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毎日缶ビール10缶も飲むのに87歳まで医者に一度も行ったことがない病気しらずなチヤコばあちゃんの健康の秘訣とは


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記事:鈴木 しゅん(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
毎日缶ビール10缶も飲むのに87歳まで医者に一度も行ったことがない病気しらずなチヤコばあちゃんの健康の秘訣とは
 
「またビールこんなに飲んじゃって! このババア!」
 
ケイスケの怒鳴り声が台所に響く。口は悪いがこれが東京の下町足立区に住む親子の日常的な愛情あふれる会話。その目の前には、缶ビールを片手に満面の笑みを浮かべるチヤコばあちゃん。テーブルの上には、すでに空になった缶が5つ並んでいた。
 
「うるさいねぇ、私のビールに文句言うなら出てってよ」 チヤコばあちゃんは一気に缶を空け、6つ目の空き缶をテーブルに置いた。
ケイスケの心配はもっともだった。87歳の高齢で毎日缶ビール10缶。一般的な医学常識からすれば危険信号だ。しかし、チヤコばあちゃんは驚くほど健康だった。病院とは無縁の人生を送り、ある朝、眠るように静かに息を引き取った。
 
医者いらずで87年。ビール大好きチヤコばあちゃんの健康の秘密とは何だったのだろうか。
 
まず意外かもしれないが、適量のアルコール摂取には健康上のメリットがあることが科学的に示されている。ハーバード大学の研究によれば、適度な飲酒は心臓病リスクを20〜30%低減するという。また、2018年の『The Lancet』誌に掲載された研究では、適量の飲酒者は非飲酒者よりも2型糖尿病リスクが低いことが報告されている。
 
しかし、毎日10缶は明らかに「適量」を超えている。通常、女性の適量は日本酒換算で1合程度とされる。10缶のビールはその数倍だ。
 
では、なぜチヤコばあちゃんは健康だったのか。その秘密は、ビール以外の生活習慣にあった。
 
第一に、チヤコばあちゃんは毎日欠かさず野菜を育てていた。自家製の有機野菜を豊富に摂取し、特に発酵食品を多く取り入れていた。最新の腸内細菌研究によれば、発酵食品は腸内フローラを多様化し、アルコールによる肝臓への負担を軽減する可能性がある。東京大学の研究チームは、多様な腸内細菌を持つ人は炎症性疾患リスクが58%低いと報告している。
 
第二に、彼女は驚くほど活動的だった。毎朝5時に起き、畑仕事をし、近所の友人たちと交流し、夕方まで動き回っていた。米国心臓協会の研究では、1日30分以上の身体活動は、過度の飲酒による心臓病リスクを相殺する効果があるとされている。チヤコばあちゃんの活動量は、その何倍もあった。
 
第三に、彼女の強靭な精神力。ストレスを溜め込まない性格で、「くよくよしたって何も変わらない」が口癖だった。2019年の『Journal of Psychiatry Research』誌の報告によれば、楽観的な思考を持つ人は平均4〜10年長生きするという。
 
最も興味深いのは遺伝的要素だ。彼女の家系では100歳超えの親族が複数おり、アルコール分解酵素(ALDH2)の活性が通常より高い可能性がある。京都大学の遺伝学研究では、特定のALDH2変異を持つ人は、飲酒によるダメージが少ないことが示されている。
 
また見逃せないのは「適度な社交性」だ。チヤコばあちゃんのビールタイムは、常に誰かと共有するものだった。2010年のブリガム・ヤング大学の研究では、強い社会的つながりを持つ人は死亡リスクが50%低減すると報告されている。
 
科学的に見ると、チヤコばあちゃんの健康は「ビールのおかげ」ではなく、むしろビールの悪影響を相殺する良習慣の賜物だった可能性が高い。適度な飲酒、豊富な運動量、発酵食品の摂取、強い社会的つながり、楽観的思考、そして良い遺伝子。これらの要素が複合的に作用し、医者いらずの人生を実現したのだろう。
 
最後に重要な注意点。チヤコばあちゃんのケースは例外中の例外であり、決して「大量飲酒のすすめ」ではない。むしろ、アルコールへの耐性が特別に高い人が、他の健康習慣を徹底していた稀なケースと考えるべきだ。一般的には、適量を守ることが健康への道だ。
 
ケイスケが祖母の遺品を整理していたとき、日記を見つけた。そこには「ビールは楽しく飲むから美味しいのよ」と書かれていた。おそらく、彼女の長寿の秘訣は、科学的要因以上に、人生を心から楽しむ姿勢にあったのかもしれない。
 
 
 
 
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2025-05-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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