片付けは永遠に終わらない
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:ドラ子(ライティング・ゼミ5月コース)
最近、私には何度目かの片付けブーム、ミニマリストブームが訪れています。
なぜブームなのかというと、片付け終わったことがなく、ミニマリストに憧れるけど、なったことがないからです。
そのため、物を減らしてはまたいつの間にか増え、また処分するということを繰り返してきました。
そもそもなぜ片付けたいのか、物の量を減らしたいのかというと、物理的にも精神的にもスッキリしたいからです。
物理的なことでいうと、単純に物が多いとそれを管理する手間(気力・体力・時間・お金)がかかります。服であれば洗濯やクリーニングをする必要があるし、雑貨ならホコリをかぶったらキレイにしたり、しまう場所を確保し、使ったら決まった場所に戻さないといけません。また、使わないのに保管している物ならそのスペースを確保する必要があります。
精神面のことは、様々な片付けやミニマリストのスペシャリストの皆さんが説明されていますね。よく聞くのは、空間がスッキリすると思考もスッキリするとか、視覚的なノイズがなくなると心も落ち着くというようなことです。
私の場合、性格(ストレングスファインダーで言うところの資質)の特性もあるため、一概に環境だけの影響とは言えませんが、思考がとっ散らかりがちなので、ぜひ空間をスッキリさせたいのです。
空間がスッキリ→思考がスッキリ=完全なる自己理解→ときめく生活
ということを妄想(期待)しています。
片づけは苦手でずっと取り組んできましたが、それでも物を処分できるようになっただけまだマシかもしれません。
私は数年前まで、ほぼ、物を捨てたことがありませんでした。まだ使えるものを捨てるなんて考えたこともなかったのです。譲る(身近な人にしろ、フリマやリサイクルショップにしろ)ことに関しても、手放すわけですから私にとっては大差ありません。
とにかく、自分が持っているものは壊れてどうにもならなくなるまで大切にしなければならないし、そこになんの疑問もありませんでした。
良く言えば物持ちが良いということです。
物を全く捨てる習慣がない時に引っ越しをした時に、引っ越し業者のおじさんに怒られたことがあります。
これは一人暮らしの荷物の量じゃない、と。
一人暮らしだからと思って一人で来たのに、予想外に量が多くて大変だったのだろうと思います。
そんなわけですから、こんまりさんの、ときめく物以外は手放しましょうということを聞いた時にはびっくり仰天しました。
そんな考え方があるのか!
っていうかそんなことしていいんだ!
物を捨てる、あるいは手放す時の罪悪感を緩和する説明としてよく聞くのは以下のようなことだと思います。
・自分が使わないなら、使ってくれる人に譲って有効活用してもらう方がよい
・使わないのに保管する空間がもったいない
・物を過剰に持っているとメンテナンスの時間や手間、お金が余分にかかる
・ゴミとして処分するのは理想的ではないが、それを教訓にして賢い買い物が出来るようにする
なるほど〜!
それからというもの、どんどんリサイクルショップに持って行くし、それができない物についてはどんどん捨てるようになりました。
相変わらず、捨てる罪悪感はあるものの……。
もちろん、物は自然に湧いて出てくるわけではありません。
自分で買ってくるか、人からもらうかして今自分の手元にあるわけです。つまり、これをここに置いておこうと自分で判断しているはずなのです。
それにも関わらず、時が経つと、その中のいくつかはすっかりお荷物になってしまうのはどうしたことでしょうか。
原因の一つは、ときめく物を手に入れて一時的に満足を得たいという思考だと思います。もちろんその時には「一時的に満足できればいい」と思っているわけでなく、これで満たされるだろうと信じているわけですが……。
自分が何によって満たされるかということは、短期的か長期的かということでも変わってくると思います。物やゴミの量を増やさないようにするならば、長期的な観点で自分を満たせる物を手に入れるのが良さそうです。それがあると思うと幸福感や安心感を感じられれば、むやみやたらに他の物が欲しくなったり、そういうものを求める心の穴が生まれないかもしれません。
というか、心の穴の方を先になんとかする必要があるかもしれませんが……。そんなことまで考え始めたら、確実に片付けの手は止まりますね。
私の場合、服では長期的に自分を満たしてくれるものがいくつかあります。
15年以上気に入って着続けているのです。
でも、それらを購入した時と、結局1回も着なかったものを購入した時と、精神面や判断の仕方が明確に異なったかというとそんなことはありません。
ぶっちゃけ、偶然です。
自分のことを知るというのは、簡単なことではありません。
環境や状況が変われば必要な物もときめく物も変わります。
だとすると、「どういう環境に身を置きたいか=どういうふうに生きたいか」を考えればいいのかもしれませんが、世界にはどんな環境や生き方があるのかを調べ尽くすことはできません。また、実際にそれぞれの環境が自分にとってどうなのかは、そこに身を置いてみないことにはわかりません。
また、人間は成長する生き物です。見える世界やその捉え方が変わることもあります。こうして、一つ、また一つと考慮すべきことを付け加えていくとエンドレスです。
なんだか話がとっ散らかってきましたが、片付けを終わらせるためにはその手前の「物を選んで手に入れる」ことを考える必要があり、さらにそのためには「自分がどのような環境にいたいのか=どう生きたいのか」を考える必要がある……それは自己理解である、と言えるのではないかと思うのです。
そうだとすれば、完全に自己理解をすることは不可能なので、片付けも永遠に終わらないのではないかと思うに至りました。
悲しいけれど、このことを受け入れて、片付けブームの波が少しずつでも穏やかになっていくことを期待したいと思います。
***
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