陰と陽!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:土佐 徳彦(ライティング・ゼミ集中コース)
世間が慌ただしいゴールデンウィークを過ごす中、私は静かにその時間をやり過ごしていた。
今日は5月8日。暦の上では「立夏(りっか)」を迎え、夏の気配を感じる時期だが、まだ肌寒さが少し残っている。
「ん~腹減ったなぁ、うまいものが食べたいなぁ! 鯛茶漬け、豚骨ラーメン……」
「……博多か!」
善ちゃんという、とても性格の良い後輩が住んでいる街。
「そういえば、しばらく会っていないなぁ。お子さんが生まれてからは特に……」
そう思った瞬間、私の身体は確かに東京のオフィスのソファにあったが、心はすでに博多の街角に飛んでいた。
だが、普通に旅するだけでは面白くない。
せっかくだから、この一泊二日の福岡旅行を「コスパの神」と「贅沢の極み」の二人の自分が激突する、壮絶なバトルフィールドにしてしまおう!
こうして、前代未聞の「超節約型ツアー」と「超豪華型ツアー」のガチンコ勝負が幕を開けた。どちらの旅が魅力的か、ぜひあなたも審査員となって楽しんでほしい。さっそく両者の旅の様子を覗いてみよう。
まず登場したのは「コスパの神」。
その旅は財布に対して一切の慈悲を与えない。今回の東京~福岡の最安往復航空券は、LCCの特別セール価格を利用し、なんと往復でわずか1万1,000円!成田空港を朝7時50分に発つという睡魔との壮絶な戦いに耐えることが、節約への最初の試練となる。
都心から成田空港までのアクセス費用は片道約1,200円、往復で2,400円。
ここまでの合計が13,400円だ。
飛行機に乗り込むと、狭い座席が容赦なく私を迎え入れる。隣席の肘が私の腕を何度もつつくが、「安さの代償」と心の中で念仏のように唱えながら耐えるしかない。
機内サービスは当然ないが、むしろ短時間の睡眠に集中できるからありがたい。
飛行時間はわずか1時間45分。福岡空港に到着すると、すぐに地下鉄乗車券260円を握りしめ、博多駅前のリーズナブルなビジネスホテルへ向かう。
ホテルの宿泊費は驚異の一泊5,500円!部屋に入るとシングルベッドがぽつんと待っているだけで、スーツケースを広げる余裕などほとんどない。だが、それすら「効率的だ」とポジティブに解釈するのが節約旅の流儀だ。
しかし、この節約旅でも食事だけは妥協しない。福岡は言わずと知れた美食の街。
浮いたお金を使って豚骨ラーメン(約600円)、鯛茶漬け(約1,500円)、創作寿司のディナー(約3,000円)を堪能する。航空券、宿泊、食費を合わせても、一泊二日で2万円を少し超える程度。これぞ究極のコスパ旅行と言える。
一方、静かに余裕の笑みを浮かべているのが「贅沢の極み」
こちらの私は、早朝から東京の羽田空港に堂々と登場。某国内航空会社のファーストクラスのチケットを躊躇なく往復予約し、片道69,000円、往復で13万8,000円という驚きの豪華ぶりを見せつける。
空港の優雅なラウンジで特別なコーヒーを味わいながら搭乗を待つ時間も贅沢そのものだ。搭乗時には列に並ぶことなく優先搭乗し、ゆったりとした革張りのシートに身を沈める。機内では豪華な朝食が提供され、その優雅な味わいに感動を覚える。
福岡空港に着くと、専属のハイヤーが待機しており、市内最高級ホテルまでエスコートされる。今回の宿泊先は福岡屈指のラグジュアリーホテルで、一泊250万円のスイートルームを予約。
チェックインした瞬間に総額264万円を既に消費して夢のような空間に足を踏み入れる。
客室には大理石張りのバスルーム、絶景が望める広々としたリビングルーム、そしてキングサイズのベッドが用意されている。
贅沢極まる空間にいると、数千円のラーメンや鯛茶漬けなど小さなことに思えてしまうが、それでも福岡の美食は外せない。
創作寿司のフルコースに2万円、極上の鯛茶漬けに5,000円を惜しげもなく支払い、夜景を眺めながら最高のディナーを満喫する。
こうして二つの旅を比べてみると、その金額差は260万円以上。
しかし、どちらの旅でも福岡の美味しい料理は同じように味わえる。コスパ旅の豚骨ラーメンも、豪華旅の創作寿司も、舌が感じる満足感は金額に比例しないことに気付かされる。
結局、旅の醍醐味とは、財布の中身ではなくその体験を楽しむ心にこそある。節約型旅行は「安さを追求する喜び」を、贅沢型旅行は「非日常の特別感」を味わわせてくれる。どちらも、後に笑顔で語れる貴重なエピソードとなる。
あなたはこの二つの旅、どちらに心惹かれるだろうか?「両方試したい!」という欲張りな方もいるだろう。私も実はその一人だ。人生は一度きり。旅の数だけ人生は豊かになる。
さあ、財布を片手に、自分だけの旅へ出かけよう。
「ぐっう~~。あ~、また、おなかがすいてきた。今度は、ジンギスカン……」
***
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