「目」は口以上に誤解を生む?
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記事:777(ライティング・ゼミ11月コース)
目に本心が表れることを指して「目は口ほどにものを言う」と言いますが、その「目」によっては、本心が表れるどころかまったくの誤解を生むこともあります。
「おはよう」
ある朝、出社したときのことです。すでにデスクについていた入社一年目の後輩男性に、私はいつものように挨拶をしました。彼も挨拶を返してくれましたが、一瞬私に視線を向けただけで、すぐにパソコンの画面に目をもどしました。表情らしい表情はなく、声も低かったので、とても冷たい印象を受けました。
年齢が離れていることもあって、その彼とは普段から親しいといえるほど接しているわけではありませんでした。とはいえ険悪な関係ではなかったので、なおさらその“チラ見”は気になりました。
機嫌が悪いのだろうか、なにか私が気に障ることをしたのだろうか、私のことが嫌いなのだろうか……
いろいろ考えてしまって気分がモヤモヤしてしまいましたが、本格的に勤務がはじまってからは、いつものように笑顔を交えて話してくれるようになったので、ひとまず安心しました。
しかし、そこで気づいたのです。その後輩が、だれとでも会話をするときに視線を合わさないようにしていたことに。
「きっと人の目を見るのが苦手なんだろうな……あっ!」
また、気がつきました。
そういえば、私も同じような視線のそらし方をしているな、と。
いつのころからか、私は人と目を合わせることが苦手になりました。
「俺は人の目を見て話さない人間は信用しない」と、私の目を見つめて話す友人から目をそらしたほど苦手です。
受講している天狼院書店のライティング・ゼミでも、講師の方のお顔を見つめて楽しく講義を聞くのですが、その方の目が私に向いた瞬間、つい目をそらしてしまいます。その速さは、猫を見つけたネズミ、好きな女子を見つけた男子より速いと思います。
もちろん、わざと相手に失礼な態度をとろうとか、不快な思いをさせようなどと思ってはいません。むしろそうならないように、自分としてはものすごく気をつかって人と接してきたつもりです。ですが、どうしても人と目が合うと視線をそらしてしまうのです。
後輩との一件は、私も人に対して冷たい印象を与えたり、モヤモヤした気分にさせてしまったり、嫌な気持ちにさせてしまったりしてきたのではないか、と改めて反省するきっかけになりました。
この「相手の目を見るのが苦手」問題をインターネットで調べてみると、本当にたくさんの悩み相談が検索結果として出てきます。人の目を見て話すことが苦手だという“仲間”が想像以上に多いことを知って、少しほっとしました。
一方で、相談に対する回答やそこで示される対応策はさまざまで、これをやれば大丈夫という万能な解決策は、いまのところないということもわかりました。
私が相手の目を見て会話をすることが大切だと教えられたのは、中学校で高校入試の面接対策を聞いたときが初めてでした。その際、教諭から、目を見るのが難しければ、相手の鼻や口を見ると良いとアドバイスを受けました。以来、ずっとそうしてきました。
ところが今回調べてみたら、自分の鼻や口を見られるのは不愉快だという意見が少なからずあったのです。つまり相手は、こちらの視線の先がはっきりわかっているということです。
恥ずかしながら、いままで自分の視線の先を相手がどうとらえているかについて、深く考えたことはありませんでした。てっきり、相手は目と目を合わせているように捉えていると思い込んでいました。
「そんなことは自分に向けられた視線を思い返せばわかるだろう」と言われるかもしれませんが、そもそも人の視線を避けて生きてきた私には、思い返せるだけの“視線”がありませんでした。
このほか、ずっと目を見られていると威圧感をおぼえるという意見もありました。「目を合わせて会話するのがよい」ということも、必ずしも正しいとは言えないようなのです。
目を合わせないでいるのも良くないし、目を見つづけるのも良くない。
ちょっと混乱してきたので、「良い対処法」をAIに聞いてみました。
出てきた回答がこちらです。
「目の周りを見る」
眉間や鼻の付け根、口元を見るのがいいということです。しかしこれは従来の多くのアドバイスと同じですし、眉間を見るとなると、ほとんど目を見ているようなものなので、その重圧に耐えられるか心配です。
「視線を外すタイミングを意識するといい」
話し始めや途中で、3秒から5秒ごとに目を外すと不自然にならないということで、これはすぐに実践できそうです。ただ、秒数を意識しすぎて相手の話が耳に入ってこなくなる可能性もあるので、そこは気をつけようと思います。
このほか、次のようなアドバイスがありました。
「相手の右目、左目、口元と三角形に視線を動かす」
「相手の目ではなく、顔全体を意識すれば視線のプレッシャーが減る」
「鏡や動画でアイコンタクトの練習をする」
「聞くことに集中する」
最後に「無理をせず、自分に合った方法を見つけてみてください!」と激励もしてくれました。AIとならまっすぐ目を見て話せそうです。
視線の向け方は、人間関係を築く上でとても大切な要素です。ですから、いつまでも苦手と言ってばかりもいられません。
とはいえ、がんばりすぎて対人関係がつらくなってしまっては元も子もありません。目を見るのが苦手な原因や理由については、心理的な要因など人によって事情が異なります。ですから無理のない範囲で、自分に合った方法を探して試していくのがいいでしょう。
ひとまず私は、職場の同僚とのコミュニケーションからはじめていこうと思います!
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