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片付けを通じて、自分の気持ちに正直になって

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*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

絶対麗度ビューティー・レコーディング・ラボ

記事:izmy(絶対麗度ライティング)
 
 
これを「汚部屋」だとは思わなかった。

雑然としてきた部屋だけど、自分の好きなものに囲まれて、自分なりに整理はされている、と思っていた。
 
絶対麗度の仲間が整理整頓に取り組む姿を見て、
そして、
美しさを目指しているのに部屋が雑然としているのはどうなのだろう、
といったお話にもハッとさせられた。
 
家に物が多すぎて、
探す時間がかかって、イライラ
洋服にシワができて、イライラ
ヨガマットはかろうじてひけても、のびのびと体を動かせないことにイライラ
 
たしかに、美から遠ざかっている……
 
部屋の片付けを始めた。
 
開始して1か月間は、まず「捨てること」に取り組んだ。
 
私は優柔不断だ。
「絶対イヤ」がない限りは、あらゆることが決まらない。
例えばランチ何食べる?というレベルから決められない。
 
そして、かなりのめんどくさがり屋。
判断に困る書類などはかなり溜め込んでいる。
 
さらに、買い物が大好き。
収入が増えてから気軽に何でも買うようになった。
推しキャラのグッズはどんどん増えていく。
 
何冊かミニマリストの本をオーディブルで聴きながら、収納をひっくり返す。
棚の上、ベッドの下、普段見えない奥底から、さまざまなものを発掘する。
 
小さな頃に友人からもらったぬいぐるみや、家族からのプレゼント。
なかなか手放せなかった。
大事で手元に置いておきたい、というよりも「捨てちゃうなんて非情?」と思う罪悪感から。でも、置き場所に悩んでいた。
あのときと、いままでありがとう、と言いながらサヨナラした。
 
長年溜め込んだ旧推しキャラのグッズ。
写真に収めて、1割分サヨナラ。
あとは場所を取らない細々したものなので、少しずつ写真に収めて、残り数ヶ月でお別れしていこう。
 
小中学生のころから蓄積した可愛いメモ帳や便箋、シール。数年使ってないから、ごそっと処分。
 
いつかこの服が着れるようになるまで…とか、この資格を取りたいから参考書を…のようなものたち。
これらは「野望系」というらしい。服はほぼ完了。参考書たちは、まだ整理中。秘めフォトで初期に買ったエロコスもほぼ捨てた。秘めフォトを続けていく中で、女性向けのランジェリー、または、自分の素材そのものが断然良いと感じたから。
 
数年使ってないもの、ダブりすぎてるものを捨てていったら、部屋にかなりのスペースができてきた。
 
いい感じ!
 
そんな矢先、奥底から、昔の彼氏の思い出が引きずり出されてきた。
カメラ好きな彼Aが撮った桜の写真。
立派な額縁に入れてプレゼントしてくれたもの。
彼に、というより、桜に申し訳なくて捨てられなかった。
でも、もう、その桜にも昨年会いにいって、元気な姿をみることができたから、大丈夫。
 
Aからのプロポーズを断った後も、年賀状のやりとりが続いていた。
年末年始に体調崩して年賀状を準備できなかったことを機会に、年明け後、全ての人に年賀状じまいの連絡をした。Aにも事情を簡単にLINEして「今後は年賀状、やめます」と伝えた。
これまでもらった年賀状も捨てた。
 
状況が変わったらヨリ戻すかもしれない、と数年間は思っていたので、細い連絡を続けていた。
ズルいし、酷いかもしれない。
優柔不断が過ぎる。お互いに。
「男性としての好き」がなくなっただけで、人物としては嫌いになったわけじゃなかった。
でも「また会いたい人」ではなくなっていた。
 
次にベッド下から出てきたのはAがくれたアニメDVDが10枚。彼の好きなものだから、とがんばって当初は観ていた。
だけど、そんなに好きじゃなかった。
これもサヨナラした。
 
