僕は“不器用キャラ”でなかったと気づいた2025年春
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記事:らんちゃん(ライティング・ゼミ3月コース)
『ステレオタイプ』……多くの人にしみ込んだ思い込みのこと。
次のお話を読んでいただきたい。
ある子供が知能テストを受けた。
コップの中に水を入れなさいというテスト。
子供は「コップの中はどこ?」といろいろ考えた。
子供は、コップのガラスの厚みの内部という答えにたどり着いた。
子供は、その厚みにどうやって水を入れるかを考えた。
子供は、そこでコップを割ってみた。
大人はそれをみて困惑した。
数学者の秋山仁さんの幼少期のエピソード。
あの秋山先生のお話か!
そう思えば、「天才は幼少期も賢いなぁ」となるだろう。
しかし!
実際に子供が目の前で同じことをした場合、「この子は天才だ!」と思えるだろうか?
ぼくなら、「なにしているの!」と瞬発的に怒鳴ってしまうだろう。
僕も『ステレオタイプ』の人間である。
いや、基本的にすべての人間は『ステレオタイプ』だと僕は確信している。
私は『ステレオタイプ』じゃないもん! そう思ったあなた。
それは、『ステレオタイプ』の本当の意味を知らないかもしれない。
ほとんどの場合、生活に問題がないので、『ステレオタイプ』的な判断をしていても僕は良いと思う。「この〇〇楽しめないなんて人生半分損しているよ」シリーズはその典型例。
言われたときは、「君の好きを常識化するな!」とイラッとくることはあれども、僕の生活に悪影響はない。
しかし、『ステレオタイプ』的な判断が子供に下された場合、子供の将来に悪影響を及ぼすことは大いにある。これは大問題!
先ほどの秋山先生のエピソードは、秋山先生が数学者として自分の才能を発揮できるようになったから、「逸話」になっているだけである。もし、同じ状況が起こって「この子は知能的に劣っている」と大人が決めつけしまったら、その子はどうだろう? 「僕は知能が劣っている」と思い込んでしまう。すると、勉強ができないと子供自身が思いこむ。いつしか、“発達障害”のような扱い受け、自分自身もそう思ってしまう。本当は、秋山先生みたいな天才的な頭脳の持ち主なのに、“勉強できないキャラ”として人生を歩んでしまう。子供の可能性をつぶしている!
「それって、あなたの想像でしょ?」
本当に僕の想像だろうか。
現実に子供のキャラクターを悪気がなく決めつけてはいないだろうか
僕自身の話を聞いてほしい。
子供の頃、とても“不器用”だった。
特にスポーツがダメだった。バスケ、サッカー、野球……すべてダメ。
一番嫌いだったのが水泳と跳び箱。
水泳は5mしか泳げない。(泳いだといえるのか?)
跳び箱は最大2段まで。(跳んだうちにはいるのか?)
僕は記憶にないが、中学2年生のとき、母に対して「僕は勉強をしかない! だから、勉強頑張る!」と宣言したそうだ。その時、「あ、そう」と母は納得したという。それもそのはずだ。母も(というより家族全員)、僕が“スポーツできないキャラ”と思っていたようだ。
たびたび母から、「私やじいちゃんの血を引いているのに、なんでお前は運動神経が悪いんやろうなぁ」と言われていた。母や祖父はスポーツ万能だったそうだ。だから、嫌みでもなく本当に僕がスポーツできないことを不思議に思っていたようだ。
他にも、歌が下手、楽器が引けない、料理できない、裁縫できない、DIYできない、重い物運べない、運転できない……「勉強を頑張る」は、僕にとって生きるためにしなければいけない義務感があった。
“不器用”という『ステレオタイプ』
このせいで、今まで「勉強」以外のことを避けてきた。「勉強できる」は、みんなが褒めてくれる。「勉強できるから、スポーツできなくてもいいじゃん!」という褒め言葉を頼りに生きてきたようなものだ。「勉強」しないと、僕は社会的に死んでしまう! とまで思っていると言っても過言ではない。(だから、僕は塾講師になったのかなぁ)
ところが! 2025年に入って、急に「何か新しいことを始めよう」と思った。
なぜかわからない。ただ、「勉強」だけじゃだめだ! と無意識のうちに思ったのだろう。
4月になって、ギターの習い事を始めた。
初日だからかもしれないが、全然指が追いつかない。
「僕は、やっぱり“不器用”だなぁ」
しかし、ギターの先生のコメントは意外なものだった。
「ギターのセンスありますね」
思わず、「え?」と驚いてしまった。
「そうですかねぇ」と返したら、
「初日で音が出る人は中々いないです。練習したら必ず上手くなりますよ!」
ギターの先生が言ってくれた。
僕は“不器用”ではない。新しい世界に一歩踏み出せた気がした。
今まで、“不器用”と思っていたのは、ただ単に興味がなくて早々に諦めていただけかもしれない。たった数回の失敗で、できない判定をしていただけかもしれない。いずれにしても、僕もその周りも『ステレオタイプ』があったことに違いない。
皆さんの自分自身、もしくは周りにいるお子さんを勝手にキャラ付けしていないだろうか。
是非確認してほしい。「私は『ステレオタイプ』かもしれない」そう思うだけで、苦手は苦手ではないことに気づくだろう。僕が、“不器用キャラ”じゃないと気づいたように。
***
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