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年間200冊読んで気付いた凄くない読書

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:村人F(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 
「あれ、1年間で200冊くらい読んでるなあ……」
本屋で行われたアナログゲーム会で数えてみたが、自分でもビックリする数になって驚いた。
 
プレイしたのは、お題に沿った数字をみんなで書き、見ないで大きい順に並べるというゲームである。
例えば「何歳が一番楽しかった?」というテーマだとしたら、各々が20や14と書き裏返して場に出す。
その後、皆で話し合いながら順番通りになるようにするゲームだ。
単純なルールだが、お互いの意外な価値観がわかるので自己紹介にちょうどいいゲームである。
 
そこで出たお題「今年読んだ本は何冊?」と聞かれ改めて計算した結果が200冊である。
正直、想像の遥か上を行く数字だった。
 
理由はルールにもある。
今回は「数字が大きい方が盛り上がる」というゲームマスターの判断により、本の定義が広くなったのだ。
いわゆる文字だけの本はもちろん、マンガだろうが雑誌だろうが「本」と呼ばれる形をしているなら何でもOKという状況だったのだ。
 
すると毎週読んでいる『少年ジャンプ』、ゲーム雑誌『ファミ通』、『週刊文春』の全てが1冊になる。
よって、これだけで150冊になってしまうのだ。
それに小説やらマンガやら色々と足していった結果が年間200冊という数字である。
正直、自分でもこんな大きい数になるとは思っていなかったので驚いた。
 
しかしもっと衝撃的だったのは、他プレイヤーの数である。
なんと小さい順に並べた結果「5、25、30」という数字になっていたのだ。
緩めのルールにしてカウントしてこれである。
しかもアナログゲーム会とはいえ「本屋」に来る人達の結果だ。
「みんな本を読まなくなった」とはよく聞くが、実際に数字で身近に感じるとビックリしてしまった。
 
そして周りの人たちも私に言うわけだ。
「200冊って凄く読んでるねぇ」と。
そう褒められるとちょっとした偉人気分になれるので、これはこれで気分がいい。
 
ただ実感としては「そんな凄いことじゃないんだけどなあ」というのが正直な気持ちである。
『ファミ通』と『週刊文春』は真面目に読むのは4ページくらいで後は全て流し見であり、マンガや小説も単なる暇つぶし感覚である。
そのため高尚なことをしているなんて全く思っていない。
 
しかし普通は読めないようだ。
その原因を考えて1つ見えたことがある。
 
「本を読むのは凄い」と思っているから読めないのではないか。
なぜなら「凄い」には「私にはできない」という意味も込められているからである。
 
実際、ゲーム中の反応もそうだった。
周りの方々は私に対して頑張ったねと褒めてくれる。
だが逆に言えば「絶対に無理だな」みたいな他人事としての感覚もそこにはある。
そして、そういう思いが積み重なると、余計に本が遠のくわけだ。
マンガだろうが雑誌だろうが、何かを読むことは凄いことだから。
自分にはできないと。
それはそれで寂しい状況だと思う。
 
ただ潜在的に「本を読んだ方がいい」と皆が思っていることも確かだ。
そうでなければコンプレックスにならないからである。
この解決はどのようにするべきなのか。
 
そこで考えたのは「本を読むのは凄い」という感覚をなくすことである。
要は「凄い」と思うから自分にはできないように見えるのだ。
だから「凄くない」読書から始めるのが、よい方法だと思う。
 
つまり楽天マガジンなどの雑誌サブスクで、趣味に関連する雑誌を1冊選び、全ページ流し見する。
この程度の雑な読み方から始めればいいのである。
 
こんなんで読書と言えるのかと思われるかもしれないが、結構情報が入ってくるものである。
パラパラめくっていても気になる事が書いてあるページは目に止まるわけで、そういうタイミングで読んでみるだけでも面白いのだ。
このくらいならYouTubeのショート動画を見る感覚でも出来るだろう。
 
そして、こういう凄くない読書でも、数をこなせば山となる。
週刊誌を毎週眺めるだけでも年間50冊なのだから。
この積み重ねを続けていけば「私も結構凄い!」と自信になり、他の本へも手を伸ばせることだろう。
するとだんだん、本を読むことは凄くなくなる。
ここまで来たらあなたも立派な読書家である。
 
つまり読書も日常の一部なのだ。
単に暇つぶしの選択肢に本が入っているから読んでいるわけである。
そう考えるとSNSを眺めているのと、大きな違いはない。
 
ただ本からしか得られない栄養分があることもまた事実だ。
動画からは得られない感覚も、中々の刺激になる。
その入口として、パラっと眺める凄くない読書を初めてみてはいかがだろうか。
 
凄くないことを積み重ねて生まれた凄い結果も、人生をいい感じに耕してくれることだろう。
 
 
 
 
***

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2024-12-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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