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先延ばしを味方にする


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記事:服部達哉(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

 「〇〇を始めよう。明日から」
 新しいことを始める時、なぜかキリの良い日から始めようとする。これは何かを始めるのにふさわしい節目を利用する方法で、「フレッシュスタート効果」というらしく、継続や取り掛かりを促す効果があるらしい。新年や誕生日が節目としてはもっともキリが良いが、1年に1回しかない。その他の節目は月初めや週初めだ。
 やりたくないことに取り組む際にも、節目を利用することがある。「年末に大掃除をする!」と、自分にも周囲にも宣言したりすることだ。しかし、この方法にはずっと疑問があった。他人が言っているのを聞くと、「すぐやればいいのに」、と思う。自分のこととなると節目を利用したとして特に上手くいった実感がない。
 キリの良い日から始める、ということはその日までは始めない、ということでもある。これはもう先延ばしの一種ではないだろうか? 一方で、思い立ったらすぐ行動した結果、計画不足で失敗になることも多い。
 新しいこと、やりたくないことをいつ・どのように始めるのが先延ばしを避けつつ、新しいことを効果的に習慣化できるのだろう?
 節目やキリの良い日というのは、「リセット」の機会でもある。過去の失敗・挫折をリセットし、「今日からの自分は違うぞ!」と思いこみ、この心理的効果がフレッシュスタート効果そのものだ。しかし、キリの良い日を待つ間は行動を先延ばしにしてしまうことにもなる。その時が来るまで、何もしない自分を正当化できてしてしまう。例えば、ダイエットの場合、節目までの時間にさらに体重が増えてしまうことになるかもしれない。また、結局、始めること自体を思いとどまり、止めてしまうかもしれない。
 新しいことを始めようというポジティブな意志がある一方で、キリの良い日・節目の日まで先延ばししてしまうのは
1. 恐怖と不安
新しいことを始めるには、不確実性・失敗のリスクがつきものだ。その不安が、行動を先延ばしさせてしまう原因になる。
 
2. 現状維持の快適さ
人間、現状維持が最もエネルギーを使わず、楽だ。新しい習慣には新しいエネルギーが必要だと思うと、ついつい先延ばししてしまう。
 
3. 自己正当化
「明日からやる」「次の月曜日から始める」という言葉は、自分自身に対する言い訳だ。「来月からやる」と決めることは、今は何もしないことを正当化するのと同じことだ。
 
 一方で、「思い立ったが吉日」という言葉もある。この言葉にしたがってすぐ始めたとしても、上手くいくとはいかない。「運動を始めよう」と意気込んでジムに入会しても、いつでも行けると思ってしまい、結果として足が遠のいてしまう。
 「明日からやる」宣言自体が先延ばし。「明日」というのは意外と曖昧で、毎日「明日からやる」と言い続け、結局行動しないこともある。
 「すぐに始める」か「キリの良い日を待つ」かの二択ではない、他の戦略が自分には必要だ。この2つのいいとこ取りをするのだ。
1. 小さく始める
「今すぐできる小さな行動」を探し、始めてしまう。例えば、「運動を始める」なら、いきなりジムに入会するのではなく、1日5分だけストレッチをしてみる、必ず階段を使うようにしてみる、などだ。行動が小さくささいなことほど、心理的な負担が軽くなる。
2. 毎日を節目に
フレッシュスタート効果を新年や月初だけにせず、「毎日を新しいスタート」、「毎日リセットボタンを押せる」と捉える。「今日できなかったから明日やろう」、ではなく「昨日できなかったから今日やろう」と考える。
3. 先延ばしは準備期間
先延ばしを計画的に活用する。たとえば、「1週間後にダイエットを始める」と決めた場合、その間にダイエットに必要な情報・道具・物を用意する時間にし、ダイエット開始をスムーズにする。
 自分自身、先延ばしやキリの良い日ばかり設定してしまい悩ましい。新年からやることリストは作らないことにしている。しかし、やりたいことはたくさんある。あるとき「何でもない今日を節目にしたって良い」と思ったことがあった。それは、ダイエットを始めたときだ。テレビで見た、簡単に実行できそうな方法を次の日から取り入れてみると、無理なく続けることができ、体重を減らすことができた。体重が減り始めると、目に見えた成功体験となり、取り入れた方法を習慣化することができた。
 新しい習慣を始める最適なタイミングは、「キリの良い日」でも「今すぐ」でもない。それは、先延ばしを計画的に活用しつつ、毎日リセットできるという考え方を取り入れることだ。「今すぐ」できることを「キリの良い日」まで積み上げられれば、自然と続けられているということだ。

 
 
 
 
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2024-12-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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