年始の一歩が未来を変える
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:内山遼太(ライティング・ゼミ年末集中コース)
「新しい年を迎えた今、あなたはどんな目標を思い描いていますか?」
その目標は、あなたの未来をどう変えるでしょうか。年始は、これからの一年をどのように過ごすかを決める最初の一歩です。1月1日の行動が、あなたの未来を大きく左右するかもしれません。そんな可能性を信じて、新しい挑戦に踏み出す人がいます。デイサービスで働く内山もその一人でした。
1月1日、まだ夜の冷たさが残る早朝。内山はいつもより早く目を覚ました。街は静けさに包まれ、遠くから微かに聞こえる初詣帰りの人々の声が耳に届く。窓の外に目をやると、白く薄明るい空が広がっている。新しい年の始まりだ。この静かな空気の中で、彼は小さく息を吐き、自室の机に向かった。
手元には、昨夜用意しておいたノートがある。開いた最初のページには大きな文字でこう記してあった。「デイサービスでAIを活用し、売り上げを120%アップさせる」その目標を見つめるたびに、内山の胸にはある感情が蘇る。それは、昨年感じた悔しさだ。
内山がAIに興味を持ち始めたのは、昨年の春だった。予約管理や利用者の体調記録、スタッフのシフト調整など、デイサービスの業務には細かい手間が多い。それを解消するためにAIを活用できないかと考えたのがきっかけだった。内山はAIツールを試験的に導入し、職場でその効果をアピールしようとした。しかし、現実は甘くなかった。
「これ、本当に私たちに使えるんですか?」
「手作業のほうが確実だし、慣れるまで余計に大変だよ」
同僚たちの反応は冷ややかで、AI導入の必要性を説いてもほとんど賛同は得られなかった。さらに、初めての実践では小さなミスが続き、期待した効果を十分に発揮できなかった。上司からも「便利なのは分かるけど、結果が見えないとね」と言われ、提案は棚上げされた。内山は、悔しさと無力感を抱えながらも、自分の準備不足を痛感していた。
「今年こそ、結果を出してみせる」その誓いが、今の内山を突き動かしていた。
ノートの1ページ目に書いた目標を眺めた後、内山は次のページに行動計画を書き出し始めた。「大きな目標を達成するためには、小さなステップを積み重ねるしかない」昨年の失敗を教訓に、目標を具体的な行動に落とし込むことを意識した。
「1月:AIツールの基本操作をマスターする」
「2月:職場での試験運用を拡大する」
「3月:新規利用者を増やす計画を提案する」
こうして月ごとに目標を設定し、さらにそれを日々のタスクに分解した。「毎朝30分、AIに関する学習をする」「週に1回、業界でのAI活用事例を調べる」「月に1回、職場で運用テストを実施する」内山は自分にできる現実的なステップを丁寧に書き出し、それを手帳に転記した。
午後、家族と一緒に近所の神社へ初詣に出かけた。賑わう境内でおみくじを引いた。「小吉」と書かれた紙が出てきた。少し笑いながらも、内山はその内容に目を通した。「努力を続ければ報われる」といった文言が記されており、彼は心の中で静かに頷いた。「運勢は関係ない。自分次第で未来を変えられる」新年の冷たい風を受けながら、内山は改めて今年の目標を心に刻んだ。
帰宅後、再び机に向かった内山は、新たに導入を予定している予約管理システムの解説動画を開き、操作を試し始めた。動画の中で説明される手順を一つ一つ確認しながら、実際に手を動かしていく。利用者の予約状況を自動で最適化する機能や、入力ミスを防ぐ仕組みを試していくたびに、「これなら現場で使える」という確信が強まった。
「でも、便利だと分かっても、みんなが納得してくれるかは別問題だな」彼はふと手を止め、昨年の光景を思い出した。同僚たちの不安を払拭し、彼らにとってのメリットを具体的に伝えるにはどうすればいいか。考えた末、内山は「身近な問題を解決する具体例を示そう」と決めた。
たとえば、繁忙期に多発する予約変更作業を挙げ、その作業がAIを使えばどれだけ効率化されるかを数字で示す。「これならスタッフ一人あたりの作業時間が15分短縮できます」と説明すれば、説得力があるだろう。さらに、利用者の体調管理データを自動で集計し、スタッフ間で共有する機能についてもデモンストレーションを計画した。
資料作成に取り掛かりながら、内山は少しずつ自信を取り戻していくのを感じていた。「まずは小さな成果を出して、それを積み重ねていこう」昨年の失敗が彼の中で糧となり、確かなエネルギーに変わっていくのを感じた。
新年初日の夜が更けていく中、内山はパソコンを閉じ、手帳を見直した。1月の目標「AIツールを完全にマスターする」の文字が、現実的な挑戦として目の前に広がっている。「やるべきことが見えると、不安よりも希望が勝るな」静かにそう呟いた後、窓の外に目を向けた。星が冷たい空に輝いている。これから先の未来を思い描くように、内山はその光を見つめた。
「今年がすべての始まりだ。絶対に結果を出してみせる」その言葉を胸に、内山は布団に入った。新年の初日を充実感の中で終えた彼の顔には、確かな決意が浮かんでいた。そして翌朝、彼はまた新しい一歩を踏み出す準備を整えた。2025年という目標に向かって進む旅が、静かに始まったのだ。
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