恋愛と食事
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:志村幸枝(ライティング・ゼミ1月コース)
「あんた今日はきれいやな~」的な言葉を、2人から頂いた。
そしてその数分後「なんか今日はワイルドっすね」も頂く。
これは小一時間での出来事。因みに複数人(って2人だが)から「きれい」的なことを、言われることはまず無い。というか、「きれい」と言われること自体、日常的には無い。だから、うれしいけど困惑した。しかも「ワイルド」ってなんだ? はて?
ちょっと興味深い出来事だったので
「このエピソードから導かれるキーワードってなんやと思う?」
と、娘に尋ねたら
「生命力やろ」
と即答され、妙に納得した。
というのも「きれい」も「ワイルド」も、実はお昼にカレーうどんを食べた直後に言われた言葉だったから。
カレーうどんは食べると身体が温まる。なんなら、汗もかく。
言い換えれば、血色がよくなって、艶が出ていたと思われる。もしかしたら、艶じゃなくて単なるテカリだった可能性も否定できないが、いずれにせよ、光っていたのは確かだ。
艶やテカリはある意味「若さの象徴」みたいなもので、「生命力」ともとらえることができる。今回の件ではそこに「きれい」と「ワイルド」が紐づけられた、と考えると納得できた。さらに思い出したのは、猫舌の私は熱々のカレーうどんを食べるのに割と時間がかかってしまい、休憩の時間内に帰れるように小走りで戻ったことだ。その分、余計に上気した顔になっていたのかもしれない。そのタイミングで「ワイルドっすね」を頂いた。いや、単にバタバタしていた様子がそう感じさせていただけなのかもしれないが。
夏の炎天下やサウナはさておき、汗は動かないと出ない。
動く、活動する、と汗はセットだ。
汗は「生きている証」なんていうと大袈裟だろうか。
「汗をかく」と「生きている証」の結びつきを深く感じた出来事がある。
それは夫と初めてご飯を食べに行った時のことだ。
つき合ったばかりの食事なのに、行ったのは、全く色気も洒落っ気もない、町の中華屋さん。彼はお腹がペコペコだったのか、席に着くなり、一人で5品目くらいを注文し、4人は座れるテーブルがあっという間にお皿とどんぶりで埋め尽くされたので驚いた。お料理が並ぶや否や、とてつもない勢いで食べ始め、どえらい辛さのスパイスカレーでも食べたんですか? というくらいの汗をかいていた。「滝のような汗」というやつを初めて見た。
「この汗どうするんだ?」とこっちが気にしていたら、彼はおもむろに分厚いタオル(まさかそんなモノが鞄に入っているなんて)を取り出し、お風呂上りみたいな顔をしてその汗を拭き上げ、「ふう」と呼吸を整えたかと思うと、また無心に食べ続けた。
そんなむき出しの食欲を目の当たりにしたのは生まれて初めてのことだ。だからあっけにとられた。でもそれ以上に感動していた。必死で、夢中で、ただ生きるために食べる、みたいな食欲に。
「食べる」という行為は、生命力の最も純粋な表現だ。生きるために、食べる。それは頭で考えてすることではなく、もっと本能的で、動物的な行為。だからこそ、目の前で無心に食べる姿には、強いエネルギーを感じた。それは「生きよう」とする力そのもののように見えた。それこそ、「ワイルド」な「生命力」を感じた。この人と一緒ならどんなサバイバルになっても生き残れるとすら感じた。
何を魅力に感じるかは、人それぞれ。だけど恋愛において、本能が反応するのは共通している。シンプルに言えば、種を残すために自分にとってメリットの高い相手を求めるってことだ。私の場合は「生き残れる強さ」が反応点だったのだと思う。
「このオスを逃してはならない」みたいなメスの本能が働いていた。
つまりはその最初の食事で私は彼にズギュンと射貫かれたのだ。
そんなメスがいる一方で、「じゃない方」のメスもいる。
私の遺伝子を分けたはずの娘は、夫の食欲に感動はせず、むしろ嫌悪感すら持っている。ガツガツ食べるのは嫌らしく、もっとスマートに食事をして欲しいらしい。この春は初任給で食事に招待してくれるというのでワクワクしていたら「一緒に行くのは嫌! 2人でどうぞ」などと言う。娘と一緒に行きたい私は夫の食事のあり方を矯正中だ。
そしてオスにも色々いる。夫の遺伝子を半分持っているはずの息子は、食が細く、カラダもひょろひょろ。お弁当箱はもしかしたら女子よりも小さい。不思議なものだ。
同じタイプを次世代に引き継がないのは、生存戦略的にはいいのかもしれない。だって食糧難になったときは、小食の方が適応できそうだから。
そう思うとあの時のメスの本能は正解だったと感じている。
***
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