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土鍋は、鎹(かすがい)


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記事:きりん(ライティング・ゼミ1月コース)
 
 
「もう、ここんとこ、ずぅーっとパンがパスタですよ」
「うわ~、やっぱりそうなるかぁ。ご飯食べないと力出ないでしょ」
 
これ、職場の後輩と私との会話。皆さんの記憶にも新しい“令和の米騒動“での一幕。 一人暮らしの後輩はこのとき、パンかパスタしか食べていないのです。
 
スーパーの陳列棚から消え去ったお米。“お米の入荷は未定です”の貼り紙。米離れという言葉はよく目に耳にする時代ですが、この光景は皆さん不安になりませんでしたか?
私は本当に不安で困りました。だって私は“ご飯を食べないと力が出ない信者”なのである。
 
 それは、夫の影響によるものが大きい。夫は学生時代は柔道やラグビーをし、仕事も体力を使う仕事。さらに、仕事が休みの日は筋トレをしている。そんな夫に「ご飯を食べないと力が出ない」と言われると、それはそれは説得力があり、納得しちゃうわけです。
 
 そんな我が家のご飯は“炊飯土鍋”で炊いています。炊飯土鍋は、結婚のお祝いに友達からいただいたのが初めての出会い。というか、私の方から友達に「炊飯土鍋が欲しい」とリクエストしたのですけどね。
 
 結婚してからおよそ20年。一度もいわゆる“炊飯器”を使っていない我が家。私たちはどうしてこれほど“炊飯土鍋一途”なのか。あっ、そうだと思い、先日、テレビを見ている夫に「土鍋の良いところ5つ言ってみてよ」と突然聞いてみた。
 
 「そやな~。ご飯が美味しい。甘いっていうのかな。これが1位やな。次は、場所やな。動かせるやろ。テーブルに置けたりするしな。これが2位やな。3位……3位なぁ。ん~~~ ごめん 2つやな」
 
 2つだけかい! いやでも、テレビを視聴中くつろいでいる夫が、私の突然の質問に2つも答えられたのはエライ! と思いました。しかも、この不意打ちで答えたこの2つは、炊飯土鍋の本質なのではないかと思っている。では、次から妻の私が補足していこう。
 
 
 
 
【炊飯土鍋一途な理由 5つ】
ご飯が美味しい  ~冷めかけのご飯の甘味たるや絶品!~
置き場所を選ばない  ~ベランダに置いちゃうときもあるよ!~
時間の短縮  ~もうタイマーなんていらなくない?~
土鍋の炊飯はとっても簡単  ~お前がご飯を炊くなんて!~
食卓が華やぐ  ~“映える”その先にある風景~
 
【解説】
冷めかけのご飯を食べたことはありますか? 冷めているご飯ではなく、“冷めかけ”のご飯です。熱々のご飯から段々と冷めていく、でも温もりがあるあの状態のご飯。本当に甘味があって美味しいのです。こっそり土鍋からご飯をすくい、手に乗せ、直接「はむっ」と食べる。夕食を食べ終わっているのにしてしまうこの行為。背徳感。最高です。
 
炊飯器とは違い、電気コードやガスホースでつながっていないので持ち運びも簡単にできるのは皆さんも想像できますよね。我が家の場合、炊飯土鍋を洗うとベランダで乾かしています。土鍋類は湿気を好まないので外で乾かす意味もありますが、手狭な場合、“ベランダに置く”という置き場所の選択肢が増えるということが炊飯土鍋にはあるというわけなのです。
 
3合であれば、夏場10分 真冬でも15分弱で炊けちゃいます。あっという間ですね。その間におかずを作れば、ちょうどよいタイミングでご飯が炊きあがる。タイマー機能必要なしだと思いませんか?
 
“初めちょろちょろ中パッパ”なんて火加減を調整する必要はありません! 最大火力にしたままでOK。沸騰して蒸気が出たら火を止めるだけ。
我が家は夫も土鍋でご飯を炊けます。実は夫は独身時代、家事の類は全くしませんでした。なので義母が驚いています。「お前がご飯を炊くなんて!」と……。それくらい簡単なのです。あっ、水加減は目盛りがないので目分量。すぐに慣れますよ。水加減が慣れると、災害時でもご飯が炊けるようになりますね。
 
お相撲さんに見えるのは私だけでしょうか? 上蓋てっぺんの持ち手が大銀杏、左右の持ち手が耳。そしてぷっくりしたお顔。その愛らしい姿形でインスタなどのSNSの投稿を目にした人は多いことでしょう。
私も投稿したことがありますが、特に、炊き込みご飯が“映える”ようです。春はたけのこ、夏はシンガポールチキンライス、冬はおでんの残りを使ったもの。土鍋で作る炊き込みご飯は最高ですね。おこげができるとラッキーなんて思います。
このように、季節を意識し、味を変え品を変えをしていると、なんということでしょう、自然と料理の腕前も上がってくるのです。
 以上、これが「炊飯土鍋一途な理由」でした。
 
炊飯土鍋を中心とした暮らしをすると、ご飯が美味しいことに気づき、料理の腕前も上がり、そして夫がご飯を炊けるようになるという良い副産物も生まれました。
ある日ふと気づいたのです。
「あれ? 私たち、炊飯土鍋の話しをよくしているな」
 
“子は鎹(かすがい)”とは言いますが、我が家は“土鍋は鎹(かすがい)”になっています。
 
みんなで美味しいごはんを食べて力をつけていきましょう。
 
追伸
画像は、生卵を土鍋に入れて、炊飯とゆで卵が同時にできてで一石二鳥!
 
 
 
 
***

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2025-02-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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