人はやられたらやり返す……それなら
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:星空志音(ライティング・ゼミ5月コース)
「やられたらやり返す……」
と言われたら、きっと多くの人は同じフレーズが頭に浮かんだのではないでしょうか?
2013年の流行語大賞から干支が一周した今、この言葉の意味を痛感することになろうとは……。SNSの海に飛び込んだら、気がつけば土下座をしていたのです。
私はつい最近までSNSをすることを避けていました。厳密にはSNSを利用してはいましたが、所謂「読む専」で情報を収集するだけ。自ら投稿することはしませんでした。
そんな「読む専」な私にも、お節介なことに毎日通知が来ます。芸能人から一般人に至るまで「トレンド」という名をまとった誹謗中傷まみれの投稿が、勝手にスマホに表示されるのですから、ありがた迷惑にもほどがあります。
明日は我が身。いつ自分が標的になるかわかりません。この恐怖がもともと臆病だった私をますます臆病にさせました。
「そもそも人から攻撃されたくなければ、人と関わらなければいい」
これはいじめに遭い人間不信になった私が自然と導き出した答えでした。誰とも関わらなければ嫌な思いをすることもない。要は「やられたらやり返す」の逆で「やらなければやり返されない」のです。そんな思考の私が「読む専」になるのは必然でした。
そんな私も自分を変えるため、今まで誰にも見せず細々と書いていた文章を、意を決して発信してみることにしました。多くの人に届けるため、ずっと目を背けていたSNSの投稿を始めてみることにしたのです。「読む専」の私には、たかが「いいね」を押すことですら勇気が入りました。押した瞬間私が存在することが相手に知れ渡ってしまうのですから。今までひっそりと読んでは気付かれないように去る。まさに「忍び」さながらだった私が、「ピンポン」とチャイムを押して堂々と訪問するわけです。多くの人にとっては当たり前のことだと思うのですが、私にとってはとんでもない違いでした。まして「リポスト」がその何倍も勇気がいったことは想像できると思います。
やっとのことで乗り越えた私に、突然半沢直樹がやってきました。
「やられたら、やり返す」
私の投稿が急にいいねやリポストされだしたのです。望んでもいないトレンドを伝える時だけしょうがなく鳴いていた携帯が、初めて元気よくさえずり始めました。しかも拡散されたことで、私が訪問していない方まで返してくださったのです。
まさに「倍返し」
今まで人と関わればどんな怖いことが返ってくるのだろうと思っていた私は、想定外の倍返しの世界を知ることになったのです。
さらに倍返しはそれだけでは終わりませんでした。初めてメッセージをくださる方が現れたのです。炎上が日常茶飯事なSNSで顔の見えない誰かと関わることは勇気と怖さがはらむことなのに、それでも思いを伝えたいと思ってくださったことに感謝せずにはいられませんでした。その方に私も初めてメッセージを送ると、さらに想いのこもったお返事をいただき、倍返しどころではないお返しに、ようやく私は呪縛を解くことができました。
怖さの倍返しで満ちていると思い込んでいたSNSの世界で、想定していなかった温かい倍返しがあったなんて。偏見の塊だったことに謝りたい気持ちと、新しい気付きをくれたことへの感謝で、土下座したくなるほどの想いに駆られたのです。
人は鏡です。
良くも悪くも「やられたらやり返す」のが人間だと思います。
暴言を吐かれれば、暴言で返したくなるのは当たり前です。
逆に「笑う顔に矢立たず」というように、笑顔で接してくる人に暴言を吐ける人はなかなかいないのではないでしょうか。
そのことに気付いてから、悪意を持って接してくる相手でも悪意では返さないことで負の連鎖が断ち切れることを知りました。
誹謗中傷でも戦争でも、負の連鎖が断ち切れないまま人は過ちを繰り返しています。確かに、攻撃されてやり返さない、家族を殺されてやり返さないなんて、とんでもなく難しいことだと思います。
ただもし「人はやられたことをやり返す」という原則を知っていたなら、「暴言に暴言で返さない」「剣に剣で返さない」方が自分たちにとっても有益な結果に導けるのではないでしょうか。
「誰かのため」なのはもちろんそうなのですが、「自分のため」でもある。
良いことが誰かに倍届き、自分に倍返ってくるのなら、もしかしたらどちらにとっても良いことがあるのではないでしょうか。攻撃の応酬がどちらにもプラスを生まないこととは逆で。
世のため人のため自己犠牲を厭わず世界が変えられるのなら、それが一番良いのかもしれないけれど、人は自分に返ってこなければ動かない。逆に良いことが自分に返ってくるのなら人は動ける。
良いことも悪いことも、人は鏡のようにやり返すのであれば、どうせなら良いことを返したい。
私はペンで、もらった恩を返していける人生にしてみよう!
SNSで出会った半沢直樹に倍返しできる日まで。
***
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