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転職が覚醒であるなら、私はすでに超サイヤ人かも

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:綿引祐敏(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
(転職がこんなにポピュラーな世界になるなんて)
これは、昨今の私の正直な感想だ。 もちろん、否定的な意味ではない。
なぜなら、私はこれまでに11回もの転職を経験してきたからである。
 
かつての日本社会において、転職とは「裏切り」に等しい行為だった。
終身雇用という価値観が日本企業の根幹にあったからこそ、一つの企業に忠誠を誓い続けることが「正義」であり、「美徳」とされていた。
そのため、転職とは何か問題がある人物、もしくは「我慢できない人間」の選択であると捉えられていたのだ。
 
だが、時代は確実に変わった。
今では企業自体が「多様な経験」や「越境的人材」を積極的に評価するようになり、転職が当たり前の選択肢として認識されつつある。
むしろ、新卒一括採用と年功序列を守り続ける企業の方が、時代遅れとされる風潮さえある。
 
この転職の一般化は、社会にとっても企業にとっても大きな変化だが、最も大きな恩恵を受けているのは、間違いなく「個人」だ。
転職は、個人にとってとてつもない成長機会を携えている。
自らの価値観と能力を見つめ直し、新たな環境で挑戦することは、自己変革そのものである。
だからこそ、私は転職を「基本的に」素晴らしいことだと考えている。
 
しかし、あえて「基本的に」と表現したのには理由がある。
なぜなら、転職という行動は使い方を間違えると、時に大きな負担をもたらし、キャリアの信頼性を損なうリスクを孕んでいるからだ。
目的も戦略も持たずに「とりあえず辞める」「なんとなく環境を変える」といった形で転職を繰り返せば、たとえ経験が増えても、その質は伴わない。
だからこそ、転職は明確に「戦略的なアクティビティ」として、自分なりに分析し、向き合う必要がある。
 
では、どのようにすれば転職を“覚醒の機会”にできるのか。
ここからは、私が11回の転職を通じて得た「転職を覚醒に導く視点」を3つに分けて紹介したい。
 
転職を覚醒に導く視点 その①:本気度
転職という選択に対して、どれだけ本気で向き合っているか。
転職活動の軸は何か。
逃げではなく、前向きな挑戦なのか。
その問いを自分に投げかけたときに「YES」と即答できる覚悟があるかどうかが、最初の分かれ道である。
 
転職を覚醒に導く視点 その②:やりたいことのゴールをどう保持しているか
転職はあくまで手段であり、目的ではない。
自分が何を成し遂げたいのか、どうなりたいのか。
キャリアのゴールを漠然とでも持ち、それに近づくための一歩として位置づけられているかが重要だ。
たとえ未完成でも、自分なりの「方向性」を保ち続けることが、ブレない成長に繋がる。
 
転職を覚醒に導く視点 その③:その経験により、人生を謳歌できているか
転職によって得た仕事が、自分の人生の質を上げているか。
心から笑えるようになったか、誇りを持てるようになったか。
単に給与や役職が上がることだけではなく、「生きている実感」が増しているか。
ここにYESと答えられれば、その転職は成功だといえる。
 
転職する際に最も多く語られることの一つに、自分にとっての中長期的なキャリアパスを描くことがあげられる。
もちろん、キャリアパスを長期的に描くことは重要だ。
しかし私は、上記に挙げた視点を持ってさえいれば、必ずしもすべてのキャリアを完璧に設計する必要はないと思っている。
なぜなら、この変化の激しい現代社会において、未来を正確に予測すること自体が困難だからだ。
 
一方で、そうした中で今強く求められるのは「対応達成力」だと私は考えている。
変わりゆく環境において、ビジョンを持って行動し、自らの殻を破ってきた人物かどうか。
「過去に何をしてきたか」だけではなく、「変化にどう反応し、乗り越えてきたか」の方がはるかに価値を持つようになっている。
 
だから私は、転職を繰り返すことに、もはや罪悪感はない。
それどころか、死ぬまで成長を求め、自分の限界を更新し続けることこそが、今の時代において最も強い「資産」だと思っている。
だから今日も、私は自分の意志で転職という選択肢を持ち続けていきたい。
 
ひとつだけ注意があるとすれば、自分が転職することによるその職場への負の影響をどこまで考えて卒業できるかだ。
多かれ少なかれ、退職することによる職場への影響はある。
だがその影響もしっかりと段取りを組むことによって、組織へのさらなる成長へつなげることもできる。
要するに組織を思った行動がとれているか。素晴らしい転職にはこのような慮る行動が隠れているはずである。
そこまで考えられることで、今後の自分の方向性も万全なものになっていくはずである。
 
そして、転職において何より重要なのは、自分のキャリアに自分で責任を持つことだ。
誰かに与えられる道ではなく、自分の足で築く道を歩む覚悟があるか。
その覚悟こそが、転職という選択肢を成長の起点に変える鍵になる。
社会が変わり、働き方が多様化した今だからこそ、自分らしい生き方を貫くための「選択する力」と「行動する力」が、未来を切り拓く最大の武器となるのだ。
 
いつか自分の力が、力を測定する装置のスカウターでは計り知れずに、壊してしまうくらいの大きな力になっていることを期待したい。
 
 
 
 
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2025-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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