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「私にとってカレーはテーマパークの年パス」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:内山遼太(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

カレーを食べると、なぜかテーマパークの年パスを持っているような気分になるんです。「どういうことだろう?」と思うかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。
 
私が初めてカレーに夢中になったのは子供の頃でした。もともと野菜が大嫌いだったのですが、カレーを前にすると自然と食欲がわいて、野菜ごと夢中で食べていました。「こんなにおいしい食べ物があるのか!」と感動したのを今でも覚えています。それ以来、カレーは「いつでもおいしいものに出会える」という特別な存在になっていきました。カレーのスパイスの香りを感じるだけで、あの味に再会できる期待で胸がいっぱいになるのです。
 
そして、ただおいしいだけではなく、カレーには、食べた後に力強い「元気」を湧き上がらせてくれる特別な効果がありました。「カレーを食べると、また頑張れる!」そんな気持ちが湧いて、苦手な勉強や、人前での発表にも挑戦する勇気が生まれたのです。まるで「自分を奮い立たせるスイッチ」が押されるような感覚でした。それは私にとっての年パスであり、いつでも「これで大丈夫」と思わせてくれる心強い味方になっていきました。
 
成長するにつれて、「元気がほしい時はカレーを食べる」というのが習慣になっていきました。試験前や部活動の試合前、大事な発表がある日など、ここぞという場面でカレーを食べることで、不安が少しずつ消えていくような気持ちになったのです。もちろん、これはあくまで自分なりの“おまじない”なのかもしれません。けれども、そのおまじないがあるからこそ、どんな時も「これならできる」と自分に言い聞かせることができました。
 
カレーが単なる食べ物を超えて、私にとって「人生の元気の源」になったのは、高校時代の失恋がきっかけです。ずっと好きだった女の子に告白したのですが、結果は惨敗。期待もあっただけに、その悲しみは大きく、しばらくは何をしても気が晴れることがありませんでした。そんなある日、気づけば私はカレー屋さんに吸い込まれていました。特に理由もなく、「大盛りカレーをください」とだけ告げ、ただ無心で食べていたのです。
 
カレーをひと口食べた瞬間、失恋の痛みが少しずつ薄らいでいき、「やっぱりカレーはいつ食べても美味しい!」という幸福感が心に広がりました。ついさっきまで感じていた心の痛みが、カレーのスパイスと一緒にどこかへ消えていくようでした。そのとき、「カレーは私の気持ちを癒してくれる特別な存在なんだ」と初めて気づきました。それ以来、カレーは私の人生を支えてくれる魔法のアイテムとなり、どんなことがあっても前向きでいられる自信をくれる存在になったのです。
 
ここまで書いて気づいたのですが、私にとってのカレーは、テーマパークの年パスを持つ人と同じような存在なのです。年パスを持っていると、「またあの楽しさに会える」という期待感があり、日常にちょっとした非日常が加わります。そして行くたびに元気をもらえるからこそ、「好きだからこそ繰り返し行きたい」という思いが生まれるのです。
 
私にとってカレーもまさに同じです。どれだけ食べても飽きず、毎回元気をもらえる。カレーには、日常に特別な楽しみを添えてくれる魅力があり、生活の中で欠かせない存在になっています。まるで年パスを持っている人が何度でもテーマパークに通うように、私は日々の中でカレーを食べ続ける。カレーを食べることは、私にとって「いつでも元気をもらえる年パス」を手にしているのと同じなのです。
 
カレーには、私の個人的な体験を超えて、人を幸せにする大きな力があるように思います。家族や友人と一緒にカレーを囲む楽しいひとときや、旅先で出会った美味しいカレーとの記憶を思い出すとき、人は皆少し笑顔になりませんか。私たちの文化に深く根付いた食べ物だからこそ、カレーはいつでも「安心して楽しめる」という、まるでテーマパークのような魅力を持っているのだと思います。
 
カレーを食べるたびに、「これが私の元気の素だ」と感じます。それは、ただ私を支えるだけでなく、カレーを作ってくれた人や、材料を育ててくれた人々の力の結晶でもあるのです。もしテーマパークの年パスを持つ人が、テーマパークを支えるスタッフたちにとって嬉しい存在であるように、私がカレーを食べることも、カレー屋さんや生産者の方々にとってはきっと喜ばしいことなのでしょう。
 
これからもカレーを食べ続け、元気で楽しい毎日を送りたいと思います。皆さんにとって、毎日を元気にする年パスは何でしょう?そんな「自分だけの年パス」を見つけて、日々を楽しむ人が増えたら素敵だな、と思うのです。

 
 
 
 
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2024-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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