思いやる時間」に使った。
自分磨きでは、ジムで体を鍛え健康的な肉体を手に入れるための時間に使ったり、内面を磨くための勉強に時間を使っている。結果論だが、自分磨きの過程で新しい人間関係にも恵まれ、SNSやYouTubeをだらだら見ていた頃と比較すると有意義な時間になっている。
他者を思いやる時間は、募金や献血に加え、月に2~3回町内の清掃をしている。生かされた恩返しをしようと思い始めた行動だが、相手のために時間を使うことが、こんなにも有意義だとは思わなかった。今後は他者のために使う時間を増やして生きたいと考えている。
 
 
「君のしている行動は本当に特攻隊が望んだものなのか?」
そんな声が聞こえてきそうだが、実際その通りだと思う。
特攻隊が願った未来の日本に正解なんてない。
だが私は、生かされている現状に感謝し、少しでも恩返しができればと心から思っている。
 
 
 
 
***

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2024-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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