メディアグランプリ

1億マニア時代だからこそ輝くライブ

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

職場で誰とも趣味が合わない。
そういう悩みを抱えている人は多いのではないだろうか。
私もその一人だ。ものすごく追っかけているアーティストがいるが、ほとんど知っている人はいない。
 
そのグループの名は「Sound Horizon」
幻想物語組曲を掲げミュージカルだかアニソンだかわからない楽曲を歌っている。
もしかしたら代表作の『進撃の巨人』アニメOP『紅蓮の弓矢』を出せばピンと来る人もいるかもしれない。
ただ本作も10年以上前になるので知名度はそんなにないと思う。
 
実際いろいろな場所で彼らについて紹介しているのだが、知っている人は20人に1人くらいである。
そのため普段は話せる人がほとんどいない。
もちろん「2万円」という凄い値段で売り出したコンサートが、1万人動員する会場で2日間ソールドアウトするくらいなので、SNS上には多くのファンがいる。
しかし、できれば現実世界にいる人達と会話したい。
そのためK-POPなどみんなが知っているコンテンツにハマっている人を羨ましいと思っていた。
 
だが改めて考えてみると現代で「趣味が合う人がいない」という悩みを抱えていない人はいないのではないだろうか。
例えばK-POP好きだとする。
この括りで言えばメジャーなジャンルだ。
 
とはいえ中には様々なアーティストがいるわけである。
「Stray Kids」、「少女時代」、「KARA」など。
つまりK-POPファンも当然、その中の誰かが好きなのだろう。
 
そして、この特定のグループに話を絞るとどうなるか。
実は「Sound Horizon」とさほど変わらない程度の知名度ではないだろうか。
そうなると、彼らも内心では「K-POPじゃなくてStray Kidsの話がしたいのに……」とモヤモヤしているのかもしれない。
 
いやK-POPだけではない。
YouTubeにまで話を広げたら余計ややこしくなる。
あれだけチャンネルの数が多いと、もはや被る方が奇跡ではないか。
そうなると、コンテンツが溢れかえっている現代は、1億マニア時代と言っていいだろう。
 
これは、ある意味で全人類が孤独を抱えていることを示すのかもしれない。
根っこの部分で共通する話題が不足しているからだ。
かつてのSMAPや嵐など、国民のほとんどが名前を知っている有名人ならば、職場内にもある程度ディープな方もいたことだろう。
しかし、そういった絶対的なスーパースターがいなくなってしまった今、趣味の話題はどうしても表面的な浅い部分に限った範囲になってしまう。
 
ビジネスなど雑談レベルでは、それで十分だろう。
しかし自分の根っこに近い話ができるのは、やはり深く潜ったところにある領域だ。
そして誰もがその話し相手になるディープなファンを求めているが、見つからないと嘆いている。
SNSで交流すればいいという見方もあるが、やはり対面だからこそ伝えられる熱さもあるから、その意味では消化不良となってしまう。
つまりコンテンツが多くなりすぎて誰もがマニアになってしまった今、趣味はそういう浅い存在になりつつある。
 
だからこそ、ライブの価値が非常に高まっているのだ。
なぜ2万円もするチケットを2日分買ったのか。
彼らのパフォーマンスが圧倒的で、それ以上の価値があるのも当然の要因だ。
 
しかし、それ以上に尊いのだ。
普段の環境ではマイナーな「Sound Horizon」を心から愛しているファンが1万人以上いるこの空間が。
「ハロウィンパーティー」という名目に従い、ファン同士でお菓子を交換しながらマニアックな話をする時間が。
 
そして実感するのだ。
SNSでの無機質なデータではない本当の愛を。
これこそ誰もがマニアという悩みを抱えた現代において、最も贅沢な空間と言えよう。
 
現代は好きがあまりにも多様化しすぎている。
音楽ジャンルだけでもK-POP、アニソン、ロックなどたくさんあり、更に範囲を広げたらYouTubeなど広大すぎる空間となる。
こうなるとテレビ番組のような共通言語となる存在は今後、出にくいだろう。
 
逆に言えば「同じ物を愛している」ことの価値も凄まじく上昇している。
それくらい出会うことが奇跡なのだから。
 
そしてライブほど、これを実現する場はない。
普段はカラオケで周りからポカンとされるような曲も、ここでは全員が大熱狂するスーパーコンテンツなのだ。
 
この普段は抑えていた愛を全力で叫ぶ興奮は、体感しなければわからない。
だからこそ、私はライブへ行くのである。
 
あなたも一歩踏み出してみては?

 
 
 
 
***
 
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2024-12-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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