漢方相談は時々ナンパと同じだよねって話を聞いて欲しい
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:志村幸枝(ライティング・ゼミ1月コース)
漢方相談になじみのない方へ、漢方相談がより身近になる話をしたいと思う。
自分には全く関係ないと思っている方こそ、こっちの世界へいざなうのが私の仕事だ。顕在的なニーズを拾っているだけでは数字は必ず尻すぼみ。誤解を恐れずに言うなら、漢方相談店は小売業で、「売上げ」も大事な側面。素晴らしい知識と経験を持っているなら、モノを売らずとも、情報自体をコンテンツ化させるというスタイルもあるが、私にはそこまでの情報の蓄積があると思っていないし、そもそも営業することが好きだ。潜在的ニーズを引き出し、まだこの世界を知らない人をこちらに誘い、なんなら虜になってもらいたい。その中に生まれる、押したり引いたりの駆け引き。ときにヒリヒリするような緊張感。漢方相談に限らず、モノでもコトでも、何かをプレゼンしたり、販売したりする仕事をしている方なら、この感じ、きっとわかってもらえると思う。
漢方相談店にはいろいろスタイルがある。
代表的なスタイルを挙げてみよう。
その1。完全予約制の店。来るお客様は全員相談して買う前提。カリスマ性があれば予約が数か月先、なんていうこともある。SNSなどで漢方の情報はもちろん、自身のパーソナリティーなども含め発信している場合が多いので、お客様は来店前から店や人に信頼を寄せている。だから店側から警戒心を解くような取り組みは必要なく、当然ガツガツしてくることもない。わかりやすくいうと、モテモテの店。
その2。予約はちょいちょいあるけど、みっちり埋まっているわけではない店。ふらりと入店されるお客様にも対応する。こっちは、それなりに人気はあるけど、モテモテまでいかない店。
私が勤務していたのはその2の店。暇な時もあるから、その時は店の前で道行く人に声を掛け、チラシを配ったりする。チラシをもらってもらえないことの方が多いが、もらってくれた人にはさらに会話を広げ、道から店までの数メートルを誘う。歩数にして、わずか7歩。でもこれがなかなか遠い。この取り組みが興味深いのは、例えば389円のノド飴を買うつもりだった人が、漢方の話に納得して体質改善薬を買ってくれたりする展開があること。漢方薬の素晴らしさや必要性が伝わった結果とも言える。「漢方ってなんかアヤシイ」と、警戒心丸出しだった人が、その方の興味にピタリとはまった瞬間から、前のめりになってこちらの話に耳を傾けてくれる。何かしらの心の交流を経て、ついには漢方を買ってくれるのだから、この展開は感激が多い。私はこれを心の中で「健全なナンパ活動」と呼んでいる。
ナンパと漢方相談の共通点はいろいろある。
どちらも相手のことをよく観察し、最適なアプローチを考える。初対面の壁を破るスキル。相手のニーズを見抜く観察力。断られても折れないメンタル。ワクワクさせる話術。駆け引きを楽しむ余裕。強引すぎると逃げられる。無理やり押し付けず、でもじわじわと興味を持たせる。いきなり押し倒したりはしないように気を付ける等々……。とはいえ、若いころはいきなり押し倒すような漢方相談をして、断られた経験は何度もあった。失敗の数だけ経験値が上がったと自分に言い聞かせ、現在に至る。
ナンパがきっかけであっても、漢方は長く付き合うほど、深い関係になる。いわゆる体質改善などがこれに当たるのだが、漢方で快適な状態を知ってしまうと、離れられなくなる。身体が覚えた心地よさはやめられない。ずっと一緒にいたいと思ってしまう感じだ。誤解しないでほしい。これは漢方相談の話だ。
即効性が期待できる、ワンナイトみたいな漢方もある。たとえば、風邪薬などはその典型で、胃腸薬の一部、二日酔い対応の漢方などはそれに当たる。向こうは深い関係を求めているわけではなく、手っ取り早くスッキリしたいだけだ。だからこちらも深入りしないように、つかず離れずのコミュニケーションで済ませようと努める。そういう、その場限りの関係のお客様もたくさんいる。誤解されたくないので繰り返し言うが、これは漢方相談の話だ。
そんなお客様が「あの時の漢方めっちゃよかったよ」と、また来てくれた時はさらなる高揚感がある。というのは、実はこの場合、カルテが無いので大抵覚えていない。いつ、何の不調で、何を購入されたのか。表面的には笑顔で対応しながらも、思い出せないことをひた隠しにし、断片的な情報を手繰り寄せて、記憶を引っ張り出す。その全てが繋がったときは、「漢方が効いた×満足してくれた×また来てくれた×今思い出した」の掛け算で、「っっしゃー!」と、興奮が一気に湧き上がる。
これはおそらく、よくナンパしている人が、以前ナンパした人にバッタリ出会って「あの時は楽しかったね」と声をかけられたものの、(え? だれだっけ? やば、思い出せない)からの(っっしゃー! 今思いだした! あの時のあの子か!!)となるときに似ている。たぶん。しらんけど。
漢方相談をより身近に感じて欲しくて、不真面目なたとえ話をしてしまったが、真面目な話。街の漢方相談店はそんな出会いを待っている。私たちが行う「健全なナンパ活動」は、健康になって幸せになるだけなので、安心してほしい。
因みに、押し倒したことはあっても、ナンパ、ワンナイトは未経験。
これは自分の恋愛の話だ。
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