初めてがいっぱい –女の階段上る 私は私-
*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:美咲 明(絶対麗度ライティング)
今年2月頭の深夜、Instagramを見ていたら「秘めフォト」のCMが流れてきた。本屋で一般女性の「セクシーな写真」を撮影???
詳細は省くが、長い間「不細工」を自他共に容認してきた。本人ではどうしようもない容姿のコンプレックスに無邪気な言葉を散々投げつけられ、記念写真は嫌な思い出ばかり。写真を撮られることが大嫌いになった。
HPで詳細、秘めフォトのライティングを読み、Instagramのタグを辿った。分かる限りの情報を見て信頼、安心、好奇心が湧いた。
不細工だから、今よりマシになりたい。
こんな私でも何か効果が出るのだろうか?
秘めフォトは本屋の中にある異世界だった。ごく普通の一般女性たちが、芸能人の様にメイクをして、堂々とセクシーなランジェリーに着替える。全裸になる方までいらした。「本屋で初対面の前で全裸になる」。セミヌードも勇気が要るのに全裸とは。しかし秘めフォトという異世界では、風呂屋の如く当たり前に行われた。そして、初参加でも完璧な方、プロのように表情とポーズを決める方、素晴らしい肉体を持つ方、色っぽい顔を魅せる方。セクシーを魅せる女性たちは目の前に幾らでもいた。
三浦社長は「ありのままの私」をプロの手腕で撮影して下さった。写真は素晴らしい。こんなにキレイな「写真」を手掛けて下さる方は、周りにいない。しかし、私にはセクシーどころか「自信」も「自身」も無かった。写真は自分を騙せない。衝撃の体験をしたのに、被写体の自分は転生できない自分そのものでしかなかった。
もっと良い被写体になりたい欲が沸いたから、人生初めての経験に沢山挑戦した。
一重の細い目、大きな鼻がコンプレックスでメイクは苦手。超不器用で時間は掛かるし正しいやり方が分からない。やっても変わらないと諦めていたが、人生初めて真面目にメイクに取り組むことに。情報過多と財政負担に頭を抱えつつ、楽しみながら学んで前よりできる様になった。
目蓋の皮が厚く、ビューラー、強力なマスカラでも直ぐ果てるから、人生初めてのまつ毛パーマに挑戦。何もしなくても立派に上がりまくるまつ毛に、美容への信頼と満足度も上がりまくった。
マスク生活と加齢で鼻から下がたるんできたから、美容鍼に挑戦。丁寧なカルテを作って頂けたので通院を即決したが、週1名古屋はきつかった。正直効果に無自覚だったが「あれ、顔小さくなった?」「アゴがシュッとしたねー」「お化粧変えた?キレイになってる」と、他者から肯定的な反応を頂けたから本物だ。人生初めての美容医療。
不規則な勤務時間で睡眠不足、食事は内容も時間もムチャクチャ、運痴で運動大嫌い、固い身体に低体温だからスタイルが悪い。秘めフォトに合わせて筋トレを始めた。仕事中にできるストレッチと宅トレも加え、遅くても風呂には毎日浸かった。結局一番大きかったのは食生活を変えたこと。ストレスに任せて摂取していたレトルト、甘い物、冷たい飲み物を控え、外食も減らした。超簡単だけど栄養を考えた自炊のご飯ばかり食べている。結果8ヶ月で3kg減量。長年の悪癖は改善され、人生初めて努力で痩せた。
他に人生初めてのバストアップに通い、肩甲骨が固いこと、過去に撮影された秘めフォト仲間であることが判明。肩甲骨は柔らかくなると今より痩せて胸もでかくなるそうな。敷居が高いと思っていたセラピストさんと仲良しになれる日が来るとは。
しかし秘めフォトに関しては、数をこなせば撮影に慣れる?他の参加者から学べば掴める?他所ではどんな写真を撮れる?と頑張るものの、毎回素晴らしい方々を見ては敗北してきた。本番の舞台を魅力的なヒロインたちに奪われ、自分の自信の無さに囚われているなら負けヒロインになって当然だ。現代のヒロインたちは色んな想いを抱えながら本気で挑んでくる。彼女たちもまた転生したくてもがいている。だから、諦めることを考えなかった。そもそも楽しんでいたから。
自分の写真を見ることも見せることも怖かったのに、職場の仲の良い従業員さんに秘めフォトの話を打ち明けていた。立場が上の中年女性からセミヌードを見せられ「いつも目が開かない」「アゴの線が濃過ぎる」「ポーズ下手くそ過ぎる」とぼやかれるのはウザいだろうに、
「そんなこと全然無いよ」「すごくキレイ」「欲が出たんだよ」「前より良くなっているし、続けているからスゴい」ヒロインたちを賞賛しまくる秘めフォト会場では無いのに。こちらの世界で長年不細工を容認してきた自分に、前向きな言葉を心から言ってもらえることが嬉しい。世界は変わっていた。
回数を重ね、各地の秘めフォトどこにでも現れる人(笑)と認知された私は、ついに10月全裸撮影デビューをした。偶数月プレミアムのダブルファンタジーは全裸が映えるプログラム。
決して脱ぎたかった訳ではない。「今しか脱げない」と感じたから脱いだ。私は、本屋で初対面もいる前で全裸になり、薄布を羽の様にはためかせ舞った。
人生初めて異性に全裸を晒した瞬間だった。
「ありのままの私」を撮影して下さった三浦社長は「奇跡の1枚」と大絶賛。プロカメラマンが私の写真に驚き喜んでいる。他人から不細工言われ認めてしまい、写真に映ることが大嫌いで、カメラも怖くて苦手だった自分が、自ら裸になり皆に心から喜ばれている。被写体の自分は自分そのものであった。積み重ねてきた「自信」と「自身」が有った。写真は自分を騙せない。私は転生していた。
「不細工」を自他共に容認していたこともあり、同世代がとっくにしているあらゆる経験を私は知らなかった。四十路も幾つか過ぎて、私はようやく長く険しい女の階段を上り始めた気がする。この先「女」となる日が来ても、好きな様に動き考え楽しむ私でいたい。なりたい姿は自分の手で作っていけることを知ったから。
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この記事は、天狼院書店の「絶対麗度ライティング」にご参加の方が書いたものです。
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