メディアグランプリ

映画の中のワンシーン


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ガーベラ(ライティング・ゼミ11月コース)
 
 
「痛い、痛いよ~」大泣きするAくん。
「えっ! どうして、そんなことしたの?」
訳が分からず慌てるお母さん。
ブランコを勢いよく漕いでいたら突然、スーパーマンのように、鳥のように飛べるような気になって飛んでみたというAくん。
 
 
結果……足からの着地ではなく顔と身体で着地して大泣きすることになった。
長男が幼稚園時代に目にした光景でした。
子供の想像力は凄い。
そしてそれを実際に実行しようと思うところも面白い。
とにかく、大事に至らなくてよかったです。
 
 
ひょっとしたら、できるかも? やったみたい!
そんな風に思ってしまった事はありませんか?
実は私も、ふと映画やテレビのシーンが思い浮かび挑戦してみたくなったことがありました。
 
 
次男が2歳の時、月に2回公共施設で開催されていた託児付きのエアロビ教室に通っていました。
その日は教室が終わってから、少しゆっくりしていたので、体育館の駐車場には、私の車一台だけでした。
 
 
息子をチャイルドシートにのせ、運転席でハンドルを握り、広い駐車場でバックして方向を変えようと後ろを振り返った途端、突然あるシーンが頭に浮かんできたのです。
それはドラマや映画の中で警官が車で犯人を追うと時に、ピードを出してバックしてカッコよく方向転換するシーンでした。
 
 
やってみたい! この広い駐車場に私の車だけ。他の車にぶつかる心配もない。
今ならできる。今しかない。
大丈夫、やるなら今! 今やるしかない! そんな声が聞こえた気がしました。
突然湧き上がった欲望を抑えることが出来ず。
後ろを確認   よし! 何もない大丈夫。
 
 
バックに入れ勢いよくさがり、(イメージだけで、きっとそれ程スピードは出ていません)かっこよく切り返すはずが……。
バックに入れ勢いよくさがったところで……。
ドン!! という鈍い音。
何かにぶつかっただろうと思われる衝撃。
 
 
えっ? 確かに何もなかった筈なのに、どうして?
今の衝撃や音からすると、後ろはかなり凹んでいそうです。
少しだけ車を前に移動させ
こんな事なら、挑戦しなければよかったと後悔しながら、恐る恐る外に出て車の後ろを確認しに行きました。
 
 
トランクの周辺そしてバンパーを確認。
あれ? どこも凹んでいない。キズすらない。何で?
確かに衝撃があった筈なのに……全く凹んでいないのです。
 
 
普通ならここで、そんな筈はないだろ! と冷静に思うところですが、
私は
すごい! ラッキー! 私ってついている。ぶつかったのに凹んでないなんて。
気のせいだったかもしれない。
と能天気な事を思ったのです。
 
 
ああよかった! 本当によかった! 凹んでないなんて。
安心し、家に帰ろうと運転席に戻り車を走らせると
ゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴロゴロゴロ~と車の下から何かを引きずっている凄い音がする。
何? この凄い音は!
再度車を降り、後ろを見に行く(今度は冷静にしっかりと)
すると……あちゃ~ マフラーが随分下に落ちているではありませんか!
そうです、先ほどの衝撃は低い位置にあった石垣の端の部分が、マフラーにぶつかった音だったのです。
衝撃でマフラーが曲がり地面に擦っている状態で、車が動くとゴロゴロと
音がしていたのです。
 
 
ああ……これから私どうすればいいのだろう?
子供を乗せているし、とにかく一人では不安でした。不安で急に心臓がドキドキしてきました。
 
 
先に帰ったママ友に連絡しもどってきてもらい、息子をママ友の車に避難させました。
あんなに能天気に考えていた私ですが、マフラーを引きずっているとわかった途端
ガソリンが漏れて車が炎上するのではないだろうか? 火がついたら、車から息子を救い出すことが出来るだろうか? 火だるまになった自分と息子の姿を想像し、不安が襲ってきたのです。(車の構造をよくわかっていないので、不安は膨らむばかりです)
 
 
とりあえず、家に帰ろうと思い運転するが、ゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴロゴロゴロ~。まだ死にたくない! 怪我もやけども嫌! 誰か助けて~。
無事家まで爆発せずに帰りつけるかが心配になった私は、すぐそばのコンビニに駆け込みました。
事情を説明して
「この辺に自動車の修理屋さんありませんか?」と聞くと
「もうすぐお昼になるから、車の修理屋さんの人が多分お弁当を買いに来ると思うよ」
という事で、待つことに
 
 
そして救世主が現れた。よかった~嬉しい。
コンビニの定員さんが修理屋のお兄さんに声をかけてくれたので
「バックした時に、ちょっとぶつかってしまって、このまま運転しても大丈夫でしょうか?」
と聞くと、車を確認した救世主
「うん?? ちょっとじぁないね~ これは随分激しくやっちゃったね マフラー曲がってるわ!」
と、見透かされてしまいました。(やっぱり、わかるよね)
しかし、そのまま帰っても大丈夫という事で一安心。
息子をママ友から再度自分の車に乗せ、無事帰宅したのでした。
 
 
映画の中のかっこいいワンシーンを再現するはずでしたが、上手くいかず大変なことになってしまいました。(幼稚園児と変わんないねぇ~)
車は大変な事になりましたが、息子も私も怪我をする事も無く、無事だったのは本当によかったです。
 
 
ドキドキ、ハラハラ、そして色々な感情の移り変わりは、違った意味での映画の中を体験できた一日でした。
映画の主人公のような振る舞いはできなかったものの、日々の暮らしそのものが、自分という映画の一コマになっているんだなぁ~と感じた出来事でした。
 
 
 
 
***

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2025-02-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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