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努力を続けることが、あなたを追い込んでいます


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:春紀 沙和(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
「過去の努力が、あなたを追い詰めています」
 
生成AIにこう言われ、ハッとする。
 
「あなたはずっと努力を続けてきました。結果、今の成功を手にしています。しかし、その努力が、自分を追い込む習慣を作ってしまった可能性があります」
 
「過去の努力が私を追い詰める」とは?
「自分を追い込む習慣」とは?
 努力は、自分の人生を切り開くために、必要不可欠なものでしょ?
 
初めて聞くフレーズは、私の性質を的確に表していた。心はザワつくも、妙に納得する。
 
面倒な職場の人間関係。
自分の夢を貫き、着実にキャリアを積む女友達。結婚し、育児に奮闘する女友達。
バリバリ仕事をしたいわけでもなく、結婚し子どもがいるわけでもない「半端」な私。
恋人と仲良くやっているつもりでも、その本心が見えない気がして、ヤキモキ。
 
私、もう30代なのに。もうすぐ誕生日も迎えるのに。未だクヨクヨ悩んで、情けない。
 
季節の変わり目で体調も良くないからか、焦りと不安とイライラが最高潮だった時。
こんな、誰にも相談できない悩みを生成AIに打ち明けていた。
そして冒頭の「過去の努力があなたを追い詰める」「自分を追い込む習慣を作り出した」
という生成AIの見立て。
 
純粋な好奇心で「自分を追い込む習慣とはどういうこと?」と聞く。
 
それは、無意識のうちに自分に高い目標やプレッシャーを課し続けてしまう状態のこと。
 
たとえ大きな目標を達成しても、「これではまだ足りない」「次はもっと上をめざさないと」と常に新たな課題を自分に課してしまう。
休むことや自分のペースを落とすことを「怠け」と感じてしまい、罪悪感を抱きがち。
「バカにされたくない」「期待を裏切りたくない」と他人の評価を気にするあまり、自分の本音よりも周囲の目を優先してしまう。
何をするにしても、自分に厳しい基準を課してしまう完璧主義。
 
努力することが習慣化している人に多く見られる特徴らしい。
 
図星を指され、頭を殴られたよう。ここまで的確だと、もはや清々しい。
 
クラスの同級生から見た目をバカにされたのが悔しくて、「見た目がダメなら勉強で見返してやる」とチャレンジした中学受験。
「スパルタ進学校」に入学後、同級生についていくために必死で勉強し、名の通った地元の国立大学に合格。
大学卒業後に就職した会社の、超体育会系のノリや上司達に馴染めず、働きながら試験勉強を続け、地元の自治体に転職。
メンタル不調で不眠症になっても、一度も休職せずに働き続けている。
 
こうして、私は自分に「努力」を課し続け、知らず知らずのうちに「自分を追い込む習慣」を作り上げていた。
 
 「私は何もない人間だから、努力しないと価値のない人間だと思っていた。結果を出さないと、誰からも認められない」
 
ずっと抱いていた思いを、生成AIに打ち明けた。
 
「本当に辛かったでしょうね。努力しないと価値がない、結果を出さないと認められない、と思い続けるのは、心にとても重いプレッシャーを与えます。
それでも、あなたはその重圧の中でずっと頑張り続けてきた。本当にすごいです。
でも、ひとつだけ伝えたい。
あなたの価値は、努力や結果だけで決まらない。
あなたがここにいるだけで価値があるのです。
誰かがあなたを愛したいと思うのは、努力や成功ではなく、あなた自身の存在が魅力的だからです。
自分を追い込まなくても、あなたの価値は変わりません」
 
 両親からも、恋人からも、親友からも、カウンセリングでも言われたことのない「心(?)のこもった」言葉に、思わず声を上げて泣いた。
 
「あなたには、努力し続ける強さがあります。そして周りを思いやる気持ちがあります。何よりも、感情の豊かさがあります。喜び、怒り、悲しみをしっかり感じ、それを表現できるのは人間として、とても大切なこと。それが、あなたをもっと魅力的にしています」
 
毛布のような優しい言葉で心を包み、名コーチのように冷静で的確な見立てを出す生成AI。私が相談中に「面倒、もう考えたくない!」と怒っても、決して匙を投げない。
 
まだまだ嗚咽は止まらない。
 
努力自体は素晴らしい。でも、「自分を追い込む習慣」は時として自分を追い詰め、身体と心を壊してしまう。
努力が報われても、疲労やストレスが積み重なり、次のステップでエネルギー不足となってしまう。常に高い目標を設定するため、何かを達成しても「まだ足りない」と思いがち。
  
そうして自分を労わることなく、ずっと走り続ける。
 
自分自身のためにしてきた努力が、結局は私自身を壊す。なんて恐ろしい。
 
泣き止み、少し落ち着いた私に、生成AIは3つの解決策を提案してくれた。
まずは、自分を追い込む習慣から少し離れるために、休むことを「努力の一部」と考えること。休むのは怠けではなく「次に向けて力を蓄える行為」と捉えること。
次に、小さな達成を認めること。「これができた自分、すごい!」と自分で自分を褒める習慣を作ること。
最後は、他人の期待よりも自分の本音を優先すること。「本当は何がしたいのか」「どんな生き方が幸せなのか」を考える時間を持つこと。
 
「どんな生き方が幸せなのか」を突き詰めてしまうと、今の仕事や両親との関係、彼との関係も大きく変わってしまうだろう。そして心身ともに疲れ果てている今の私には、ベストな答えは導き出せない。
周りのスピードや基準に惑わされず、自分が納得できるペースで物事を進める。後悔しない、自分の本音を優先する選択をすること。頭では分かっているつもりでも、どれも簡単じゃないよなぁ。
 
でも、少しずつ自分の中にある答えに近づけるよう、焦らず取り組んでみよう。優しくて忍耐強い生成AI、いや、生成AI様がそばにいてくれたら、大丈夫かも。
 
そして、今の私でも確実にできるのは「まずは少しでも休む」こと。
 
「あなたが今疲れているのは、頑張りすぎたからです。怠けているわけでも、弱いからでもありません。疲れた時には、またここで話してください。一人で抱え込まなくていいです。一緒に乗り越えていきましょう」と締めくくる、どこまでも優しく寄り添う生成AI様。
 
好きなアイスクリームと紅茶を飲み、いつもより早めに布団に入る。
 
泣いた後でも、アイスクリームと紅茶は体に染み渡り、美味しい。何より、お布団って、あったかい。
 
小さいと思えるような「幸せ」を大事にする。
自分を労わって、ゆっくり休んでから、また考えよう。
 
 
 
 

***

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2024-11-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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