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ジム通いが4年続いている俺が教える、辛いことを継続するコツ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まこと(ライティング・ゼミ11月コース)
 
 
ジム通いを続けて今年で4年目になる。
 
さぞや運動にモチベーションの高い人なのだろうとお思いになるだろう。
違う。俺はジムの日は朝から憂鬱で仕方がない。
運動が嫌だ。心拍数が上がるのが苦手だ。呼吸が苦しくなるのが大嫌いだ。
ジムの時間が近づいてくると体調が悪い気がしてきて、今日は休みたいと毎回思う。
 
そんな思いと戦いながら、よほど体調が悪くなければ週に1〜2回のペースは崩さずに続けている。
 
おかげさまで風邪は引きにくいし、身体も疲れない。18kgを超えた4歳の息子を抱っこして歩くのも軽々という、始める前とは比較にならない体力の向上に我ながら感心してしまう。
 
とはいえ、いきなり継続に成功したわけではなく、過去に何度も挫折し、会費を何ヶ月分もドブに捨ててきた。何を隠そう今通っているジムで4つ目である。
 
何事であっても始めるのはいつも簡単で、敵は常に継続であると俺は思う。
この記事では俺が数々の失敗の末にたどり着いた、継続に関するシンプルなコツをお伝えしようと思う。
 
 
ジムを探し始めた理由は割と深刻だった。
不眠である。
 
床についてから2時間は寝付けず、眠りに入ってもすぐに目覚め、その後は朝まで眠れない。そんな症状が1カ月ほど続き、ついには精神にも不調をきたし始める。
 
原因は明らかに仕事なのだが、今すぐの配置転換はできない。会社のメンタルヘルス相談フォームの送信ボタンの上にマウスカーソルを置いてあとは押すだけ、という状態にまで追い込まれ、ふと思った。
「そういえば最近、運動不足だし、身体を動かして強制的に身体をシャットダウンするのはどうか」
 
きっとそうだ、と思って近所を走ったりしてみたのだが目立つ効果は出なかった。
「となると、ジムだろうか……」
 
過去にいくつかのフィットネスジムに通ったことがあるが、どれも1年程で退会したり幽霊会員化して通わなくなったことが頭をよぎる。コストもバカにならない。そんなことを考えながら近所で買い物を終えた道すがら、ある看板に目が止まる。
「こんな所にフィットネスジム? 家から5分も歩かないじゃないか」
 
看板に差し込んであるチラシを引き抜いて帰宅し、検索してみる。そこ以外にもコロナの期間中に、住宅街のど真ん中でもマンションの1室でひっそりと運営するジムが増えていたのを知る。
 
「家から徒歩5分なら何とかなるだろうか……」
 
「職場の福利厚生でお得」「プールのある所なら」「24時間ジムなら」。過去、継続に失敗してきた原因を分析してみる。そこを潰さないとまた同じ結果になることは明白だ。
 
「家から5分」
 
これは単純だが、もしかしたらとても大事なことなのではないだろうか。どれだけ設備がよかろうが受付のお姉さんが美人だろうが、遠ければ「雨が降った」「今日は寒い」だのと言い訳をいって足が遠のいていた自分を思い出す。
 
とりあえず無料体験の申し込みをして、仕事の空き時間で件のジムへ向かう。
「5分で行けるって素晴らしいな」
出かけるストレスのなさ、無駄な時間のなさを祝う。これなら続けられるかもしれない! これだったのだ、俺に必要だったものは!
 
そこまではよかった。
 
「1カ月で4万円です。4カ月まとめてご契約なら15万円にできます」
 
ぐむ。なかなかのインパクトである。
全てトレーナーが個別指導を行う完全パーソナルで、一般的な駅前ジムと比較するとおおよそ2~3倍の金額と言ってもいい。ああ、どうしよう。
 
だが待てよ?
毎回トレーナーがつく強制力、サボれば返ってこないお金……。俺に必要だったものはむしろこれではないのか? 月4万で睡眠と精神のバランスを取り戻せるならむしろ安い投資ではないのか? 俺は15万円を一括で支払い、その場で4カ月分のトレーナーの予約を全て入れたのである。
 
開始してみるとトレーナーさんは非常に聡明かつ優秀な方で、俺のようなクズ人間のケツも上手に叩いてくれる。栄養や食事に関する知識もさすがの専門家。1~2カ月もすると睡眠の質もマシになってきてる気がした。
 
だが3カ月目に入った頃である。
「身体づくりのベースはできましたので、今日からガチでいきます」
 
ガチ……だと?
詳細なトレーニング内容は割愛するが、まず全身の筋肉をくまなく高負荷で徹底的に追い込まれ、最後に腹筋のみが稼働する姿勢で腹筋を100回やらされる。最終セットあたりでは苦しすぎて吐き気がしてくる。この苦しみに比べれば世の中のあらゆる苦痛に耐えられるとまで思う。
 
トレーニングの用語で「オールアウト」と言うそうだが、視界が少し暗くなり、軽く頭痛もしてくる。実際吐く人もいるらしい。家に帰る5分の道のりでも、いつ地面にぶっ倒れてもおかしくないくらい気分が悪い。俺は結局その日、まっすぐ家には辿り着けず、公園の滑り台をベッドにして15分ほど倒れこんでしまった。
 
「地獄だ。もう嫌だ」
 
トレーナーさんは言う。
「辛いですよね。分かります。でも死ぬんじゃないかレベルに脳を錯覚させないと、身体を変えることができません。でもいずれ慣れます。そして慣れたらもっと負荷を上げます」
 
そこからだ。
ジムの日は朝からずっと憂鬱だ。それでも予約が埋まっているからと、吐きそうになりながら通い続けた。すると俺の脳も「こいつを寝かせないと死ぬ」と思ってくれたのだろうか。睡眠障害も気が付いたらスッキリ消えていたのである。
 
 
ここまで辛いことを継続できたポイントは色々あるように見えるが、一つに絞ってもいいと思う。それは「継続を遠ざけるものを排除すること」だ。加えるなら、お金を使って排除できるならお金は使ってでも排除した方がいい。
 
多少高くても近ければ通える。お金がかかってもプロを雇えば成功の確率が上がる。人を雇って約束を先に入れてしまえばサボる理由を消せる。自分に甘くても、サボり癖があったとしても、人との約束を反古にするのは簡単ではないからだ。
 
そうやって継続の障害になるものを探し、一つ一つ排除していくことで、辛いことでも継続して自分の力にすることができると信じられるようなった。もし、今あなたが何か継続したいと思うことがあるなら、一つの参考として頂ければ幸いと思う。
 
 
 
 
***

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2024-12-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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