出る杭は打たれまくり、融通の神さまに感謝
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記事:みやび♪(ライティング・ゼミ 9月コース)
「どうして! どうして!」
その日、小学1年生の私は、学校から帰ってきて、母にむかって叫んでいました。
学校で何か納得がいかないことがあったのだと思います。
正しいことを守らない誰かに対して、許せない思いで帰宅した記憶があります。
今となっては、何がそんなに悔しかったのかは覚えていません。
ただ覚えているのは、母に言われた言葉です。
「出る杭は打たれる、っていうのよ。わかる?」
幼い私は、この言葉の意味を深く理解していたわけではありません。
正しいことの何が悪いの! とそちらに意識があったことを覚えています。
母は、小さいころから私に「正しいこと」「ねばならない」ことを叩き込んで育てました。
決まったことは守らなければならない。
出したモノは元の状態にして戻さなければならない。
ふざけたことはしてはいけない。
母親の言うことを聞くいい子でなければならない。
そんな教えを繰り返し聞かされて育ちました。
そして、母の正しさに従えなかったとき、私はいつも怒られていました。
平たく言えば母は、かなり癖のある過保護な人だったのです。
そんな私が初めて母の呪縛から離れたのは、大学に進学してからです。
「私は自由だ!」
ものすごく心が喜んでいたことを覚えています。
誰に怒られることなく、誰の目も気にせず、好きなように生きられる解放感。
それはまるで、長い間閉じ込められていた鳥が空へ飛び立ったような気持ちでした。
けれど、その自由も長くは続きませんでした。
母の影響で培われた「正しさ」の物差しが、私の行動を縛り続けていることに気づくことになるのです。
大学でできた友人との距離の取り方がよくわかりませんでした。
友人とのコミュニケーションがはじめのうちは、うまくいきませんでした。
そのうち、「どう思われているだろう?」と気にする私になりました。
そんな私も、いろんな友人がいたおかげで、自分らしくいられるようになっていきました。
おかげさまで、私にとって大学は楽しく、大切な時代となりました。
大学は、私が母から自立する原点とはなりましたが、開放されただけで、飛べない鳥でした。
社会に出て、初めて自分の刷り込まれた物差しが間違っていることに気づきました。
仕事の現場では、正しさよりも効率や柔軟性が求められる場面が多くあります。
でも、かつての私は「ルールだから」「正しいから」と、融通を利かせることができませんでした。
その結果、同僚や上司との摩擦が生まれます。
少し大人になった私は、その摩擦をひとりで飲み込んでいました。
それがとてもつらく、とうとう体調をくずして入院しました。
それでも、根底からわかったわけではありませんでした。
「正しいことをしていれば、周りが認めてくれるはず」という信念があったからだろうと思います。
自分の物差しを見直し、「正しさ」よりも「融通」を大切にするようになったのは、私が、独立し、会社を立ち上げてからです
起業してから、どんなに計画を立てても想定外の出来事が起きるという場面に多くぶつかりました。
その時、助けてくれたのは、廻りの人たちが融通を利かせてくれたおかげさまでした。
何度もそんな場面にあっていたころ、たまたま通った道で遭遇したのです。
『融通尊』
願い事を融通するという仏さまがいらっしゃるというお寺です。
思わず、
「融通を利いてくださって、ありがとうございます」
と同時に、やっぱりおられたのか、と思い、感謝の気持ちが心の底から湧いてきました。
「融通の神さま、本当にありがとうございます」
以来、いろんな場面で、「いい塩梅」「いい加減」「バランス」「柔軟」「許す」を大切にできるようになりました。
母の教えである「正しさ」も、今では私の中で形がかわりました。
長くかかったけれど、自分で気づけたこと、変わっていける自分であることをありがたく思っています。
その意味で、母には感謝です。
母も決して悪気があってのことではないことも、今ではわかります。
0か100ではなく、その中間を見つける。
まさしく、いい塩梅を見つけるのです。
それこそが、私が目指す生き方です。
そして、母の「出る杭は打たれる」という言葉にも、別の解釈を与えることができました。
出る杭は打たれまくって、鍛えられる。
そして、突き抜けることと、いい塩梅になることの両方を手に入れることを目指せるようになる。
これからは、このようにして、自分らしく年を重ねていきたいと思います。
これからの人生もきっと思い通りにいかないこともあるでしょう。
ですが、融通の神さまとともに、私は自分の人生を創り続けます。
私の人生、これから。
自由な鳥は、大空をはばたく!
***
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