感謝することを忘れがちな私たちへ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:ふみふみ(ライティング・ゼミ9月コース)
私はほんの少し前まで、「ありがとう」と言葉は声に出すことはあるけれど、本気で感謝したことがなかったように思う。
もしかしたらあったのかもしれないが、悲しいことに記憶にない。
私は感謝よりもネガティブな言葉を心の中でよく使う。それが当たり前だった。
「私なんて○○に比べたらできてない」
「私はなんてダメなやつなんだろう」
「私はなにもない」
表面的にはポジティブなことを言っていたが、心の中はネガティブ全開なやつだった。
感謝しているつもりで「ありがとう」と言ってみても、その後には心の中では自動で「でも」「だって」がついてくる。
自己肯定感の低い、世の中に文句たらったらなやつだったのだ。
そんな私であるが、ある日知り合いから「本気で感謝してみると目の前が変わるよ」と言われた。
当時の私は「感謝? しているよ?」と思いつつも、紹介してもらった本を素直に購入した。
それは感謝のワークが28日間とたっぷり感謝に向き合える本だったのだ。
感謝……? こんな本で……?
この本に出会うまで、感謝についてじっくりしっかり考えたことがない。
まわりの人に「ありがとう」と感謝するだけ? と思っていたのだが、それは間違いだった。
この本は今まで私が歩んできた人生の振り返りであり、私の人生がいかに幸せだったのかが理解できる、最高のワークがいっぱいだったのである。
色々あるが、特に効果があったと感じたのは、毎日行うものの中に10個感謝できる事柄をみつけ、感謝していくワークだ。
最初は「お父さん、ありがとう」「お母さん、ありがとう」のように書いていくのだが、途中で「もう感謝するものはないんじゃないか」という気持ちになってくる。
しかし、不思議なことに段々と他にも感謝できるものがあるんじゃないか? と思い始め、まわりをキョロキョロしながら考えて「空気よ、ありがとう」「太陽さん、ありがとう」と色んなものに対して感謝できるようになっていくのだ。
実は私が当たり前に使用しているものや目の前にあるものというのは、当たり前じゃないよね、ありがたいことなんだよね、ということに自然と気づけるようになっていく。
上記のワーク以外にも他のワークをコツコツ続けていくと、他にも色んなことに気づいていく。
特に親やまわりの人にやってもらったことを思い出してみると、
「何不自由なく服を買ってもらったり、ご飯を食べさせてもらった」
「ランドセルや鉛筆、消しゴム、ノートも買ってもらえて学校に行かせてもらった」
「欲しい本を買ってもらった」
「ピアノ、習字、水泳など習い事をさせてもらった」
「修学旅行にも行かせてもらった」
「部活で遠征に行かせてもらった」
「夏休みや冬休みはおじいちゃんの家にお世話になった」
「家族や祖父母、親戚だけでなくバレーボールを通じて知り合った人たちに応援してもらった」
「色んな場所に連れて行ってもらった」
これはほんの一部であるが、私は色んな人に支えてもらってきたからこそ今まで生きることができた、ということを見つけ感じるたびじんわりと心温まるような、嬉しい気持ちになれた。
「何もない」「不幸せな私」と思っていたネガティブな私だったが、色んな人に支えてもらって「色んなものがあった」「幸せな私」と思えるようになれたのだ。
ワークをコツコツ続け、本のワークが終わる頃には、感謝ができない私はいなくなっていた。
かわりに、両親や周りの人、出来事に対して心から「ありがとう」と感謝がいえる私が登場したのだった。
たかが本であったはずが、されど本になっていた。
「ない」ものに焦点を当てていると「自分にはない」と思い自己肯定感が低下するが、「ある」ものに焦点を当てていると「自分には色んなものがあったじゃないか!」と自己肯定感も上がり、心から「ありがとう」と感謝することができた。
焦点を変えただけなのに、こんなにも気持ちが変わるものなのか!
そう思えた時に私は「過去も現在も幸せだ! ありがとう!」と叫びたくなるくらい最高の気分になれたのだ。
現在私は2児の母親であるが、私が両親や祖父母、周りの人たちにしてもらってた「当たり前」なようで「当たり前」じゃなかったことを子どもたちにもしてあげたい。そして、子どもたちにもいつか「色んな人に支えられて生きてきたよね。本当にありがたいことだよね」と心から感謝できる人になってもらえたら嬉しい限りだ。
そのために、まずは自分から感謝できる人になれるよう、より精進していこうと思う。
感謝することを忘れがちな私たちへ。
「ない」もの探しではなく、「ある」もの探しはいかが?
「ある」もの探しをすることで、過去そして現在の幸せに気づき感謝できるようになるのだから。
***
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