私が本当はFacebookをやりたくなかった理由
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:田辺 哲(ライティング・ゼミ9月コース)
「もちろん死ぬ方がいいです、便器として生きていかないといけないといけないなら死にたい。私の人生って便器とかサンドバックでしかなかったんだなあと思ったら、もう疲れました」
これは、あるSNSの女性ユーザーの発言(原文ママ)である。
あるアニメファンが深夜アニメのエロシーンをSNSにアップした。冒頭の発言者である彼女は、「ネットは不特定多数の観る公共の場であるから、このようなエロシーンをアップすべきではない」と注意した。そのアニメファンは素直にそのエロシーンを削除した。
彼女は元々、いわゆる18禁のエロ絵も書くイラストレーターであったのだが、それゆえの良心から、注意したのだ。
ところが、彼女のこの行為を気にくわないという人たちが居た。
自分たちの好きなエロ絵やエロ表現を規制されることを好まない、一部のアニメファン、世間でオタクなどとも呼ばれる人たちである。全てのオタクが必ずしもそうではないのだが、彼らはエロ表現の完全な自由化を、いつでもどこでもエロ表現が見られる自由を望んでいるようで、それに少しでも反対する者や、規制しようとする者に強い憎悪や反発心を抱く。中には恫喝や嫌がらせ、デマや誹謗中傷などの過激な行動に出る者たちも居る。
エロ絵師の彼女の行為は、そんな彼らの逆鱗に触れたらしく、その後から彼女は、大量かつ執拗な集団嫌がらせの被害に遭うことになった。
単なる批判や反論から、恫喝や誹謗中傷まで。女性でエロ絵師だったことからか、「俺たちに集団レイプさせろ」など、ここでは書くのも憚られるような卑猥で酷い恫喝なども幾つも、何十件、何百件も届いた。彼女が謝罪して許しを請うても、その集団嫌がらせは止むどころか、エスカレートする一方だった。
そのあげくの、冒頭の発言である。
その彼女はSNSの更新だけでなく、ネットでの一切の発言も活動も止めてしまい、その後はどうしてしまったのか現在も不明である。
勿論これは極端な例のひとつだが、SNSでは、日本のネット社会では、このようなことも本当に起こりうる。
Facebook。
最も有名でポピュラーなSNSのひとつ。
この私自身、天狼院のライティング・ゼミに入門した際、諸連絡や課題提出などで必要であるから始めた。
だが逆に言えば、それがなければFacebookをする気はなかったのだ。
最大の理由は、原則本名であるからだ。
勿論、原則本名であること自体は決して悪いことではない。
だが、冒頭の女性エロ絵師の話を読んだ方の中には、お察しの人も居るだろう。
世の中には、自分の欲望や劣情を満たす為ならば、自分の気にくわないものを排除して潰す為ならば、何をしても、他人をどんなに踏みつけてもかまわないという危ない人たちが大量に居るのだ。
特に、匿名性の高さとか、同じ趣向や価値観などを持つ者たちが大集団を形成しやすいというネット社会の特性が、そのような元々危ない人たちが過激な集団行動に走るのを容易にしてしまっているという側面もある。
普段はおとなしい人も、ネット社会の匿名性と集団性に染まると、まるで人が変わったように過激化してしまう。そんな例も私は何度も見てきた。
匿名のSNSですら、ふとしたきっかけで、冒頭の例みたいな恐ろしいことが起こりうるのだ。
ましてや本名などという、個人を特定するのに決定的な情報を公開していて、何らかのきっかけでネットに居る危ない人たちに目を付けられたらどうなるか。
自宅まで来られて、本当に襲撃や嫌がらせ、放火などの被害に、女性ならば性犯罪の被害に逢う恐れもありうる。
相手の名前と住所を騙って高額商品やアダルトグッズなどを購入し、着払いで相手の自宅に送りつけるという嫌がらせなども、現実に頻発している。
さて、Facebookを始めた私であるが、幾つか決めていることがある。
まず、ライティング・ゼミ以外の目的では使用しない。
次に、政治や宗教など、意見対立が起こりやすく誰かの憎悪や反発を招きそうな話題は一切しない。
また、表現の自由、特にエロ・グロ表現の是非に関する話もしない。
友達申請は、リアルでも面識のある、本当に信用できる相手しか受け付けない。
匿名でやっている他のSNSとの連携などをしないことは勿論、本名でFacebookをしていることは、他のSNSで悟られないように十分に気を付ける。
他にも注意したいことはあるのだが、最低限、以上のことは厳守していきたい。
本来ならば、もっと楽しく、もっといろんな可能性を広げてくれる素晴らしいSNSツール。
だが現実のネット社会には、必ずしも善人ばかりとは限らない。危ない連中もたくさん居るから、十分に注意しなければならない。
特に、本名や住所などの個人を特定する情報を公開する際には、その公開する場所も、範囲も、相手も十分すぎるほど気をつけた方がいい。
大変残念だが、それも今のネット社会の現実なのだ。
嗚呼、そんなこと気にすることなく、ネットを楽しみたいのになあ。自作ホームページに堂々と住所と名前を公開して趣味の仲間を募ることもできた昔が懐かしいなあ。
そんな想いも抱きながら、今日もネットで活動を続けている。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00■天狼院書店「名古屋天狼院」
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「湘南天狼院」
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00