メディアグランプリ

大学受験を目指す受験生は、がんばらなくていいのです!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:みやび♪(ライティング・ゼミ 9月コース)
 
 
「おかあさん、お昼ご飯は、チャーハンを作ってもいい?」
「いいよ」
 
高校3年生の息子と母である私との何気ない会話。
受験期の緊張感の中でも、穏やかな時間が私たちの日常にあります。
 
息子は、この夏の引退まで、野球にどっぷりの毎日を送ってきました。
部活を引退し、大学進学を目指して寮で一人受験勉強をし、今は退寮して約3年ぶりに実家で生活をしています。
 
彼は、野球大好き少年であると同時に、スイーツ作りが得意な「スイーツ男子」でもあります。
今はスイーツを作る時間はないものの、料理を作るのが息抜きになっているようです。
 
なにせ、息子は赤ちゃんよりも手がかかるのです。
赤ちゃんのミルクは3時間ごとですが、彼は3時間ごとにしっかりしたご飯が必要なのですから……。
 
もっとも、そのうちの2食分くらいは、彼自身が料理を作ってくれるので助かります。
 
一見すると余裕がありそうな息子ですが、実はまだどの大学からも合格通知を受け取っていません。
受験終了まであと1か月。
地元にいなかった彼には、今さら通える塾もありません。
リビングで一人、問題集と向き合っています。
 
受験生の母として、つい心配してしまいます。
息子がYouTubeを見ていると「大丈夫?」と思い、TVerで番組を見ていると「そろそろやめたら?」と言いたくなります。
朝なかなか起きられない彼を見ると「時間がもったいないんじゃない?」と気になる自分がいます。
 
秋ごろには強い意志を持ち、やる気に満ちていた息子。
しかし、第一志望の合格に届かなかったことで、少しトーンダウンしているようにも見えます。
 
それでも、「大学に行きたい」という気持ちは強く伝わってきます。
その分、精神的にしんどいのは本人でしょう。
それを理解しているからこそ、私は普段なら口にする言葉もぐっとこらえて、健康を気遣いながら、見守ることにしました。
美味しいご飯をたくさん作ってあげて、普段通り明るくふるまう――それが私の応援の形です。
 
母「私の分も作ってくれる?」
息子「いいよ~」
母「じゃあ、焼き飯よろしくね~」
息子「おかあさん、焼き飯とチャーハンは違うんだよ」
母「あらま、失礼しました。チャーハンを作ってくれるのね」
 
昼食時のこんなやりとりに、私はいやされています。
声のトーンで、彼のその時の状態を伺い知ることもできています。
 
日本では、大学の入学が難しく、卒業時の最終学歴が重視される傾向があります。
確かに、「入学難関校」と呼ばれる大学に入ることがステータスのひとつではあるでしょう。
そして、企業の採用面接でも、最終学歴が問われることは少なくありません。
しかし、社会に出てから本当に大切なのは、「どれだけ自分が社会のお役にたてるか」ということです。
 
社会人の少し先輩として、多くの人と関わる中で、私が気づいたことは、仕事や人生における成功を左右するのは「学力偏差値」よりも「人間力偏差値」だということです。
どんな大学に行ったかではなく、その大学で何を学び、どんな経験をしてきたかが大切なのです。
 
また、最近感じることがあるんです。
社会人となり、社会のためにお役に立てる人ほど、出身大学がどこの大学であろうと、どれだけすごかろうと、あまり大学名を出さず、そうでない人ほど、大学名を出して、大学名でコトを運ぼうとする傾向にあるんじゃないかと。
 
それらのお手本が私の身近にはたくさんあります。
だから強く言えるのです。
 
例えば、自ら創業し、現在5店舗の調剤薬局を経営する彼や、莫大な借金を背負って、跡取りとなった彼女、予定通りの跡取りが、先代の時の2倍の400名の従業員さんへと会社を大きくした彼など多くおられます。
 
どのみなさんも、決して難関大学出身ではありませんが、まちがいなく「人間力偏差値」の高い方ばかりです。
 
なので、大学受験に全力を注ぐことも素晴らしいですが、それが人生のすべてではないと、声を大にしていいたいのです。
日々を大切に、自分らしく過ごし、受験後には大学生活を通して新しい世界を広げていってほしいと思います
どんな大学も素晴らしいです。
その大学でしか得られないことがたくさんあります。
 
私も息子を見守る母として、息子には、「大学受験の結果がどうであれ、その後の過ごし方が大切だよ」と伝えています。
大学では多くを学び、多くの人と出会い、アルバイトや趣味活動、ボランティア活動などを通じて、多様な価値観に触れてほしいと思っています。
そして、彼の「人間力偏差値」は確実にたかまるでしょう。
 
彼がどんな道を選んでも、私は彼の成長を見守り、応援し続けます。
 
受験は人生のほんの一部にすぎません。
だから、受験生には、必要以上にがんばらなくてもいいと伝えたいのです。
それよりも、自分を大切にしながら、自分のペースで進んでほしいと思います。
 
そして、大学でのたくさんの出会いや経験を通して、自分らしい人生を築いていってほしいと心から願っています。
母は、そばにいて、ほほ笑んで、見守るだけですね。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「名古屋天狼院」

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「湘南天狼院」

〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00



2025-01-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事