進路変更は、いつが最適? 次男と私が選んだ道
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記事:みやび♪(ライティング・ゼミ 9月コース)
「大学に、野球では行かへん」
次男からの1本の電話は、まるで12年間続いた物語の突然の打ち切り、を知らせるものだった。
この意思表明は、私にとって、晴天のヘキレキというのに充分すぎるものだった。
なぜなら、てっきり大学も、野球で進学をすると思っていたからだ。
彼は、小学校一年生から野球をやっている。
小学校のときは、軟式少年野球チーム。
中学は公式のボーイズリーグチームに。
そして高校は、自らの意思で、スポーツコース(野球部)のある島根県の私立高校で寮生活を選んだ。
そして、今、次男は高校3年生だ。
甲子園出場経験のある高校に進学し、甲子園という舞台に立つことだけを日々の目標としてきた高校生活のはずだった。
彼は、この12年間のそのほとんどをキャッチャーとして過ごしてきた。
土日祝日、そして長期休暇そのすべてが野球とともにあった。
そんな高校球児は、休みの日の野球以外の過ごし方を知らない。
それほどまでに打ち込んできた野球。
進路を決めるにあたり、次男のその決断を聞き、私は一週間ほど落ち込んだ。
そして、泣いた。
大学からのオファーはなかったものの、野球で進める道を、監督から示されていた。
正直、彼の決断に理解ができなかった。
高校野球部では多くの選手が故障をする中、一度も故障がなかった次男。
けれど、134人の部員の中から最後はレギュラーから外れた。
そして、大学野球部からのスカウトはなかった。
また、大学4年間野球をした場合のその後(卒業後)が、想像ができなかったようだ。
次男は、こうして自分の野球の実力と将来について、自分なりに真剣に考え結論をだしたようだ。
体を動かすことは好きだから、大学に入ったら、いろんなスポーツがしてみたいんだ、と言った。
せっかく出来上がった体を生かしてくれそうで、それが唯一救われたようでうれしかった。
そして、私の心も頭も冷静になったころ、同じように私も進路変更をしていたことに気づいて、ハッとした。
実は私は、3歳からピアノを習い、音楽系大学を卒業している。
ところが、社会に出てから人生の進路変更をし、親の仕事とも全く関係のない建築の世界に入った。
多くの人からは、そのふり幅が大きいので驚かれる。
私にとって、進路変更を決めるのは、大きな決断だった。
長年やってきた音楽との決別。
音楽を捨てるかのような後ろめたさも大きかった。
当時、私は何も思わなかったけれども、その時の母親の気持ちはいかばかりだったのだろうか。
その時のことを私は一度も聞いたことはない。
母は逝ってしまい、聞くことはできないけれど、かなりショックだったに違いない。
そして、今度は私の番。
親子だからこそ、似た決断を繰り返すのかもしれない。
私も次男も、プレイヤーとしての自分の実力を知ってのこと。
もしかしたら、うぬぼれない分、大きな痛手を負わずに済むのかもしれない。
とでも思うことにしておこう。
さて、そんな次男は今、大学受験の真っ最中である。
どんな結果になるだろうか。
どんな結果になろうとも、自分を信じ、自分のやりたいことを追い続けてほしい。
先日、次男は、いろんなことがしたい、と目を輝かせて言った。
もっと使いやすいグローブを作りたい、などいろんなことを経営者となってやってみたいようだ。
今はとり留めもない感じもするが、どれも聞いていて、私は夢を感じる。
恥ずかしながら、今では、私のショックはどこへやら、である。
私は、次男を全力で応援する。
進路というと、学校にいるときによく耳にすることばであるけれど、人生の進路変更と聞くと、なんだか重大な感じがする。
確かに、どの場面(学生を含む)での進路変更も大変だが、いつからだって変更すればいい。
大丈夫だ、と私は大きな声で言いたい。
次男の進路変更では、自分のことを棚に上げて、オロオロしてしまった私だったけれど、なんてことはない。
大切なのは、本人の心である。
本人が、しっかり納得できているなら、親は見守るだけでいい。
それを思い出せてよかった。
私が人生の進路変更をして、全く知らない未知の業界に入り、独立して今年で26年。
今、進路変更をして本当によかった、と心から感じている。
天職だ、とすら言えるくらいだ。
もし、今の人生が自分の思うものと違う、と感じているならば、進路変更をすればいいよ、と言う。
いくつからでも、誰でも、遅くはない。
若いうちに実行する方がいい。
今日が、一番若いのだから。
社会に出てからの進路変更も含めて、どんな人にも進路変更はオススメだ。
何ができるわけでもないけれど、私はエールを送る。
敷かれたレールに乗るのもいいが、やりたいことがあるなら、やればいい。
やりたいことがない方がザンネンだ。
やってダメだったら、やり直せばいい。
人生は1度きり。
自分の人生を生きてみよう。
私もまた、今まで温めてきた新しいことに挑戦してみる。
今度は、もっと多くの人をしあわせにできるだろうことをやってみる予定。
長男と次男を応援しながら。
***
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