22250の奇跡
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:後藤 修 (ライティング・ゼミ集中コース)
「よく、そんなことやれたな~。本当にあなたは僕か?」
もし、20年前の僕が目の前にいたなら、そんな風に言うに違いない。
今の僕は過去の自分から見ると、‘偉業’を達成したのだ。
20年前の僕は、‘ほぼ死人’だった。
冬のある日、会社に行くために目覚めた。
体を起こそう……と思っても、びくともしない。
え……。どういうことだ。
前々から体が重みを感じることがあった。
しかし、こんなに重量級のバーベルみたいに体が重くなり、身動きがとれなくなるなんて。
当然、体がこんな状態では会社に行けずに、休みを申し出2日間の自宅休養。
その間、ほとんど寝続けて、起き上がることはトイレへ行く時ぐらいの過酷な生活。
歩くことさえままならなかった。
会社へなんとか復帰するも、体の調子は上向かず、体はいつもズーンと鉛がのっかったような
重みと同居。
足や手、腕を思い通りに動かせなかい日々がやってきた。
何とかしなければ……焦る僕に、母親が言った。
「お灸をやればいいんじゃない。私も毎日、これを体に当てているから。
だいぶ楽になるよ」
そうか……。 じゃあ、それを自分の体に託してみよう。
使ってみたら、結構効いた。これなら、治るかもしれない。
そんな楽観思想に一瞬浸った。が、そんなに世の中は甘くなかった。
症状はカメの歩行ペースで大きな改善は見込めなかった。
それで、体の重さは相変わらずで腕や手足も重い日が続いた。
これなら、仕事も支障が出て不用意なミスがどんどん重なった。
挙句の果てに、‘オマエはクビ~!’を通達された。
めちゃめちゃ悔しく傷ついた。
そこをとぼとぼ去って、新天地へ異動した僕。
仕事を果たせるか? と心配になるも、意外に仕事量は多くなかった。
(なんとかこれならこなせるか……)
そんな思いを持って、仮死状態で働き続けた。
しかし、まもなくまた転勤。
目まぐるしく変わる環境に体を必死に合わせていった。
そのうち、体の悪化度合いがじわっと来た。
手足の硬直が日常茶飯事。頭も重く、足裏までが冷えてきた。
(これはどうにかしないといけない)
このピンチ。どう乗り切るかと思った時に頭の中で閃いた。
(そうだ。新たな治療院を探し出そう)
近くの整体院は通っていたものの、まだまだ劇的変化は未知の世界。
それなら、体の重さを‘軽量化’にしてくれる‘凄腕’な治療師の方が他にいるかもしれない。
一縷の望みをかけて、携帯で検索を祈りながら始めたのだ。
続々と治療院がズラリと並ぶ中、ひとつの整体院を選びそこへ連絡。
出た先生が気さくに答えてくれて、良い手応え。
(この方ならすくってくれるかも)
治療日に、ベッドで横になり、早速施術してもらった時。
先生はため息をついて、僕を見た。
「よくこんな体の硬さと重さで今まで生きてきたね……」
「…僕も…そう思います」
思わぬ言葉に結構ショック。でも、理解者が出現したことは嬉しかった。
そして、その翌日に吉報来たる。
(体が軽い!! これなら足と手、体全体が柔らかくなるかも)
九死に一生を得た気持ちだった。
そこから何度も何度も通い続けて、いつのまにか複数の治療院へ
通うという‘カオスな治療’な生活が今まで続く。
2025年5月4日の日曜日。
今、僕の体はどうか? その答えは‘改善体’になってきたである。
頭や足、腕の重みはあるものの、5人の治療師の方のご尽力で
自由に胴体各部位を動かせるようになってきた。
そして、様々な仕事もこなせるよう体になってきた。
実は、昨日大きな奇跡があった。
旧知の知人に会いに大阪まで行ってきた。
この僕が愛知県から大阪へ行ける……!しかも日帰りで。
大多数の人なら‘単なる旅行’と思うかもしれないこの行動
でも、20年前の僕からすれば、大変大変な偉業な行動だった。
知人と再会を懐かしんだ後には、史跡を巡りに歩き続けた。
険しい坂道を昇り、たくさんの駅を通り、バスを長時間待ち続けた。
動いた時間はトータル12時間。
その間、体が軽く、腕や手足もヒョイヒョイと動かせる自分でいられた。
無論、頭も軽かった。
知人と別れて、愛知県へ帰り、無事に自宅へ到着した。まだ余力十分だった。
「よく元気で帰ってきたねえ~」
母も驚きの声を上げた。
その後、僕はふと気づいた。
(今日、何歩歩いたんだろう?)
毎日眺める万歩計アプリを確認した。
そこには、22,250の数字がドーン!
いやあ~すごい!
歩行困難者だったときもあったけど、なんとか人並みにもどってこれた……。
胸躍り、足の軌跡を喜んだ。
今振り返れば、こう思う。
「人生、粘ってなんぼだな」
人生は困難がつきものだ。でも、行動し続けることが未来の明るい自分を引き寄せる。
これからどんな状況でも、どんな事があっても、その信念を貫いていく。
現在、ライター修行の真っ只中の僕。その険しい道も、粘りの精神で登頂しよう。
***
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