クリアファイルに挟まれている大量の書類たち。
この整理が一番しんどかった。
ごそっと捨てることができず、たまに本当に大事な雇用保険とか年金みたいな書類があるから、一枚一枚見て仕分けをする。
 
クリアファイルからデッサンが出てきた。
Aが描いてくれた私の似顔絵。
本当によく似ていたし、可愛く書いてくれていた。
これは、とても嬉しかった。
私のことを見てくれている実感があったから。
だから、捨てられなかった。
 
あー、似ているな〜
好きだったな〜
 
と思いながら、もう一枚、デッサンがハラリと足元に落ちてきた。
 
「うわっ!!」
と苦いものを口にしたときのように声をあげた視線の先には、
まあるい子豚の後ろ姿のデッサンに
「ぶひぃ〜!」と描かれたものだった。
 
Aからは「ぶーちゃん」と呼ばれていた。
丸くてかわいいから。
子ブタちゃんってかわいいじゃん。
俺にとってかわいい存在だから。
って……言われてた。
 
私の方が圧倒的にAに惚れてたから「かわいい」と言われてちょっと喜んで、了承してた。
ブタちゃんはかわいい。動物の中でも、私も、好きだよ。
 
でも、
 
すっごいイヤだった!!!!!!
 
そこから、実はイヤだと感じていたAから言われた数々のことが怒涛の如く押し寄せてきた。
 
Aの母は働きながら子どもを3人育ててたから、私にもそうなってほしい。
Aの母は高齢出産で自分のことを産んでくれたから、君はまだ結婚しなくても全然大丈夫。そんなに焦らなくていいじゃん。
マニキュアとか指輪とか料理するのに不潔だ。してこないで。
素顔でかざらないほうがかわいい。メイクいらない。
黒が似合う。引き締まってみえるから。
着飾らないでTシャツとGパンでいい。
おしりがプリプリでいい。
でも、セックスはそんなに好きじゃないし、したくない。
 
女である私を拒否されたような気分を毎回感じていた。
けど、若いうちに結婚したかったし、
彼に恋してたし、
辛い自分の状況を救い出して欲しかったし、
だから、強い違和感に気づかないふりをしていた。
 
「ぶひぃ〜!」
をまじまじと見ながら、強く思った。
 
結婚しなくてよかった。
ちょっとした彼の無邪気な言動に毎日イライラしてたかもしれない。
女性扱いされなくて寂しかったかもしれない。
彼の人生を生きることになってた。
 
私は、女になりたかったから、
女であり続けたかったから、
今、思いのままに生きている。
私の人生を生きている。
 
結婚すべきだったのか、と悩むこともあった。
でも、当時も今も、正直な気持ちは「怒り」だ。
片付けは、自分の気持ちに正直になる訓練かもしれない。
即座に2枚のデッサンを市の指定袋に葬った。
ものすごく、スッキリした!
 
ところが。
まだまだ出るわ出るわ、奥底から、人生分の別の思い出が。
でも、カタをつけられるものと、そうでないものがある。
ここは無理しない。
これからも大切にしたいこと、もうちょっと熟成させたい気持ち。
清廉潔白は目指していないから、秘蔵しておく。
 
完全に片付いたわけではないけど、現時点で即決できる「いらないもの」の8割は捨てることができた。
 
このお部屋で両手を伸ばして、ヨガができる空間は作れたのだ。
毎朝ジェンガやってるみたいに、なんかの山から物を引っ張り出して、崩れて、余計に時間かかってるじゃん!!みたいなこともなくなった。
セッティングシートに書いた「整理整頓」も達成に近づいている。
 
片付けを通じた小さな決断を積み重ねられて、何だか、清々しい気分。
決められなかった私が、最後は何を残すのか、今から楽しみになってきた。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の「絶対麗度ライティング」にご参加の方が書いたものです。

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2025-03-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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